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【マンガ業界Newsまとめ】JETROが米国漫画市場を約1500億円と報告、元ジャンプ編集長佐々木尚氏米国でヒット漫画家育成、IMART2024始動 など|7/15-160

マンガ業界ニュースの週1まとめです。
マンガ・アニメの業界カンファレンスIMARTを主催するMANGA総研代表の筆者が、マンガ・Webtoon関連のニュースを、ビジネス系を中心に、短時間でチェックしていただけるようにまとめています。

先週はロスのAnimeExpoで更新が1週空きました。
今週は2週分で、記事がちょっと多いです。
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AnimeExpo-JETRO 2023年米国漫画市場を約1500億円と報告

昨年は40万人が来場したと発表されているのAnimeExpo2024が7/7に米国ロサンゼルスで終幕しました。JETROもブースを出展していたのですが、それに伴いアニメ関連サービスの米国市場レポートが発表されています。

2023年ベースで、アニメ市場が34.6億ドル(約5500億円)
同漫画市場が9.352億ドル(約1500億円)
とのこと。今まで出てきた日本漫画市場の北米のサイズとしては、最大値で出てきましたね。

2024年7月JETROレポートより
「出所:https://www.grandviewresearch.com を参考に作成」とあり

米国の漫画市場規模については、流通チャネルが複雑なことから、米国内でも明言されることは少なく、少なくともICv2等のリサーチ企業が経年で明示することはありませんでした。(私的なブログや、企業リサーチなどでは様々な数字が発表されてます)

*: 以下英語記事です。

ポップカルチャー業界向けのニュースと分析を提供するウェブサイトICv2の提供する情報では、2020年~2021年の間に、日本のマンガを含めたGraphicNovelの市場が大きく伸び、2022年~23年で、マンガ売上の減速なども伝えられています。

ICv2データは、米国のCircana BookScanという書籍流通のデータ他、複数のソースから算出したデータです。今回のJETROレポートは、Grand View Researchという、別のリサーチから算出しており、違いが出ているようです。

実際、1500億円の市場が米国にあったとすると、このうち電子コミックは10%以下(ICv2調査より)と思われ、仮に1350億円の紙のコミック市場ほど。同じ2023年の日本の紙コミック市場が1610億円ですので、もう少しで追いつきますね。

先週は、そのAnimeExpoに行って来まして、1週分のNewsまとめを休まさせてもらいました。ちょうど先日、配信でAnimeExpoについて話させてもらいましたので、ご興味あればこちらをどうぞ。喋ってるのは1時間位です。

動画のお品書きです


VIZが新しいワンショットプログラムを開始

元ジャンプ編集長佐々木尚氏が、米国で漫画家育成

*: 英語記事です。

というわけで、AnimeExpoに行ってきたのですが、今回わたしが一番インパクトあったのは、元週刊少年ジャンプ編集長の佐々木尚さんが、ONE-SHOTというVizMediaの取組で、アメリカで新人漫画家を育て、ヒット作品を作っていきたいとパネルで宣言していたことです。

佐々木尚さんと言えば、バクマンで「ジャンプ編集長」として出演(?)していたこともあり、特に漫画家を志す人たちの中では知名度抜群です。パネルでも、ノリノリのVizMediaの司会者の人に、「バクマンにも出てたHisashiSasakiだー!」みたいなコールをされてました。

韓国WEBTOON企業が、各国で新人クリエイター投稿サイトを加速化する中で、ジャンプの動きとして大変面白い取組ですので、これは応援したいです。
ぜひIMARTにもアメリカからリモートで登壇していただきたいですね。

先の配信の際に、迂闊にも語り漏れてしまいました。すいません。


IMART2024プレイベント告知

*: 筆者の主催するイベントに関係する情報です。ご了承ください。
今年11/12-15で開催予定のIMART始動です。

マンガ・アニメ・キャラにおけるプロデュース力と新規IPビジネス〜老舗&スタートアップが語る〜

7月23日19時より、ZOOM配信(1500円)にて、プレイベントのIMART+を開催します。(アーカイブも同チケットです)

登壇者に、以下のお3方をお迎えして、司会わたくしで開催します。
・講談社クリエイターズラボ 鈴木綾一 
・東映アニメーション 植野 良太郎 
・Minto 水野 和寛 

各社の新規ビジネスや海外ビジネスなどを担当されている方が登壇されるイベントになります。いきなり豪華な登壇陣で今年のIMARTを開始します。

第2回東大アニメ・マンガ ビジネスコンテスト開催決定!

