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【マンガ業界Newsまとめ】MAL-HISと業務提携、FILM RED190億円突破&日本アカデミー特別賞受賞 など|1/15-85

マンガ業界ニュースの週1まとめです。動きの早いマンガ業界・Webtoon界隈のニュースを出来る限り一か所に集め、業界の方が短時間で情報を得られることを目指しています。

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世界最大級の日本のアニメ・マンガコミュニティ「MyAnimeList」と業務提携契約を締結

英語圏で最大級の日本アニメ・マンガコミュニティを運営するMyAnimeList(MAL)と、旅行大手のHISが海外の日本アニメ・マンガファンのインバウンド需要で連携を見越して業務提携を結んだと思いきや、「メタバースを活用して世界のユーザーへ日本の魅力を発信」と、NFTやメタバース分野で連携をはかった模様です。もちろん、物理的な旅行商材の企画へも繋げたいともあります。

この分野ですと、中国のビリビリ動画では、日本アニメの聖地巡礼をツアーにする旅行事業が一つの事業となっており、「スラムダンクのあの踏切を見に行くツアー」など、ファン心理にかなった旅行事業を行っていました。

こうした聖地巡礼型のツアー事業を行う場合、旅行の企画やツアーコンダクダーに求められる作品理解などの素養が非常に高く、下手をすると満足感を得るどころかヘイトを貯めてしまうよう旅行サービスになってしまうケースなど、黎明期には散見されたようです。端的にビジネスとして難しんですね。

MyAnimeListの親会社であるメディアドゥ社は、NFTやメタバース分野への投資も近年多々行っており、その文脈からの今回の提携になるのかと思います。そのうえで、デジタル・リアルの両面から旅行商材を作っていくということになるのかなと。難易度は高いと思うのですが、しっかり作り込んでいただいたいところですね。


「ONE PIECE FILM RED」興行収入190億円突破、尾田栄一郎の描き下ろしビジュアル到着

「SLAMDUNK」の好調も話題ですが、「ONE PIECE FILM RED」は190億円到達とのこと、すごいですね。

また、このFILMREDの音楽チームが、日本アカデミー賞で特別賞を受賞したとのこと。

音楽がテーマの映画ですので、音楽面による評価はむしろ本筋かもしれませんね。

そして、多面に展開するONEPIECEですが、フィットネスにも展開とのこと。
しかし、このマンガ肉バーベルは面白いというかずるいですね。ちょっと欲しいです(笑


国内News

1本目はPR記事で、400万DLされたbookliveオリジナルコミックの原作者さんの仕事のお話が書かれています。2本目は、BLが電子コミックで良く売れており、数十万DLも沢山出ているという記事です。

1本目については、内容以上にいわゆる電子書籍プラットフォーム専門で事業を行ってきたbookliveのような存在の中にある編集部が、ボーンデジタルのオリジナル作品でミリオンセラーを出すことが、最早それほど珍しく無い状態になっていることがわかるかと思います。データを活用して作品を作っているということも興味深いです。

また、2本目の記事では、BL作品と電子コミックの相性の話をしています。その相性はとても良く、結果的に様々な編集プロダクションやデジタル系企業、もちろん各プラットフォームの編集部も、BLやTL作品などを制作し、しっかりと数字を残しています。

電子コミックの好調さは、こうした積み重ねが各方面連綿と続いた背景というか流れがあって、今に至っていると思います。


ジャンプ+編集長の細野氏と、集英社マンガアートヘリテージ担当の岡本さんが、それぞれの事業について話をされています。

マンガアートとNFTなどの取組については、かなり大きな数字的野望を持たれていて、この辺りは出版社が漫画のマネタイズの多様化を仕掛け、自前で作家に還元できる手段を増やすという意味で、大いに期待したいところです。

また、ジャンプ+については、具体的な数字が整理されており読みやすいです。以前の発表と変わらず、1995年の週刊少年ジャンプ653万部印刷時代のMAUを1000万MAUとみなし、そこに至るにまだ道半ばということを話されています。


これは、どんな箱になっちゃうのでしょう。


タイトルの通りですが、伊藤潤二「マニアック」の新PVがユニークです。

もともと、北米で伊藤潤二作品がカルト的人気だったことから作られることになったこのアニメですが、日本アニメテイストでありながら、ホラーをポップに見せる独特の形に仕上がってきているようです。

これが北米でウケるのか、日本やそれ以外でもウケるのか、その出自からちょっと楽しみな展開になっております。


佐賀県のJ1プロサッカーチーム「サガン鳥栖」の協賛に『キングダム』のクレジットが入るそうなのですが、これが出版社ではなく作者の原泰久さんが直接スポンサー名義として入ってるようなんですね。珍しいですけど、こういうのも良いですね。


かねてより、北米向けデジタルマンガストア「MangaPlaza」での海外進出を続けているNTTソルマーレ社の記事です。「市場の大きさやビジネスのやりやすさで北米を第一に選んだが、他地域での参入も見据えている」とあります。

