見出し画像

【マンガ業界Newsまとめ】キャプ翼物語完結へ、村田雄介アニメ制作スタジオ設立、森田崇&井上雄彦が日本人100人選出 など|1/8-135

マンガ業界ニュースの週1まとめ。
マンガ・アニメ業界向けイベントIMART(https://imart.tokyo/) を運営する筆者が、動きの早いマンガ業界・Webtoon界隈のニュースを出来る限り一か所に集め、マンガ業界の方が短時間で1週間分の情報をチェックできることを目指しています。

2024年の第1回です。今年もよろしくお願いいたします!

――― 


「キャプテン翼」マンガとしての連載が4月に終了、今後はネームのような形で制作

『キャプテン翼』の高橋陽一さんが、キャプつばの雑誌連載を終了、ネームで完結までつくるということを表明されました。
現在、43年目の連載中で、この先を構想通り制作するとさらに40年かかるということで、現在の「漫画という形式での連載」を終了させるとのこと。

独特なのは、作家自身が「ネームなどの形で”物語”を完結させる」ということを言いきってらっしゃるところですね。

ここから先は、憶測というか考えられる範囲の話になりますが、物語が完結するということは以下のことが考えられますね。

・『BORUTO』や『転生したヤムチャだった件』のように、アシスタントや、外部作家など先生のネームをベースに続編制作
・マンガにこだわらず、アニメ化などをベースに継続
・今後のAIに期待

なんとなく、今回の書きぶりからは、今後の対応も決まってそうな気もするのですが、出版社はもちろん、作家さん本人による新しい形の決断が、現在の情勢から生まれそうに思いました。悲しくないやつですね。


『アイシールド21』『ワンパンマン』作画の村田雄介、アニメ制作スタジオ設立を報告

以前から、x(Twitter)上にユニークな表現や動画のプロトタイプなどをアップしていた村田雄介さんですが、このたび個人でアニメ制作スタジオを設立。この場合、製作スタジオのような気もするのですが、個人活動でアニメを作っていくとのこと。

xのほうではパイロットフィルムを音声無しでアップされているのですが、さすがもう普通に面白そうです。数分ですが、もうキャラの魅力が立ってますね。楽しみです。


2023年に世界が注目した日本人100:森田崇の描く漫画『アルセーヌ・ルパン』に本家フランスが熱狂

漫画家の森田崇さんが、フランスでの評価を受けてクーリエジャポンによる「2023年に世界が注目した日本人100」に選出です。

長い間、個人で作品を販売していくことに力を尽くしてこられた森田さんですが、フランスにて『怪盗ルパン伝アバンチュリエ』第10巻の販売で仏誌「ル・ポワン」に掲載されるなど評価されたようです。

NetFlixのLupin/ルパンでは、主人公を演じたオマール・シーが、同作を演技の参考にしたとかしないとか。

ーーー

ということで、年初のニュースは作家さんや、それに近いところを踏まえた個人活動が、作品作りや作品プロモーションなどを前に進めていくようなニュースが出ました。ニュースを追い続けて来た身としては、なんとなく「D2Cの気配」を感じました。

D2Cとは、ダイレクトに作り手がお客さんに商品を届ける。という意味です。
Pixiv FANBOXやFANZA、fantiaなどの主に成人向けのD2Cでは、作家自身がマーケティングをしたり宣伝としてSNSでの活動、投資なども一般的に行われています。これが成人向けでは無い一般向けにも浸透する次の動きが、いつくらいに大きくなっていくか?

