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僕がスペインに来るまでの話①

ー 目暮警部は気付かない。ー

今、僕はスペインのバルセロナにいます。ラインメール青森を退団後、しばらく姿を消していました。決してブログを書くのが面倒くさかったとかではなく、タイミングを失っていました。はい、言い訳です。そんな言い訳していいわけ?
最近、文章術の本を読んだのですが、その本には「最初の三行で読者の心を撃て。」と書かれていました。でも僕は最初の五行で、渾身の親父ギャグを炸裂させました。やってやりました。つかみはバッチリです。

スペインでも、相変わらずサッカーをしています。
2012年、高校卒業とともに浦和レッズでプロのサッカー選手になり、それから7年で5回の契約満了を経験してもなお、懲りずにまだサッカーをしています。僕も28歳になりました。
野球をやりたい!と言い張っていた少年が、「野球は足腰が大事だからまずはサッカーをした方が野球も上手くなる」と、割とこじつけ的な理由でお父さんに説得されてサッカーを始め、お母さんに連れられて行った初めての練習では恥ずかしがってサッカーをやらずにそのまま家に帰ってきたその少年が、それから22年、サッカーを続けています。頑張っても、ギリ、もう少年とは呼べなくなってしまいました。人生何が起こるかわからないです。
そろそろ夢が執着に変わりかけている感も否めませんが、知らない方が幸せなことが世の中にはたくさんあります。知らんぷり知らんぷり。
恥ずかしがって帰ってきてしまったあの日、1人だけ同い年の男の子がいたのですが、その彼は去年、中学校の同級生と結婚しました。28歳ともなると、いろいろと変わります。

一応、僕は僕で、世界が変わりました。
スペインにいるんだから当たり前だと思われるかもしれませんが、僕の中ではちょっと認識が違います。
まず、僕が変わりました。そしたら後から、スペインがついてきた。こんな認識です。スペインがついてきたって言うのは少し無理があるかもしれないですが、本当です。
それまでの僕じゃ絶対に選べなかった。でも選べる自分に変わった。
それはもう明確に、自分が変わったのがわかりました。ピンときたコナン君のように、閃光が脳を貫くのがわかりました。
それから、毎日が楽しくてしょうがない。いや、それまでも割となんでも楽しめるタイプの人間でした。インドア派ですか?アウトドア派ですか?といった質問がありますが、本当にどっちも好きだから選べないってのが本音でいつも困ってしまうくらいにはなんでも楽しめていたと思います。少し油断したら一日中テレビゲームに勤しんでしまうこともしばしば。小さい頃、それでお母さんを不機嫌にさせた回数は、コナンくんが麻酔銃を毛利小五郎に撃った回数といい勝負だと思います。調べてみると1巻~98巻までで55回らしいです。思っていたよりも少ないな。
ふむ、これは本当にいい勝負です。しかし、アニメ版と映画版を含んでいないのでそれらを入れたら勝負になりません。ちなみに毛利小五郎の妻、妃英理と僕のお母さんの誕生日が同じです。インドア派のエピソードに続いてアウトドア派のエピソードも書こうと思っていたのですが、ずいぶんふわっとしたミラクルのせいで手元が狂ったので、写真で失礼します。

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アウトドアというより写真的にアウトです。


コナンくんの閃光が僕の頭を貫いたのを機に、更に、人生がどんどん楽しくなっていますし、何より生きやすくなりました。その勢いは、まだとどまることを知りません。できることならこのまま120歳くらいまで生きたい。
しかし我々人間という生物は、いくら精神的に若く保てたとしても、身体の衰えには抗えません。自然の摂理です。そんな時は、60歳くらいで1度、身体が子供に戻ってしまう赤と白のカプセルタイプの薬を遊園地で全身黒い服を着たお酒の名前の二人組に飲まされたらいけます。
「目が覚めたら、、、体が縮んでしまっていた!!見た目は子供、頭脳はおじいちゃん。その名は、ノーザ!!」こんな漫画があったら確実に2話目で打ち切りです。
このままでは、事件が起き続けるコナンくんの世界みたいに話が進みません。本題に戻します。