日本において電子コミックが活況となった背景の一つに、マンガそのものをクリエイティブ素材としたWeb広告の大成功と、アプリやWeb電子書店のユーザー獲得の親和性の高さと言うものがあったかと思います。

一方で、日本をのぞく、日本以外のほぼ世界中のデジタルサービスのユーザー獲得は、日本のマンガ広告のような形はとっていません。

日本のマンガ広告の運用となると、ほぼほぼ代理店が中心に出稿企画をし、それを様々なプラットフォームに商材やクリエイティブ合わせで、ターゲットユーザーに向けて出していく手法を取っています。

一方で、海外でのデジタル広告となると、その主役はこうしたプラットフォームであり、結果的に表現や内容についても規制が多い点があります。日本では、閉じた日本語のネットワークの中に、1億人を超える巨大商圏があるというのもありますね。

日本漫画と親和性の高そうなサービスを例に取ると、アニメ配信のCrunchRollや、日本のアダルトコミック専門配信企業のFAKKUなどは、ユーザー獲得にむしろリアルイベント(AnimeExpoなど)での活動を重視していたりします。韓国系の企業は北米進出をするにあたり、既にユーザーをもっている北米企業を次々と買収することでユーザーを獲得しています。

このあたり、各社の海外展開がどのように行われるかは、今後の日本マンガの海外進出に深くかかわる部分となり、注目したいところです。


海外News

ピッコマの親会社でもある韓国カカオエンターテイメントが、サウジアラビアの政府系ファンドから、9.3億ドル($円130円換算で約1200億円)の資金を調達したとのこと。

2021年に同グループのピッコマが、香港系の投資ファンドから約600億円を調達して以来の大型調達となりますね。記事にもありますが、実は世界の投資市況は、災厄や紛争などの昨今の世界情勢から冷えてきており、大型出資をウケることも難しいと言われてきている状況です。

その中で「ウェブトゥーン」への成長期待感から、こうした資金を集められるということはカカオの経営戦略の強さを感じられます。また、忘れてはならないのが、日本の漫画寄りなコンテンツ企業の中で唯一上場するKADOKAWAの現在の筆頭株主は、実質的にカカオグループであるということです。現在、我々の業界がおかれている環境において、お金がそのように回っているということですね。


2022年カカオ作品の韓国内における傾向分析です。ロマンスファンタジー強いですねぇ。特に原作が増えているので、これが今後Webtoon化していく流れなのでしょうか。


追悼の外伝ですね。『俺レベ』は今年アニメ化もされますし、最初の作り手である故チャンさんのために、関わったみんなで作っていこうということなのでしょう。このあたりはスタジオ制作らしさもありますね。


amazonの「フルフィルメント・バイ・アマゾン(FBA)」は、アマゾンの倉庫に商品を預け、保管や梱包、出荷、配送業務などをアマゾンに委託するというものですが、これの範囲が広がっていくとのこと。マンガの流通にもゆくゆく影響を与えていくかどうかというところですね。現時点では、北米の展開拡大というニュースです。


AIイラスト・画像生成関連

そもそも、AIで画像をつくるというのは自由度があるわけですが、いわゆる「呪文」を唱えて作った画像には個人差が出ます。そこで、そもそも良く出来た素材をAI産と謡って出すことによって、使いやすくする狙いですね。

こうして形になると、言われてみれば意味は分かるのですが、どんどん様々なことが塗り替えられていき、次に起こることが本当に予想できない毎日の大きな変化ですね。


ChatGPTの凄さと課題が色々と物議をかもしていますが、「検索」という大発明の中にもどんどん統合されていきそうですね。


これはなかなかうならせられる記事でした。こういうところにもバイアスの問題は出てくるのですね。


記事のみ紹介


告知関連

わたしの所属するコミチ社は、ヤンマガWebの開発・運営をしております。
それを安価かつ素早く提供できる「コミチ+」というパッケージ化したところ、次々と出版社さん・Webtoonスタジオ様向けのWeb雑誌のシステムと運用体制支援を提供することとなり、今年の春から夏にかけて、次々とサイトがオープンする予定です。

そのため、急拡大につき絶賛採用実施中です。エンジニア、Webディレクター(Web雑誌運用担当)など多岐に渡ります。

特に今週は、データ入力系アシスタントさんを探しています!


あと、たまに質問箱にお返事したりもしていますー。気軽に話しかけてくださいませ。


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主に週末に週1更新ペースで書いています。たまに別途特集を書きます。マガジンTwitterのフォロー、よろしくお願いします!

現在私は、マンガ編集部やWebtoonスタジオが自社で作品の販売をできるWeb雑誌の仕組み、「コミチ+」の営業をしています。

コミチ+は、来年に向けて大手出版社やWebtoonSTUDIOなどの大型受注を複数控えておりまして、絶賛エンジニア、Webディレクター(運用担当・データアナリスト等)などを募集中です。サービスがどんどん大きく広がっていく、これから滅茶苦茶楽しくなっていくタイミングです。一緒にやりませんか!私も力を出し切るつもりですし、一緒に働く方には私の持ってる知識や人とのつながりを最大限提供したいと考えています。詳細は以下より。

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