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【マンガ業界Newsまとめ】ピクシブ、KADOKAWA、LOCKER ROOMが「Pikalo」創刊、他にもWebtoon新レーベル複数スタート など|11/12-127

マンガ業界ニュースの週1まとめです。
マンガ業界向けイベントIMARTを運営する筆者が、動きの早いマンガ業界・Webtoon界隈のニュースを出来る限り一か所に集め、マンガ業界の方が短時間で1週間分の情報をチェックできることを目指しています。

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ピクシブ、KADOKAWA、LOCKER ROOMがWebToon新レーベル「Pikalo」創刊

ピクシブ、KADOKAWA、LOCKER ROOMの3社が、WebToonを中心とした新たなコンテンツレーベル・Pikalo(ピカロ)を発表とのこと。

もともと、ピクシブとLOCKER ROOMの2社は、作品制作と販売で連携していましたが、そこに製販両方可能で紙書籍も扱うKADOKAWAも入って連携する形ですね。特徴として、恋愛・BLといった女性向けで、Pikaloの連載作品はすべて電子コミック化・書籍化予定とのこと。

これまで、Webtoonの横漫画化・コミカライズについては、かなりヒットした作品のおまけというか、作家へのご褒美のようなところがあったかと思います。近年、KADOKAWAはヒット作『俺だけレベルアップな件』の横漫画を販売するなどしており、そうした経緯がある中での今回の取組は、勝算があってのことなのかなと思います。

3社の担当者が登壇する説明会を11/21(火)20時~開催とのことで、応募リンクがこちらになっています。

編集者紹介記事がnoteに出ていたのですが、女性向け編集部とのことで、女性中心で華やかな打ち出し方ですね。

ここ数年、SNSやマンナビ、DAYSNEOなどの影響で、編集者が名前を出すことそのものは珍しくなくなってきましたが、女性編集者を前面に打ち出すケースはまだまだ少ないというか、控えめかとは思います。その辺りも、編集者の在り方や作品・作家募集の在り方が大きく変わってきているなぁとは思いました。


今週のWebtoon新規参入・新たな動き

ニチアサ『キングオージャー』のスピンオフで、テレビ朝日系のWebtoonですね。最後にPのテレビ朝日大川氏のコメントが入ってまして、テレビ局がかなりダイレクトにWebtoonを作ってる感があります。先日ポケモンWebtoonが出てましたが、ニチアサもWebtoonと相性良いかもですね。

これまたある種のビッグIPで面白いですよね。ここの対象ユーザー層がつかめた時は、エンドレスで毎年のライダーや戦隊などで色々出来ますよね。そして、ターゲット読者は、お母さん層なんでしょうか?なにかそこにはとても可能性を感じますね。ただ、最終マネタイズは単行本なのかどうなのか。どうなんでしょう。


ドリコム社も、DRE STUDIO始動ということで作品初出しですね。

同社ラノベを原作として、めちゃコミでの始動ですね。同時にボイスコミックも公開とのこと。


SUPER SAPIENSS制作の『キラー・ゴールドフィッシュ』がLINEマンガの新着カテゴリで1位とのこと。実写映画化とい並行した動きで、どうなるかというところですね。


SORAJIMAがロゴリニューアルなど、コーポレートブランドを刷新したとのこと。サイトやオフィスもフルリニューアルとのことで、これも戦い方だなと思います。ユニークです。


新文化オンラインで、飯田一史さん、宣政佑さん、イ・ヒョンソクさんによる「深掘り!韓国漫画の世界」というコーナーが開始したようです。飯田さんは、私も記事をシリーズでお願いしたことがありますし、宣さんもイさんも、先日の電子書籍ビジネス調査報告書を書いた際には、多大なるお力をお借りいたしました。かなり濃密になるんだろうなと。


こちらはMinto中川氏の記事(手記?)です。コンパクトにWebtoonのことがまとまっています。


こちらは、No9遠藤氏と、Minto座光寺氏の編集者対談です。元は音声みたいですね。カードゲーム作るつもりで作品作りしているというのは、IP展開を見据えると大事なんだろうなと思いました。