こちらは、IMART開催当日に最終プレゼンを行う形の学生ビジネスコンテストです。昨年、東大の中で始まったマンガ・アニメのビジネスコンテストが、今年からIMARTの中で開催されます。

この段階では、学生のビジコン応募は開始します。
同時に、8月にプレイベントを行い、そこで説明を聞いた方々が、11月の本プレゼンに向けて、アイディアや仲間を得たりする趣旨でプレイベントとして開催します。学生起業家の皆さんに伝わるとありがたいです。

審査員には、アーチ株式会社 代表取締役 平澤直、株式会社講談社 クリエイターズラボ部長 鈴木綾一をお迎えし、これから増える見込みです。審査員の方にも、起業を志す学生の皆さんをサポートしていただきます。


KADOKAWAシステム障害対応・記事

主要な、KADOKAWA本営発表

2024/07/02:ランサムウェア攻撃による情報漏洩に関するさらなる犯行声明および当社グループの対応状況について

2024/07/03:KADOKAWAグループへのランサムウェア攻撃による角川ドワンゴ学園に関する情報漏洩のお知らせとお詫び

2024/07/05:情報漏洩に関するお詫びならびに漏洩情報の拡散行為に対する警告と法的措置について

2024/07/10:漏洩情報の拡散行為に対する措置ならびに刑事告訴等について

2024/07/12:悪質な情報拡散行為等に対する措置の進捗状況について

様々な記事

記事のほうも、対処的なところや、今後について、2次被害的なSNSを通じての個人情報流出など、話題が展開してきているようです。


東洋経済:特集「集英社、講談社、小学館の野望」

ここ2週間ほどで、東洋経済が20本以上の記事を出していますね。
上のリンクが、今回の特集の記事リンクが全部入っているページです。
興味深いタイトルだけいくつか並べると。

上記一例ですが、硬軟色々な記事が出ていました。
ネットで読むと、ほとんど有料記事のペイウォールで阻まれるため、このまま読むとなるとサブスク会費がかかりますと。以下、本としても勿論読めます。私はKindleで読んだのですが、大画面でもちょっと読みにくい所がありまして、結局紙が一番読みやすいかもしれません。


国内News

早川書房が、名作SF・ミステリをコミカライズする際に、媒体としてWebコミックサイト「ハヤコミ」を立ち上げました。ハヤカワ作品のコミカライズを自社で行っていくことと、その媒体をWebにしたということですね。イメージイラストがかっこいいです。


個人的に、もともとトキワ荘プロジェクトという漫画家支援事業をしていたもので、これには是非触れたいのですが、編集者の林士平さんが、サイバーエージェントと組んで、漫画家を目指す人のためのアパート「MANGA APARTMENT VUY(マンガアパートメント ヴイ)」を開始とのこと。

こうした動きとしては、新人漫画家全般を支える形の、トキワ荘プロジェクトがもう創業18年くらいですね。最近では、ナンバーナイン社も同様の取組を開始しています。

先に紹介した東洋経済の記事では、林氏は100人以上の才能あふれる新人漫画家を担当しているとのこと。その林氏の選定する漫画家となると、かなりの才能を持った集まりになりそうですね。力のある作家さんだらけでしょうし、TV番組とか入ったら面白そうですね。


集英社は、集英社マンガソリューションズということで、広告活用などのサービスを持っていましたが、今回は少女漫画がに特化する形で、and factoryが運営するBtoBサイトということのようですね。


中山淳雄さんの記事で「BLアワード」や「ちるちる」など、BL関連で話題のサンディアスの井出洋社長のインタビューです。

わたしもこのBLアワードに参加させていただいたのですが、色んな意味ですごい熱気でした。2007年来、小さなサークルの様に取り組んできたことが花咲いたとのこと。

私もAnimeExpoに伴う米国訪問で、アニメイトアメリカ1号店を見てきましたが、多くのBL作品が翻訳したうえで提供されているのを見てきました。更なる発展が期待されますね。


