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高齢ドライバーの事故対策、あなたにもできることがある

 2023年2月17日にも 横浜市で高齢(78歳)のドライバーの事故がありました。どなたも亡くなることがなかったので、このニュースはもう過ぎ去っていってしまいそうなのですが、「親の運転をやめさせたいのだけどやめてくれない」と悩んでおられる方も多いと思いますので、書いてみたいと思います。

2月17日の高齢ドライバーの事故について

2月17日の横浜の事故、78歳の加害者は 信号待ちをしていたバイクに追突して玉突き事故を起こしました。ドライバーは、事故後、しばらくは停車していたものの、車を降りて被害者を見舞うことはありませんでした。バンパー破損なだけで走行可能な車だったため、しばらくすると「逃げるな~」と周りの人が呼びかけるのも振り切って車をそのまま走行させます。そして、そのまま予定していた散髪屋に行き、何ごともなかったように帰宅したそうです。当然「ひき逃げ犯」として逮捕されますが、容疑を否認。事故をおこしたことを覚えていないということです。。

認知症気味の高齢者と接した経験の少ない方は、この加害者の話を聞いて、「そんな!覚えてないなんてこと、ありえないでしょう・・」とお思いかもしれません。しかし、認知症気味の方と接した経験のある私からすると、「さもありなん」です。高齢者は時に痛みも感じにくいです。ぶつかった直後は痛みを感じて異常を感じていたとしても、次に何をすべきかについては普通の人でもアップセットしてわからなくなるような状況で認知症気味の方がアクションとれるハズもありません。我に返った後には、「ああ、そうだった、散髪屋に行くのだった」と思い出し、「いつもの行動(散髪屋に行く)」は 繰り返していたことなので、きちんと実行できる。すごくよくわかる行動パターンです。この方・・過失を問えるのかな。精神鑑定で過失を問えなくなるのと同じようなことがありえるのではないか・・と素人目にもいろいろ考えてしまいました。
 レベルは違いますが、うちの母も 私が出社していて日中家をあけていた頃は 家で転んで青あざあるのに、「どこでいつ転んだの?」と聞いてもわからない・・「転んでなんかいないよ」なんて言う・・嘘をつこうと思ってついているわけではなく、心底覚えていなさそう・・そんなことは頻発していました。今は在宅勤務ができていて、1時間以上あけることなく同じ家の中で見守っているので幸い転ぶことはありません。

 高齢ドライバーの事故増加についてのデータはいろいろ出ているかと思いますが、日々のニュースから、「増えているな、増えそうだな」の実感は皆感じておられることと思います。

ベアちゃん家や周辺高齢者の方々の運転事情

ベアちゃんの母は父より早くに運転をやめていたので心配はありませんが、ベアちゃん周辺の高齢者の運転事情はこんなかんじでした。
①ベアちゃんの父の場合。72歳でもバリバリ首都高速を運転して職場に行ってました。電車で行けばいいし、タクシーだって使えるハズでしたが、運転が楽しいらしく。夏には軽井沢まで碓氷峠の山道も70代で運転してました。ベアちゃんがやめて・・とかかわりに運転するから・・と言っても聞いてもらえませんでした。(運転が趣味のように楽しいわけです。)
 72歳現役のときに職場で急逝しちゃったので、車で事故って人に迷惑をかけることはありませんでした。
 なお、高級別荘地の軽井沢も、別荘のお持ちの方々の高齢化は進んでいるようです。軽井沢の有名な高級スーパー「つる●」の駐車場は 夏場、高齢ドライバーの事故多発地帯です。ケガするほどではなくても、車は修理要・・というレベルは多発してます。どうぞお気をつけて。

②ベアちゃんの義母の場合。義父は早くなくなりましたが、義母は「車がないと不便」な地方に住んでいたので、やはり75歳過ぎても運転してました。義姉が平日含め頻繁に出入りして送迎してくれ、「車の維持はお金かかるから勿体ないよ」の論で無事免許返納にこぎつけました。

友人からもこんな話を聞きます。
③40代男性東京在住。70代後半の実父が実家近辺で危ない運転をしているが、やめてほしいというと、「ならお前が実家かえってきて送迎してくれるというのか?ここは車がなきゃどうにも暮らせないだろうっ怒!」となってしまうので言えない・・とのこと。

④50代後半男性。妻の両親と同居。妻も自分も平日日中帯は出社しているから、義父母の運転をとめようがない。「お義父さん、僕が用事は週末にやりますから、運転はやめて・・」と言ってみても、鍵を隠すわけにもいかないから、義父母の平日昼間の運転をとめられない。

なんとかしたいんだけど・・ってみんな思ってますよね。

高齢ドライバーの事故対策について

高齢ドライバーの事故を憂いている方々の多くは、こんなことを言います。
・免許更新期間を短くして運転チェックをして規定を満たさなければ免許停止にすればよい
・自動運転・自動ブレーキなどの車を開発すればよい

