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好きな色と女の子

ピンクが好き。かわいいから。
ピンクが好き。女の子の象徴だから。
ピンクが好き。似合う自分が好きになれるから。
ピンクが好き。何にも負けない自分でいられるから。
ピンクが好き。変な色になってもぐちゃぐちゃになっても他の色と混ざりあっても何があっても、かわいいから。そこが、女の子みたいで好き。
さながら、知世ちゃんが作ってくれたコスチュームを着るさくらちゃんのような、そんな最強装備。
ピンクが好きな自分が好きで、ピンクを好きになれない自分が嫌い。周りが大人になるから追いつきたくて、ちょっと大人ぶって20歳になったらピンクからは卒業する…なんて言ってた時もあったけど、そんなものまやかしだ。私はずっとピンクが好きなのだ。
そんなものでなれる大人だったら、私はとっくに立派な大人だし、自立もしてるし、誰にも迷惑もかけないし、完璧な大人になれてるはずだ。
こんな子どもにも大人にもなれない波乱万丈だらけの人生じゃなくて、もっと当たり前の、当たり前の普通の人生、そう。世間にとって当たり前のものを手に入れてたはずだから。
それももちろん大事だ。普通は何よりも他人と自分を安心されるマジョリティであるし、当たり前に社会に馴染めるというのは利点でしかないから。でも私にとってはそっちはあんまり大事じゃなくて、大事だったのはマシュマロをお湯で煮たような、そんな甘さと、食べ物としては明らかに美味しくなさそうな色のジュースだった。子供の頃から好きだったものを馬鹿にしたくもないし、大切なものは全部抱えて大人になりたい。
人生はいつか終わる終点。せめて終点ならば、可愛く、綺麗に、自分らしく終わりを迎えたいものだ。

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