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アントン・ラエウスキー(5)

2016年3月4日 ラジオリバティー:(4,887 文字)

しかし、それにも関わらず、司令官たちは本当に殺されていますね

モズゴヴォイ、ドレモフ (ドンバスの政治的指導者たち)などはウクライナ人に殺されているのではなく、自国民に殺されているように見えます

モズゴヴォイ、ベドノフ、ドレモフは、ウクライナのDRGに殺されたのではないと私は確信してる

アレクセイ・モズゴヴォイ:コールサイン「ゴースト」ドンバスの司令官。2015年5月23日死亡。

アレクサンダー・ベドノフ:コールサイン「バットマン」ドンバスの司令官。2015年1月1日死亡。

パベル・ドレモフ:コールサイン「バーチャ」ドンバスの司令官。2015年12月12日死亡。

DRG ≪ДРГ≫:破壊工作・諜報部隊

ウクライナのDRGが後方で活動し、指揮官たちを殺すことができるはずがない
ギヴィ、モトローラ、ホダコフスキー、ザハルチェンコ、プロトニツキーの暗殺は、なぜ狙われてなかったのか?

ミハイル・トルスティフ(ギヴィ):ドンバスの指導者の一人。2017年死亡。

アーセン・パブロフ(モトローラ):ドンバスの指導者の一人。2016年死亡。

アレクサンダー・ホダコフスキー:ドネツクの分離派政治指導者。DPRボストーク大隊司令官。298名が死亡した2014年7月17日のマレーシア航空機撃墜事件は、この部隊が実行したと考えられている。

アレクサンダー・ザハルチェンコ:ドンバスの指導者の一人。2018年死亡。

イゴール・プロトニツキー:ドンバスの指導者の一人。

なぜ、軍や民間人に人気があり、信頼されている人ばかりが殺されるのか?
その答えは分かりきった事だ

ドンバスでも、将軍や大佐が心臓発作で死に、飛行機が突然墜落するという、ロシアと非常によく似たやり方で、(ロシア政権に)好ましくない人たちはすべて粛清されている
で、誰が掃除させているのか?
もちろんFSBだ
いわゆるPMCの汚ない手で掃除しているのは、元キャリアのロシア軍人たちだ
基地でPMCを組織し、ドンバスに放り込み、汚れ仕事をさせているのだ

特に、前回ドンバスに行ったときには、ロストフ・オン・ドンの基地でPMCのグループが組織されていた
そこにはロシア連邦の市民だけでなく、ウクライナ人もいた
2014年から2015年にかけての軍事的出来事を経験した人だけでなく、ドンバスでの軍事行動に参加したことの無い人もいた
知人同士でPMCのグループを結成し、戦闘経験がある仲間と組ませて、そのグループをドンバスに投入し、特殊な役割をさせているのだ

偶然出会った男が、酔った勢いで面白い話をしてくれた
2014年にどのように略奪を行い、銀行を襲い、ロシアに金を運んだか
銀行、回収車、会社員(PMCの従業員)の話だ

俺が「もし、モズゴヴォのような現場指揮官を殺せという命令が出たら、その命令を実行するのか」と聞いたら
「そうする、仕方ない」
「仕方ないとは?」
「命令に従わないものは消される
俺たちのグループも排除されたことがある」
「何?誰も命令に従わなかったのか?」
「いや、全員じゃない、そういう人だけがしばらくPMCにいる
いずれ全員いなくなる、ゼロになる」

彼はなぜ排除されなかったのでしょうか?

ささやかな幸運だ
早く部隊を離れ、たまたま逃げ出せただけだ

VK(SNSアプリ)でマレーシア航空ボーイング撃墜事件を考察しましたね?

