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【マンガ業界Newsまとめ】3/17は週マガ・サンデー創刊の日、DCコミックスのWebtoon展開進む など|3/19-94

マンガ業界ニュースの週1まとめです。動きの早いマンガ業界・Webtoon界隈のニュースを出来る限り一か所に集め、業界の方が短時間で情報を得られることを目指しています。

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今週はいつもとちょっと趣向を変えまして。

3/17は日本漫画にとって記念すべき日でして、週刊少年マガジン・週刊少年サンデーと、2つの週刊少年漫画誌が1959年にダブル創刊した日なのです。

1959年3月17日にに週マガとサンデーが同時創刊、その5年後に、少し大人向けで青年漫画の祖ともなる月刊漫画ガロが創刊、約10年後になる1968年に少年ジャンプ(創刊時は隔週刊)続いて1969年に少年チャンピオンが創刊(同じく隔週刊)しました。現在主流の青年誌、ヤンジャンなどは1970年代以降開始です。

以下の動画は、このマンガの歴史の中でも、マンガ雑誌の歴史に特化した内容でとても良く出来ています。とても長いシリーズなのですがマンガの興亡史や読者の変遷と言うことなど大変勉強になります。
週マガとサンデーがなんで同日に創刊したかという経緯など、本当にマンガみたいで面白いのです。

ちょうど、今のWebtoonは既存のマンガに対して第1読者世代として若いユーザーを取り込んでいると言われていますが、少年漫画黎明期も、そこから割と長い間、同じように若い読者を対象とし「漫画はあくまで子供のもの」とされていました。

日本全国「白黒横漫画」は団塊世代を最上層とした全年齢を対象としている現在、そこに若者を対象とするWebtoonが新たに入ってくると、世代が成長していく中でどういったスピード感でこれが展開していくのかなど、参考になると思います。

ちなみに、先にご紹介した動画で、「マンガは子供のもの」といわれていた時代の子供世代が、おおよそ団塊世代あたりです。この世代の人口がとんでもなく多かったため、日本の少年少女向けマンガのマーケットが非常に大きかったのですね。色々な意味で基礎となった世代です。

Webtoonの展開は、世代と言う意味でも、世界展開と言う意味でもとても早く拡散傾向なので、同じスピード感・ベクトルとはいかないと思われますが、週刊少年漫画が創刊された3/17があったこのタイミングで、そうした歴史を振り返ってみても良いのかもしれません。

さておき、いつも通りニュースを紹介させていただきます。


国内News

先日、鳥取県が県内だけで「有害図書指定」をしたつもりだった作品が、amazonで発売停止となり、その結果全国・世界に向けても発売停止となってしまい大変問題になった顛末ですが、この指定理由が非公開であったことの指摘を受けてか、この指定理由や審査内容の一部が公開になったようです。

この写真にある、鳥取県の小さな会議室での一コマ。これが日本国内はもとより外資系プラットフォームを通じた世界の市場にも繋がっていること、十分に周知されたいところですね。


講談社のコミックDAYSが5周年ということで、総額1億円分と言う大きなキャンペーンを実施中です。コミックDAYSは、複数の編集部をまたがった作品をWeb上で提供するという形では走りとなったサービスでしたが、もう開始から5年経つのですね。

ほぼ同じタイミングで講談社のサイト「モアイ」が終了しました。
モーニング・アフタヌーン・イブニングという3誌合同で「モ・ア・イ」ということでしたが、先日この中の一つイブニングが休刊しており、以降はコミックDAYSに集約されるとのことです。


セルシス社のクリップスタジオがバージョン2.0を提供とのことなのですが、数字が2.0と上がっておりましてメジャーアップデートなのか、なかなか盛り沢山でした。

3Dデッサン人形の微妙な各所サイズを調整できる機能や、デッサン人形の手の動きを、実物の手の動きから追う機能や、自動陰影付け、Webtoon制作時の調整機能など、様々な機能が実装され、漫画家さんからも色々なツイートが出ています。


タイバニアニメの頃も、キャラの体にスポンサー名がつくなどして話題になりましたが、この『とんでもスキルで異世界放浪メシ』では主人公がネットスーパーから食材や調味料などを購入して料理を振る舞う際「イオンネットスーパー」の画面が作品に登場します。実物を見ると結構ぐっときます。アマプラこちら。

他にも作中に出てくる商品として、SUNTORYの美味しい水やKAGOMEのミートソース缶、イオンPBのステーキ醤油(わざわざPBが出てくるのが渋いw)など、実名入り商品がアニメ画面にバンバン出てきます。面白いですね。


3社というのが、一迅社、ホーム社、祥伝社ということで、ともにマンガに力を入れている企業でした。


Webtoon関連ニュース

テレビ東京がWEBTOON制作を開始、LINEマンガで連載開始とのこと。


「まんが王国」のビーグリーにて、自社オリジナルのWebtoon作品が初の配信開始とのこと。制作をしたアニメイト系ロケットスタッフ社からも、同じくプレスリリースが出ています。