最初の高橋陽一さんの例は、出版社との連携の形や、作家が自分で発信する内容が、従来と大きく変わってきていることを示しているようにも思います。

個人的に、漫画家さんが個人として資産を形成された後、それを漫画や、なんらかのクリエイティブにビジネスとして再投資していける形というのはこれから広がるだろうなと考えていました。

D2Cの時代になると、作家自身がマーケティングを考えたり、自腹で宣伝したり、マンガ以外の表現も含めて自分で投資して活動していくようなことが、より増えて行くのだと思います。

ということで、2024年は一般(非成人)向けクリエイターのD2C元年みたいになったら面白いなと思いました。


不惑のドラゴンボール、使命は継承 次代につなぐ世界戦略

有料記事ですが、非常にざっくりまとめると、カプセルコーポレーション・トーキョーの伊能昭夫氏が「ドラゴンボールを世界を視野に入れてしっかり売っていくには、会社組織を超えたプロデュースが必要」と話しています。

D2Cとはちょっと違いますが、ビジネス形態の変化に対しての対処、なのですね。その原資がどこから出るのかで、変わりそうですね。メタバースなど新しい分野から投資を受けて動くか、作家自身が再投資して、本当に自由な表現・手法を目指していくのか。


国内News

森田さん同様に、井上雄彦さんも「スラムダンク旋風」でクーリエ選出です。これはもう、文句なしですね。同作の映像化には、かなり強く個人的意向や、制作への関与があったということですしね。

それにしても、お写真が、バスケというより武士のような迫力ですね。作品違いますが。


ジャンプに続きヤンマガも原稿料公開です。
しかも、なかなか良い金額ですね。

ヤンマガ編集部は数年前にヤンマガWebを開始、試算サイトなどによると、月間5000万PVを超えており、新作も多数連載開始しています。

このヤンマガWebによる新作認知獲得などが好調な中で、Web媒体の特徴として紙面と違い掲載枠の制限がなくなりました。そのうえ、従来はコストにしかならなかった読切掲載も、ひとたびSNSでバズればSNS出稿をはるかに上回る広告効果を出したりします。

電子コミックの売上が安定する中で、新連載立上げや、新人や中堅の読切などの事情も大きく変わりました。一方でWeboonブームなどで作家はひっ迫しています。こうなると、大手出版社で原稿料に自信を持っているところは次々原稿料を公開しそうな気もします。個人的には、作家のためになって良いことだと思います。


アジア地域で、中国をのぞくと最も人口の多いインドネシアですが、2億を超える人口がありながら、島嶼国家でもあり、なかなか日本からはビジネス事情がはかりかねる土地柄でした。

また、大手企業は王族の資本が入る経営だったり、過去の日本企業や個人のチャレンジは、なかなか一筋縄ではいかなった経緯もあります。そんな中で、近年丁寧にアジア進出を進めていたKADOKAWAがしっかりしたアライアンスを組んだことは、積み重ねの結果なのだろうなと思います。


C103、初日の来場者は14万人とのこと。4日開催で連日20万人近かったコロナ前を思うと、2日間14万人は伸び代がありそうですが、じっくりいきたいところですね。まずよかったですね。


白黒の初代「蒸気船ウィリー」版ミッキーマウスだけ版権が切れるので、カラーは使っちゃいけないというようなことがあるそうです。そして、早速そのミッキーが出て来るホラー映画のPVが公開されていますが、めっちゃアメリカの普通のホラーですw


今週のWebtoon新規参入・新たな動き

フーモア社、韓国スタート作品の日本展開をピッコマでというものですね。


テレ東BIZ:マンガのプロ集結! ビジネス激変!マンガでブランディング【放送版/円卓コンフィデンシャル】

TV放送後にテレ東BIZで配信されているこちら。基本は月額550円の有料配信なのですが、講談社系(?)の方々+No9という面子で現場の話を面白く語られています。

この話題に興味のある業界近接の人が課金する価値がある気はしますが、今現在現場にいる人は課金までしないで良いかも。くらいですかね。内容的には、進行側のメンバーも良くて、とても良く出来た内容だと思います。


Webtoon経営者や事業責任者の発信、noteなどです。年末年始で沢山出てました(多分、漏れてるかもです)


海外News

*:外国語の記事を紹介しています。自動翻訳など活用ください。

1/6配信開始「俺レベ」アニメへのリアクション

タイトル訳:ソロ レベリング: ウェブトゥーン現象のアニメ化にはどのような価値がありますか?