確かに
ロシア連邦市民権のある、その民兵を知っている
オデッサで反マイダン革命に参加した時に会った、その時のコールサインは「チェリャ」だった
チェリャビンスク出身だったからだ

その後、モトローラ部隊に入り、そこでのコールサインは「エルマク」だった
ウクライナ戦車を撃破して評価され、ジョージ十字勲章を授与された

ミコライフカが占領されたその日、そこで彼と会った
私たちは退却中で、激しい迫撃砲の攻撃を受けた
ある建物の地下室で砲撃から隠れているとき、話をするようになった

「アントン、俺はこの戦争にがっかりしている
プーチンによってオデッサは水を抜かれ、次はドンバスも水を抜かれようとしている
ドンバス領土に公式にはロシア連邦軍は存在せず、緑の男たちの軍団もいない
約束はどうなってるんだ?
ガーキンが『ブク(MANPADS)』を受け取りそれをウクライナ側に売ったのも知ってる」

その後、エルマクははモトローラ部隊を離れ、ロシア連邦に戻ることになり、他の兵士たちと一緒に出て行った
しかし、アイダール大隊に待ち伏せされ、捕らえられた

VKでアルセーニ(知人)と話した時、エルマクはアイダール大隊が捕虜をよく扱ってくれた、食事も与えてくれた、殴ったりもしなかったと言っていた
アイダール大隊は、殴打と拷問で有名だったと言われているから、おそらく看護兵のふりをして助かったのだろう
いずれにせよ、ウクライナ軍のことをよく話してくれた
ウクライナ軍の中には、この戦争が民間人の肉弾戦であることを理解している適切な人がたくさんいるのだ

ウクライナ人の捕虜はいたのですか?どのように扱ったのですか?

個人的にはウクライナ人の捕虜を見たことはないが、2015年の秋に私たちの大隊の兵士が数人のウクライナ軍人を捕らえ、数人射殺したことは知っている
捕虜にして本部に連れてきて、KGB役員(FSB)に引き渡したが、どうなったかは知らない

ドンバスにはどのくらい滞在し、いつ頃戻ろうと思ったのですか?最後の一押しは何でしたか?

合計で6ヶ月
比較的短い期間でしたが、意見を持つには十分な期間だったと思う
大隊の将校たちから、私の陣地か私たちの陣地から銃撃された疑いがあると非難されたとき、ドンバスを離れる必要があると判断しました
それで、できるだけ早く離れることにしました
これは明らかな嘘でしたが、なぜそうなったのかは分かりません
もしかしたら、すでに、私を追い出すような暗黙の了解があったのかもしれない
彼らは、偽証する人間を見つけ、私を軍の検察庁に引き渡し、裁判にかけようとしていた
私を追い出したかったのでしょう
もしかしたら、ドンバスの上官の前で成果を出したので追い出すことにしたのかもしれない
私の主観ですが、そう思えます

それは、負傷した後ですか?

2014年に負傷し、2015年、機動小銃小隊の隊長をしていたときのことです
実際、私は指揮官の役を外され、部下もいない状態でした
大隊長から、人道的な仕事、つまりカッコいいビデオ撮影をしたいと言われました
「ドイツ人、君はいいビデオを撮るね、うちの大隊のPRになるよ、モスクワのストレルコフに定期的に行って、人道的な物資を積んでもらうよ」と言われました
しかし、その役は断り、二等兵として偵察中隊への転属を願い出ました

希望によって偵察部隊に入ることができ、部隊に入ることができました
中尉という階級で、普通の二等兵になったのです

そして、出撃しているときに敵に発砲したところ、「おれたちに発砲した」と非難されたわけです
ナンセンスです、敵に発砲したのです
偵察隊は敵の位置を正確に把握していた
間違いなく、彼らは嫌がらせをして、私を追い出したかっただけでしょう
それでドンバスを離れました
将校として退去命令を待たず、ただ辞職報告書を書き、戦闘部隊に提出し、机の上に置いて言いました
「以上です、みなさんさようなら、借りはない」
それで背を向け、ゴロフカ発モスクワ行きのバスに乗り、帰りました

もうすぐ1年になりますが、ジャーナリストに自分の話をすることにしたんですね。
動機は何ですか?

起訴から身を守るためか、誰かに警告するためか、復讐するためか?