このNewsまとめでは、韓国のWebtoonではオリジナルサウンドトラック(OST)と、作品制作が同時進行するケースが多いということを紹介しています。

その日本版第1弾で合った、taskey社のpeepレーベルによるOST展開がもう3作品目とのこと。事例を積んでおりますね。


海外News

<英語ニュースです。自動翻訳もどうぞ>

そもそものお話として、DC comicsとNAVERのWEBTOONがコラボをしていて、その中でバットマンシリーズのWebtoonのいくつかが好調とのこと。

それらをして、印刷化(恐らく書籍化を指している)されるようです。ただこれが、本として流通するのかPODなどで出るのかは、記事からは読み取りきれれませんでした。

いずれにせよ、DC作品などのWebtoon展開、新キャラ展開は着々と進んでいるようですね。


<英語ニュースです。自動翻訳もどうぞ>

Azukiという北米のマンガプラットフォームがアプリベースで100万人を超えるユニークアクティブユーザーを持つとのこと。

講談社などの正規作品を配信しつつ、自社の抱える5人のクリエイターがオリジナル作品を提供する形で運用中とのこと。ここにWebtoonも加わり月額4.99ドルのサブスクによる読み放題サービスを展開中とのことで、やはりちょっと日本とは違うモデルですね。

*:ご指摘をいただいたのですが、Azukiというサービスが2つあり、ひとつはマンガのサービス、もう一つはNFTプロジェクトのサイトなのだそうです。
今回ご紹介した記事は、マンガの話題になっているのですが、記事で使用している画像がNFTのサービスのものだったようで、私もつられてコメント冒頭で紹介するリンクを間違えてしまいました。修正してお詫びいたします。
ご指摘、誠にありがとうございます。読者の皆様に生かされております。


2019年から休止していたコミコンが、この3月から再開とのこと。この3/18-19開催と言うことで、もう終了しているみたいですね。


カカオが買収した米国の小説プラットフォームであるTapasが、韓国に持っていた支社を閉めて、マーケティング機能などをカカオと統合するそうです。


AIイラスト・画像生成関連

話題のChatGPTですが、チャット形式で画像生成のできる「Visual ChatGPT」を発表とのこと。もともと、StabbleDifusionなどの先行するサービスのある中で、複雑な入力を行わずとも、対話で画像を調整していけるところがポイントのようです。


こちらは、MidJourneyをベースにした「にじジャーニー」という、日本風のイラストを生成できるサービスの紹介ですね。英語が苦手でも、Discordさえつかえればうまく使用できそうです。


今週、広く話題になっておりましたが、海外のツールに英語で「こたつでミカン」をイラストにしてもらおうとしたら大変なことになったというトゥギャッターです。「KOTATSU」は、現在まだAIに認識されてないみたいですね。


「AI生成画像に著作権無し」の報道は既報ですが、その受け止め方として、プロンプト(画像生成ツールに対する命令)を書くことは、絵を描くという行為そのものではなく、画家に絵を発注する手紙を書いているようなもの。

という見方と言えるとのこと。それは確かに。


最近、ChatGPTがGPT-4にバージョンアップして話題ですが、そのことについて詳しく書いていて良いまとめだなと思いました。


記事のみ紹介


告知関連

先週お知らせしたヤングアニマルWebのその後についてひとつ。

多数のヒット作品をWebで掲載する形で爆誕したヤングアニマルWebですが、その後多くの作家さんがご自身の連載を告知する場として、大きな力を発揮しています。

『描くなるうえは』連載開始して間もない蒲夕二先生ですが、↑のツイートが大きくバズりしました。いわゆる第1話をツリーでツイートする形の最後に、ご自身の連載作の続きのWebページへのリンクをツイート、このツイートした第1話の続きを多くの方が読んでくださっています。

アプリで連載する場合、どうしてもこの形をする際に、間にアプリダウンロードを一手間挟んでしまうため、気軽に続きを読んでもらう流れになりませんでした。

Web連載の場合、無料部分はリンクを踏んですぐに読めたり、会員になると待つと無料で読めたり、更に気になる続きを課金するなど、読み手に取ってスムーズかつ段階的に作品と出会っていただけます。

このあたりを、ヤングアニマルWebが用いている「コミチ+」の仕組みは得意としています。


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主に週末に週1更新ペースで書いています。たまに別途特集を書きます。マガジンTwitterのフォロー、よろしくお願いします!

現在私は、マンガ編集部やWebtoonスタジオが自社で作品の販売をできるWeb雑誌の仕組み、「コミチ+」の営業をしています。

コミチ+は、来年に向けて大手出版社やWebtoonSTUDIOなどの大型受注を複数控えておりまして、絶賛エンジニア、Webディレクター(運用担当・データアナリスト等)などを募集中です。サービスがどんどん大きく広がっていく、これから滅茶苦茶楽しくなっていくタイミングです。一緒にやりませんか!私も力を出し切るつもりですし、一緒に働く方には私の持ってる知識や人とのつながりを最大限提供したいと考えています。詳細は以下より。

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