2018シーズンに所属したラインメール青森を退団してからスペインに渡るまで、僕は約1年半の間、ニートをしていました。つまりは、無職でした。周りの人には「夢職(むしょく)」だの「仕事はないけど夢はある」などと言い張っていました。そのニート期間、会う人会う人から、大丈夫?とか、これからどうするの?といった心配の言葉をたくさんかけてもらいました。確かに、18歳でプロのサッカー選手になった男が25歳でクビになり、いきなり夢職になってしまった。そんな男に対してかける言葉なんて見つかるはずもありません。ご心配をおかけしました。そして、ありがとうございました。
にもかかわらず、当の本人は恐ろしいほどにケロっとしていました。いやそこはもっと慌てろよ?って自分でも思うくらいにケロっとしていた。強がりとかじゃなく。いや強がりも少しは入ってたか。。。優しさは時に残酷です。
でもその時、僕はもう気付いていました。誰がなんと言おうと、誰になんと思われようと「これは自分の人生だ。」と。

生きていると、やらなければならないやりたくないこと、うまくいかないこと、思い通りにならないこと、辛いこと、むかつくこと、難事件、キリキリした人間関係などに追われ、これが自分の人生だということを忘れそうになってしまう時があります。「あれ、なんのために頑張ってるんだ俺。」って。
夢職のニートにこんなことを言える権利なんてなかったのかもしれません。でも、僕はそんな自分の人生が好きだったし、毎日毎日が楽しかった。ネクストコナンズヒントが気になって、いてもたってもいられないくらいワクワクしていました。自分を取り巻く環境に飲み込まれ、誰かに気を使って生きるのは、もうやめようと決めていました。


『生きたいように生きていい。』


このブログ、これからコナンくんばりに長く続く予定ですが、伝えたいことはこれです。事件は起きませんし、死人もでません。さっきの写真で砂浜に打ち上げられた死体みたいな人が出てきましたが、大丈夫です。彼は必死に生きています。
コナンの序盤の犯人みたいに、真っ黒な人を描いて勿体ぶるつもりもありませんし、小五郎が眠る隙すら与えません。目暮警部、こいつです。こいつが犯人です。あと目暮警部、そろそろ眠りの小五郎の正体に気づけないもんなんですか?またコナンくんに「あれれぇ~?」なんて言われておちょくられるおつもりですか?それでいいんですか?

犯人が判明しても、その動機や理由を知りたいのが、視聴者や読者の心情ってやつです。
それと同じように、僕が変わり、スペインに来るまでの過程で、何が起き、どう考えていったのかを書いていこうと思います。
結果はもちろん大事ですが、過程や成り立ち方はもっと大事だと僕は感じています。
同じ事件だったとしても、動機や理由によって、ときに、犯人に同情して涙することもあります。人間ってやつは面倒くさくて複雑な生き物です。

コペルニクス的転回という言葉があります。これは、空が動いているという主張の天動説から、いや、地球が動いてるっしょ!という地動説への転換が起きたように、物事の見え方が大転換するさまを指す言葉です。
現代を生きる我々からしたら、地球が自転しながら公転しているのは当たり前ですが、昔の人達は本気で空が動いていると思っていました。当時、まだ天動説が「当たり前」だった時代は、地動説を唱えると逮捕されたりしていたそうです。逮捕って、ちょっときびしすぎやしませんか、目暮警部。。。
ぶっちゃけね、空が動いていようが、地球が動いていようが、別にどっちでもいいです。僕たちの生活にはなんの影響もないし。それを知ったからって、直感的にはやっぱり、空が動いているように感じても仕方ないと思います。
目暮警部のお腹みたいに、話が少し膨れ上がってしまいましたが、こんなふうに、結果としては似ているように見えても、過程とか成り立ち方が全く違ったりするってことが、世の中には結構あると感じています。ちなみに目暮警部はその膨らんだお腹のおかげで助かったことがあるそうです。無駄なことなんて何もないという人生の教訓を身をもって証明してくれたのだと思います。ありがとう目暮警部。