先に言われましたね
確かに、いくつかの理由があります
まず、このようなペテン、プロパガンダに人々が騙されないように警告するために書き始めたのです
この戦争は、両国の特務機関、政治家によって始められたものです
今は、他の人が巻き込まれないようにと警告しています
これは第一の理由のです
第二に、クレムリンから金をもらっている超愛国主義的な組織の役割を明らかにし、人々が彼らのプロパガンダに引っかからないようにするためです

これらの組織には、露帝国運動(RID)、バルカショフのロシア国民統一、リモノフの国民ボルシェビキ党などがあります

ロシア帝国運動:ロシア正教と君主主義イデオロギーの組織。

ロシア国民統一党:アレクサンドル・バルカショフが創ったロシアのネオナチの民兵組織。

国民ボルシェビキ党:

人々がこのポケット・クレムリンの愛国者に引っかからないように
死んだり、廃人になるためにそこに行かないように
もちろん、ロシア連邦調査委員会が私を証人として検討していることを踏まえて、私自身にも注目していてほしい
私がこの事件の容疑者だというなら、ましてや被告であるなら
…これはクレムリン、FSBからの政治的命令です
私が嫌われているから、私がメディアにそうした情報を漏らし始めたから、私を黙らせるために、彼らは、オレール市にある100年前の不明瞭な落書きを私のせいにすることに決めたのです

ウクライナ人もこれを読むことになります
彼らの多くは、この戦争で家族や友人を失っています
あなたが撃った人もいるかもしれません

2016年の今日、あなたに対して温かい感情を抱いていないこのウクライナ人たちに、あなたはどんな言葉をかけますか?

これは仕組まれた戦争です
ロシア側だけでなく、ウクライナ側にも(責任はある)
5月2日にオデッサで起きた出来事は、誰もが覚えていることだろう
双方で殺人や略奪が起きている
最悪の戦争の1つです
したがって、もしウクライナ南東部の平和を望むなら、もし私たちの市民のさらなる殺害を止めたいなら、相互の合意が必要であり、双方が武器を捨て、この戦争を止めなければならないのです

私たちがウクライナ側に許しを請うだけでなく、ウクライナ側もこの戦争で被害を受けたドンバスの住民に許しを請わなければならない
告発されるべきは一人だけではありません
ロシアは決定的な役割を果たし、この戦争を引き起こしたが、ウクライナの一部の政治家や特殊部隊も加担して、この戦争を煽っています
裏取引があるはずです
戦争は完全に終結させるべきであり、ドンバスでこれ以上血を流してはならないのです

これは政治家や政治学者への質問することですが、あなたの意見にも興味があります。
「人民共和国」についてです

DPRとLPRは持続的なものでしょうか、それともすぐに崩壊しそうですか?

これらの国は、ロシア連邦のお金で生活しているバナナ共和国です
自分たちでは何も生産せず、客観的な様々な理由から、何も生産することができない
だから、彼らは皆、クレムリンからの補助金で生活しているのです
もし自治権を与えられ、産業や経済を発展させる許可が与えられたとしても.....
彼らの軍隊や民兵、司令塔にいる人々、特に上層部の人々から判断して
一体誰が景気を良くできるというのか
滑稽なことです
鉱山労働者、トラクター運転手?
ありえません
最高の経済学者や科学者は全員去っていった
本当に非社会的な人しか残っていません
定年退職した人たちがどこにも行くことができなかっただけです
そこで誰が景気を良くするのか?
もしかしたら、誰か戻ってくるかもしれないが、それでどうするのか?
そこでは全てが破壊されているのです
ウクライナの砲兵隊が破壊しなかったものは、我々の砲兵隊が破壊したのです
ウクライナ軍だけが破壊していると言うのは、全くナンセンスです
我々の兵士の性質を知れば、ドンバスの住宅地や軍産複合体を攻撃していることも不思議に思わないでしょう
だから、お互い様なんです

そこでどうやって景気を良くするか、分からない
ドンバスを復活させるには、何十年もかかる
そこで起こったこと、今起こっていることは恐ろしいことだ
傷が癒えるまで、何年もかかるだろう

(終わり)

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