最近のWebtoonスタジオの制作工程の決定版みたいになってるかなと。システム開発のウォーターフォールみたいになってますが、これが実際なんだろうなと。


国内News

大賞作品はアニメ化されるという、ジャンプ+発のWorld MakerとNetflixの共同コンテストが、11/8に募集開始しました。

ジャンプ+は2021年に「MILLION TAG」という新人発掘の取組で、既にNetFlixとのコラボをしているとはいえ、過去こうしたアニメ化確約というようなコンテストは、割と大賞が選ばれないままフェイドアウトしてしまうことも散見され、2回目のこの取組があるというところに前回の手応えを感じます。

ちなみに、「MILLION TAG」で大賞を取った作家は、ジャンプ+編集者の林士平さんのパートナー作家だったのですが、今回のWorld Makerの企画担当も林氏で、編集者の地力が映像化を担保してるかもなぁと、業界目線で見てしまいます。悪いことじゃないと思いますし、すごいことですね。

今週、体調を崩されたとのことで、林さん、お体は大事にしていただきたいです。


先週も紹介したBOOK☆WALKERの新アプリ「ヨミー!powered by BOOK☆WALKER」ですが、正式なプレスリリースが今週出ていました。

ヨミー!は話読みに特化しており、総合電子書籍ストアBOOK☆WALKERのサブブランドアプリとなるとのこと。


複数言語に展開するMANGA Plus by SHUEISHAの英語版に特化したサブスクリプションサービス「MANGA Plus MAX」について、開発会社のLink-U社のプレスリリースです。同社は、サブスク機能などの開発を担当とのこと。

サービス開始時点で、以下のが読み放題になっています。
・「Standard」:現在連載中の約80作品、計6000チャプター以上 1.99$
・「Deluxe」:完結作品を含む約190作品、計15000チャプター以上 4.99$
($は米ドル)

その狙いについて、「海外の多くのエンタメサービスで提供されている”サブスクリプション”機能の実装により、これまでマンガにあまり触れてこなかった海外の新規ユーザーを開拓すること」などとあります。


10月からCCCグループのFC戦略などのために立ち上がった同社ですが、CCCグループとして何度目かの電子書籍配信サービスに取り組むとのこと。オリジナルレーベルを持ちつつ、個人配信も受け付けるようですね。


ARR とは「Annual Recurring Revenue(年次経常収益)」の略で、毎年決まって獲得できる収益のことです。サブスクの見込み収益ということなんでしょうね。

セルシスのクリスタが、月次年次などのサブスクサービスに移行したのが2017年で、そこからサブスク売上の年間確定で30億円を超えたというところですね。強いですね。


コアミックス社がゼノンコミックスを扱っている店舗をサイト内の埋め込みGoogleMapから、リアルタイムに見ることが出来る機能を実装とのこと。

作品リンクなどにある「紙書籍の店舗を検索」というボタンを押すと、ユーザーがボタンを押したロケーションで、近くでゼノンコミックスが購入できる店舗がわかるようになっています。

同社の方は、良く飲み屋イベントなどで「昔はコミックゼノンの雑誌発売日に、コンビニなんかを足で回って、棚挿し部数を数えたりしたもんですよ」というお話をしてくれるのですが、多分これがあるとチェック行脚が楽になるんじゃないかなと思ったりします。DXですね。


コミックマーケット準備会は11月9日、次回「コミックマーケット103」のリストバンド型参加証の販売方法を発表しました。その中で、前回の夏コミC102で、予想外に当日チケットを現地購入する人への対応が増えたため、なるべく事前購入して欲しいと呼びかけています。

私も今年の夏コミに、当日午後購入で物見遊山的に行ってしまいました。炎天下の中とはいえ、列サバキ200mくらいを30分くらいで通してくれていたので「さすがコミケだ、なんともないぜ!」くらいの満足感だったのですが、記事を見て反省いたしました。今度から出来る限り事前に購入します。

当日チケットを倍の値段にするのは全然良いんじゃないでしょうか。どうせなら、リストバンドの色も当日はパープルとかルージュとか目立つ色にしてしまえば、また新たな異名が生まれて面白そうです。


この激ムズオタク検定試験は盛り上がりそうですね。ネットなんだから答え合わせはできそうなものですが、検索してもなかなか出てこない問題とか作ってる人も大変そうですが、やっぱり楽しそうです。

中国のビリビリ動画ではこれと同じように難しいオタク試験をして、真の登録ユーザーみたいな称号がもらえるらしいんですが、その上級オタクみたいな人たちが数千万人いるとかいうお話でした。さすが科挙の国ですね。