これらの対策ももちろん前よりずっと進んでいると思います。でもね、高齢化のスピードはものすごいですよ。高齢者は 1週間前まではっきりしていた人が、何かショックなこと(友人の死など)をきっかけに、急に鬱状態になっていろいろわからなくなってしまった・・(認知症?)・・ということもあると思います。1年に1回 免許更新で運転試験したとしても、80代だと認知症をみつけられないのではないかなあ。
自動ブレーキ車もいくら開発しても、その車を購入して使ってもらうまでがハードルですよね。子供がこんな車を買ってあげられるおうちは、たいていよく見守っていますから、事故にはならないですよね。

あなたにもできることがあるんです

ベアちゃんは、高齢ドライバーの事故をみんなが自分ごとに考えてほしいと思っています。これは、自分が高齢者に車をぶつけられないために必要なことなのです。いつなんどき、高齢ドライバーに出会うかわかりませんからね。

何ができるというの!とおっしゃるかもしれませんが、こんなことは効果があるのではないでしょうか。(ベアちゃん流 ご近所ミニコーチングです。)
 ご近所で車庫入れに苦労している高齢者を見かけたら、犬の散歩のついでとか ご近所立ち話のついでに 笑顔で見守る。ここ、「笑顔で!」が大事! そして、笑顔で! 「あ~ら、車庫入れ、大変でしたね~」なんてドライバーの苦労に共感してあげる。。
そうすると、高齢者の方、きっとイロイロしゃべりますから・・。
昔はこんな苦労しなかったんだけどな、俺もトシかな?あっはっは。・・とか。いやあ、やめようと思っているんだけどね、●●に行くには車しかなくてね・・とか。
そんな話をぜひ聞いてあげてください。これまた、笑顔で!
ああ、、この人、、危ないなあ、、いつか事故るなあ・と思っても他人だったら なかなかとめようもないのですが・・・・それでもどうぞその方のそのご様子を覚えていてあげていて。そして可能ならまた犬の散歩しながら見守ってあげましょう。
相手の方のお立場になると、運転苦労しているところを誰かに見られて恥ずかしいな・・なんですが、見ている方が笑顔!だったなら、それほど悪い気はしないハズ。。ご近所の方とお話するうちに、少し内省が進み、ああ・・あの人は、俺のことを心配していたのかな?なんて後から気づくかもしれません。そうすれば、娘・息子が次に何か運転について言ってきたとき、「そういえば、近所の人が俺のことを心配そうに見ていたな」と思い出すかもしれません。

ものすごーく地道で、そんなことで・・と思うかもしれませんが・結構効果あると思うのですよ。ご近所ミニコーチングです。
くれぐれも・・「あそこのおじいさん、危ないわよねえ・・ヒソヒソ」って感じには語らないように。ますます意固地になってしまいますから。

事故が起こった後、(犯罪の場合もそうですが)ニュースでは ご近所の方のインタビューがたいていあるでしょう。その時、ご近所の方が異変を気づいている場合もありますよね。(もちろん、気づいていない場合もありますが。)異変気づけるなら、対策もできるハズなのです。もっとみんなで 関心をもって「できるハズだ」と思っていけば。

高齢者が運転しなくても大丈夫な世の中になるといいな

高齢者の方も実は自分の運転に不安を抱いているのです。
ただ、行きたいところがあって、誰かに連れていってと頼むのははばかられていて、車以外の手段だとお金がかかると心配していて・・そんな状況だから「大丈夫だ!」と強がっているのです。
運転不安な高齢者の方が正直に、ちょっと不安なんだと素直に言える世の中になれば、高齢ドライバーの事故はきっとおきない。
運転実は不安なんだ、やめたいんだけど・・と打ち明けてくれるところまで持っていけたら、助けられるソリューションは結構あるのです。社会福祉協議会等の力も借りながら探していけば、病院の送迎も買い物代行もいろいろあるのです。社会福祉協議会はあなたの住む町にも必ずあります。信じて相談してみればいいのです。でも、なかなかそこまでやる気がおきない・・まだ大丈夫、まだ大丈夫で何年もたってしまうのです。
 ご近所の高齢者とのたわいもないおしゃべりで 相手の方が自分の状態に気づいてくれたら・素敵なことではないでしょうか。あなたのたわいもないご近所の方との会話がもしかしたら、「高齢者が不安を素直に吐露できて」「自分が運転する以外の別の手段を探すきっかけとなって」「高齢ドライバーの事故を未然に防ぐ」ということに大いに貢献するかもしれないのです。そう思うと・・お散歩で出会った人とのちょっとした会話も 大切にできそうではありませんか。

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