よく、スペインと日本のサッカーは似ている。という話を耳にします。体格的に、小柄で、”テクニック”に優れているといったところからそう言われるのだと思います。パスサッカー、ポゼッションサッカーという言葉が一人歩きしてしまっている印象も否めませんが、実際に1年間スペインでプレーしてみて、全く違う過程や成り立ち方を経た結果、似ているように見えているだけだなと思わされています。もっというと、そもそもの前提が違う気がしています。てか全然違った。
最初で間違っていると、どこかで嘘をつかなければならなくなり、長い目で見たら、辻褄を合わせるために嘘を嘘で塗り重ねる羽目になってしまう。それは政治家の仕事です。おっと、国家権力に噛みつくのは危険です。なぜなら目暮警b、、、
似ているように見えたとしても、本質的には全く別のものになりかねないから、前提とか、原理原則、過程とか成り立ち方は凄く大切です。

僕のこのブログを読んだところで、『世界』は変わりません。日常もほとんど変わりません。当たり前です。コナンくんが訪れる場所、訪れる場所で必ず事件が起きているという事実ぐらい当たり前です。もし事件が起きなかったらそれはそれで大変です。だって僕たちの目暮警部の出番がなくなってしまいます。そんなことあってはなりません。いつから僕たちの目暮警部になったのかはわかりませんが、真実はいつもひとつです。謎解きは名探偵に任せるか、ディナーのあとです。

もしかしたら、世界の『捉え方』が少し、変わるかもしれない。『どう生きるか』を、変えられるかもしれない。そんなことを信じて書いていこうと思っています。実はこのブログ、青森を退団した直後から書きたいと思っていました。長年ノーザのブログ「Love is all 」をご愛読していただいている方はご存知だと思いますが、実際に何本か投稿しました。しいたけもまた出てきます。書こう書こうと思っている間も、どんどん自分の知識が増え、考え方が変わっていって、今書いたら最新版じゃなくなるな、、もっと本を読んでもっとたくさんのことを経験してもっともっと成長して自分がそうやって生きれるようになってから書こう!そんな事考えていたら、2年半の歳月が流れてしまいました。こんな時はあの言葉です。
そんな言い訳していいわけ?、、、もう僕を逮捕してください目暮警部。
今ブログを書き始めているって事はある程度のところまでは成長したって事?そんな声が聞こえてきそうですが、残念ながらそうではありません。成長してから書くとなると、一生書けないということに気付いてしまったのです。人は何歳からでも成長できます。「毎日がスタート」これは福岡時代にお世話になり、「Love is all」の生みの親でもある美容師の方の言葉です。今が自分の最新版です。こうなったら、成長しながら書くしかねえ!
28歳。僕はまだまだしぶとくサッカーをしています。才能がないのは、こちとら薄々気づいとります。でも、それでも、僕はサッカーをやっています。好きだから、楽しいから。前提は大切です。
僕の文章力で、伝えたいことを伝えきることはかなり厳しい戦いになることが予想されています。でも書きます。僕が書きたいから書きます。余計なお世話かもしれない。もしかしたら、どの口が言っとんじゃ!と受け取る人もいるかもしれない。でも、僕だからこそ書けることがあるのではないか。どっかの1文でも、もしかしたら1単語でもいい。それを必要としている誰かに届いてくれたらいいなと、そう思っています。


これは僕なりのテロです。幸せのテロを起こしにいきます。1人でも多く巻き込んでやろうと、そんな危険な思想を持っています。
「あれれぇ〜?おっかしいなぁ〜目暮警部ぅ」

つづく。

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Love is all.

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