インアゴーラ社が、中東向けの越境EC開始とのことです。

海外版権の問題は、各国の正規ライセンシーが良くわからず、迂闊に正規販売をしようものなら何が起こるかわからない魔境であったりします。越境ECの仕組みでそこに取り組むということだと思うのですが、あんまり越境のこと正式リリースするのもどうかと思ったりもします。

とはいえ、対中東のビジネスは難しいことも多いですが、一方で市場としても期待できる広がり、規模感があると思います。まずは頑張っていただきたいところです。


マンガの保存のために、段ボールの規格まで考えて新しく作らないといけないという記事です。お疲れ様です。池川さんには熊本でも頑張っていただきたいです。昨日、味千ラーメンはもう東京に無いという話をしたばかりですが。


ベタなのですが、アニメ周辺のもろもろの良く話されてることが網羅されてます。ただ、こういうときもうちょっと実際の海外展開とかインバウンドのビジネスに目を向けて欲しいなとは思います。稼いでこそ、クリエイターに還元できるので。


これ、どうでしょうね。規模は大きいみたいですが、ヒンズー教のお国柄のインドだと、日本のマンガはダメかなーと思ったり。


海外News

先週NAVERの3Q決算の話題がありましたが、今回はカカオですね。
複合的な事業環境でマイナスとのことですが、ウェブトゥーンは映像化などからIP問い合わせが増えているとのこと。俺レベのアニメが1月ですが、どう影響しますかね。


NAVERの決算の話題で、先週も載せましたが日本語記事で読みやすくなっています。Webtoon周りで大きな売上増とありますが、先週のこのnoteでの紹介に、韓国からコメントをくださった方がいました。

マンガ業界NewsまとめNo126最下部コメントより

とのことで、NAVERは会計基準の変更があったみたいですね。
日本の出版社も、アニメ製作会社の会計基準変更に伴って、決算の見え方が近々で少し変わりました、そうした事情は良くあるようです。


*:外国語記事の紹介も入ってきます。自動翻訳などご利用ください。

タイトル訳:NAVERウェブトゥーン、海外違法サイト150サイト閉鎖

以前、日本マンガの海賊版対策をしている方が、「最近の海賊版サイトは、日本マンガではなくてWebtoonをトップに置いている」という、別の意味で日本にとって問題になる課題を話されていました。実際増えていて、対策も進んでいるというところですね。


タイトル訳:2 つの大成功を収めたウェブトゥーンが紙に書籍化

フランス語記事なのですが、NAVERのWEBTOON作品が2作、紙コミックスとして販売されることを紹介しています。作品認知をネット上のWebtoonで、マネタイズをカラー紙コミックで、という流れは進んでいますね。


TGVとはフランスの新幹線みたいな電車ですが、社内でマンガが読めるサービスが始まったとのこと。


タイトル訳:ウェブトゥーン: 韓国で生まれた出版現象の鍵と秘密

記事の内容的には、今回も含めてこのまとめ上で何度なく語られてきたWebtoonのまとめなんですが、今回はスペイン語でした。多言語です。


AI・画像生成関連

マンガと直接関係ないかもしれませんが、AI使用事例との話としては面白いです。


露悪的というか、その場のことしか考えてなくて嫌ですね。


今週のセール・キャンペーン・新人賞、取組等

1日限定で、1週後にデビュー決定とはまた早い。


記事のみ紹介


告知関連

安倍夜郎「深夜食堂・たそがれ優作 原画展」
2023年11月9日(木)~12月22日(金)@中野 です。


いま、絶賛セッションの収録などしてます。今年も面白いセッションが多いです。


インプレス社が『電子書籍ビジネス調査報告書2023』のWebtoonパートの執筆を担当させていただきました。

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主に週末に週1更新ペースで書いています。たまに別途特集を書きます。マガジンTwitterのフォロー、よろしくお願いします!

現在私は、マンガ編集部やWebtoonスタジオが自社で作品の販売をできるWeb雑誌の仕組み、「コミチ+」の営業をしています。

コミチ+は、ヤングアニマルWeb、ヤンチャンWeb、ビッコミの他、来年に向けても大手出版社やWebtoonSTUDIOなどの大型受注を複数控えておりまして、絶賛エンジニア、Webディレクター(運用担当・データアナリスト等)などを募集中です。サービスがどんどん大きく広がっていく、これから滅茶苦茶楽しくなっていくタイミングです。詳細以下より。

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