タイトル訳:Solo Leveling エピソード 1 レビュー: 素晴らしいアニメーションによる素晴らしいスタート

タイトル訳:ソロレベリング: ソン・ジヌのパワーとパワー能力の説明

タイトル訳:Ani-One Asia、SEA視聴者向けのソロレベリングストリーミングプラットフォームを公開

英語を中心に、いくつかの言語で俺レベアニメの記事が出ていました。日本では、この3日間で感想などの類は、電ファミの1本のみの様子。

他方、アニメ配信に際してのセールなどの情報と、DVD発売情報があったくらいです。まぁ反響はまだこれからですかね。
主人公の名前、日本名では水篠旬ですが、韓国ではソン・ジヌなのですね。そして、英語版でもそのままの音なのかしら。


タイトル訳:BTS「FAME」: K-POP グループが米国で初めてコミック本を出版、スターダムと人気を記録ミリタリーサービス

引き続き、BTSのコラボWebtoonは動かし続けてますし、米国で受賞などしているようです。じっくり続けていますね。やっぱり、作品の成否以上にマーケ要素が強いのでしょうね。


タイトル訳:ウェブトゥーンアプリが2023年に機能しないのはなぜですか?

ちょっと気になったのですが、この記事でいう「ウェブトゥーン」は、そのものずばりNAVERの電子コミックアプリ「WEBTOON」のことを指しているようです。ライターさんはテック系の人の署名ですがAI作成記事かなにかですかねぇ。


タイトル訳:なぜコミック映画文化の衰退は避けられないのか

このコミックは、アメコミのことですね。アヴェンジャーズなど以来好調に見えていた、DC/マーベル系の映画ですが、近年落ち込んでるみたいですね。


タイトル訳:コミック: 私はアフガニスタンで女性だけの部隊を率いました。カブール陥落時に何が起こったかは次のとおりです。

↑のタイトルのWebtoonなのですが、ノンフィクションのルポマンガのようで、内容的に興味深かったです。こういう非創作で伝えるための表現がWebtoonになるのはわかりますね。


タイトル訳:The Top 10 Publishing Trends for 2024
チャプター名訳:3: プロモーションのスタッキングが標準になる

3つ目の項目で、メルマガは強くて有効だけども、同じタイミングでSNSや、コミュニティを持っていればそこにもということで3-5日に渡って複数プロモーションを重ねるということを説明していると古幡さんに教えてもらいました。なるほど。


AI・画像生成関連

・140万枚に自動彩色した、彩色AI。「抜き取り」や「削除」も
・特定カットの解像度を高め、カットの活用や、マーケターの業務効率改善など
・「作家別AIツール」で著作権侵害なしにAIを作品ツールとして活用

など、Webtoonに特化する形でAI活用を進めているようです。課題が明確だと作り込みしやすそうですね。


タイトル訳:AIを巡るウェブ漫画作家と制作会社の反応はまちまち

韓国のWebtoonクリエイターのアンケートによると、56%を超える作家がAI利用にネガティブとのこと。


不気味の谷はまだあるようで。まぁ多くの人の体感でもありましょう。
現時点は、、というところですね。


YOSHIKIの口にものぼるんだなぁと。


今週のセール・キャンペーン・新人賞、取組等


記事のみ紹介


告知関連

―――


主に週末に週1更新ペースで書いています。たまに別途特集を書きます。マガジンTwitterのフォロー、よろしくお願いします!

今年2023年11月24日~26日に、第4回IMARTというマンガ・アニメの国際カンファレンスを開催しました。
基調講演に鳥嶋和彦さんを迎え、マンガ・アニメの現場から22のセッションやピッチが行われました。

アーカイブ配信のチケット購入がこちらになります。

インプレス社『電子書籍ビジネス調査報告書2023』のWebtoonパートの執筆を担当させていただきました。

筆者個人へのお問い合わせなど、以下まで。


この記事が参加している募集

業界あるある

Twitterもやってます!フォロー、よろしくお願いします! https://twitter.com/t_kikuchi