7/25ですね。これは、渋ツタとなんらか連携する施設でしょうし、旧渋ツタの書店機能代替ともなりましょうから、影響大きいのではないでしょうか。


今週のWebtoon新規参入・新たな動き

Renta初のBL Webtoonとのこと。


MUGEN FACTORY作品、映像化とのこと。


Webtoon専用背景素材などを提供しているロケットスタッフ社ですが、今回はその素材を活かして背景制作サポートを開始とのこと。ユニークな方向性ですね。


障がい者就労支援の事業所で、Webtoon制作のサポートとのこと。これも世相というか、ユニークですね。


海外News

*:外国語ニュースを紹介します。自動翻訳等ご活用ください。

6月の上場でしたが、まず、この2週くらいはずっとこの記事が海外メディアで取り上げられていました。Webtoonは新しい事業セグメントということで注目されていますね。

インタビューは、国内のLINEマンガ・ebjを運営するLDF代表の高橋さんのコメントが出ています。その中では、漫画家の層の厚い日本のクリエイターによるWebtoonへの期待感が高いことを語られています。

こちらは、韓国から見たWEBTOON Emtertainment上場の記事ですが、現在のWEBTOONは既存ユーザーの広告収入向上に注力しているとか。なるほど。


タイトル訳:タパス エンターテインメントのウェブトゥーン、ウェブ小説、出版計画の詳細

NAVERに続き、カカオのタパスも上場を目指していくようです。


タイトル意訳:スカイダンスがパラマウントを買収、

タイトル訳:パラマウントとウェブトゥーンが株式市場におけるポップカルチャーブランドの活況を浮き彫りにする

パラマウント社が買収されたことと、WEBTOONのIPOに関する記事ですが、このあたり動きが大きくなっていますね。


小学館・集英社マンガ作品を北米で出版などするVizMediaが、アニメシリーズ「RWBY」のライセンスを取得。もともとアメリカ発の作品ですが、最新シリーズでは虚淵玄、沖方丁など日本のクリエイターが関わっていました。米国でも、IPの多角展開に進んでいくのだなと思いました。


これは面白い角度ですが、テレビ朝日が米国のコミック出版社をグループ化とのこと。詳しい狙いというか、次の一手に興味があります。


紙が強いというフランスマンガ市場ですが、Manga.ioはそんな中でデジタルコミックをサブスクで販売するサービスです。

この東アジアでのエージェント機能を東京に拠点を持つCulture Weaver社が業務提携。また、セルシス社が、Manga.ioと連携してJapanExpoに出展とのこと。


JAPAN EXPO: フランスでヒットした韓国のデジタルコミック、ウェブトゥーン(サムネイル化できず、リンクのみ)

パリで開催したJapanExpoからの記事ですが、WEBTOONによるとフランスの読者が200万人とのこと。増えてきているのですね。


大事なところでペイウォールになってしまいますが、フランスの日本漫画読者層が、大人にまで及んできているとのこと。最後まで読みたい…


タイトル訳:鳥山明のマンガの最大かつ最も忠実な版であるドラゴンボール レジェンドがプラネタ コミックの手からスペインに到着します。

スペイン向けドラゴンボールの特装版、全18巻で、1冊25€相当ですね。すごい。


タイトル訳:韓国漫画ウェブトゥーン評論家協会、創立総会開催

韓国でWebtoonの評論家協会が立ち上がったようです。なるほど。


AI・画像生成関連

 経済産業省がゲーム・アニメ・広告などコンテンツ産業における生成AI利活用の方向性を示す「コンテンツ制作のための生成AI利活用ガイドブック」を公開とのこと。

このあたり、着々と政府からも出てきていますね。具体的な法制化に繋がる動きかと思います。


欧州では2025年半ばAI法による新たな欧州連合(EU)規則が施行されるとのことで、欧州のコミック業界の記事です。


今週のセール・キャンペーン・新人賞、取組等

今年は8月に開催されるAnimeNYCでのMANGAアワード。


記事のみ紹介


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