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【マンガ業界Newsまとめ】Pontaポイント利用電子書店「Pontaマンガ」、電子出版アワード発表、年末各社取組等多数 など|12/24-133

マンガ業界ニュースの週1まとめです。マンガ・アニメ業界向けイベントIMART(https://imart.tokyo/) を運営する筆者が、動きの早いマンガ業界・Webtoon界隈のニュースを出来る限り一か所に集め、マンガ業界の方が短時間で1週間分の情報をチェックできることを目指しています。

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Pontaポイントでおトクに読める電子マンガ書店「Pontaマンガ」が12月21日にサービス開始

ローソン系Pontaポイントをポイントとして使える電子書店「Pontaマンガ」が12/21にスタート。
運営はPontaポイントのデータ活用を行っている、ロイヤリティマーケティング社と、and factory社です。マンガアプリに実績があるand factory社によるサービス提供ですが、今回はWeb書店のようですね。

ポイントとえば、Tポイントを運営するCCCは、三井住友グループのVポイントと統合することで母体を巨大化。そのうえで、グループ会社のCatalyst・Data・Partnersを通じて、日販とCCC合同のデータ分析システム「CANTERA」と、そのデータ分析結果を把握するダッシュボードサービス「AND ONE」のサービス提供を開始しています。紙書籍のデータは勿論、電子書籍のデータ取得にも意欲的です。

ロイヤリティマーケティング社にしても、Catalyst・Data・Partners社にしても、データ分析を本業とする企業で、ポイント事業の根幹とも言えると思いますが、そこから分析ツールやプラットフォームへの進出が実働化してきている感じですね。


電子出版アワード2023は「Bingチャット」「世界J文学館」「コミチ+」「YourEyes」「Firefly」

電子出版アワード2023の受賞サービス・企業などが発表されました。
ジャンル賞として5つが選ばれ、筆者の関わる「コミチ+」も「エクセレントサービス賞」を受賞しました。投票にご協力いただいた皆様、誠にありがとうございました。

大賞は「YourEyes」昨年に引き続き、アクセシビリティ系のサービスです。

他、選考委員特別賞として「ボイジャーの萩野正昭氏」「KADOKAWA高見真也氏」「HON.jp 鷹野凌氏」などが選考されています。
スピーチ映像などは以下。


今週の年末セール・キャンペーン・新人賞、取組等の情報

年末の取組、発表、1年の締め括り企画など多数です。先週が一番多いかと思ってましたが、今週のほうが更に記事や発表が多かったです。

■各種セール・キャンペーンなど

大人気異世界コミック 完結記念CP - LINEマンガ

移籍で話題の『魔法使いの嫁』サイトリニューアルで全話無料(終了済)


■漫画賞、ランキングの結果や投票開始など


■取組・特集など

絵面が強烈な1巻同時発売です。ずるいw

「プライドが高い受特集」さすがのebjです。


国内News

『魔法使いの嫁』移籍で話題となっていた、ブシロードワークスの新Web雑誌「コミックグロウル」ですが、2024年春より新連載16作品順次開始という形でスタートとのこと。

2つ目の記事では、同社代表取締役兼編集長の新福恭平氏による、かなり気合の入ったロングインタビューが出ています。創作の狂気、新興企業と出版社による狩猟と農耕の違い、ジャンプを軸としつつもその対抗軸を打ち出していくことなど、かなり気合の入った内容になっております。


ひとつ前の「コミックグロウル」のように、今年相次いだWebマンガ誌の勃興ですが、その手前として新しいマンガを知るきっかけとして「SNS経由」が増えているというアンケートです。複数回答で実に半数以上が新しい作品とSNSで出会っていると回答しています。次いで2位がWeb広告となり、旧来のアニメ・書店などはその後に続きます。


TikTokが、漫画家・クリエイターへの支援プログラム「#漫画と出会えるハッシュタグ」開始とのこと。x(旧Twitter)でも、#漫画が読めるハッシュタグ は、一度見ると莫大な時間を溶かす魔窟となっておりますが、TikTokでもこれが同じように機能するかどうかですね。


先週開催されたジャンプフェスタですが、ステージの見逃し配信が12/31までとのこと。映像見ましたけど、やはりしっかり作られてますねー。


そのジャンプ+の傍らで運営されるジャンプルーキーですが、ここから出ている連載が100を超え、読切は500を超えたとのこと。才能収集装置ですねぇ。


ジャンプ+の『カグラバチ』が、サイマル配信により海外でバズった事例など、アニメやWebtoonだけではないマンガの動きにフォーカスした日経新聞による記事です。


コミケの変容にデータで迫った「早稲田大学負けヒロイン研究会」のnoteより、今週はコミケについての話題が、東京新聞の特集と同時に沢山出ました。

私個人の考えは、xにポストしたのですが、コミケに対しても総花的な百貨店から、専門店への移行っぽい動きも会ったろうなとは思います。作る人の環境も大分変りましたしね。


日本能率協会の「マンガでやさしくわかる」シリーズが好調とのこと。シリーズ累計135万部はなかなかで、更に海外展開とのこと。


『ブルーロック』のノ村優介氏が、卒業したHALのインタビューに答えています。こうした学校と卒業生者だと、なんとなくふんわりした形があるのですが、現役週刊誌作家をして、「学校での課題が大変でそれが連載に役立っている」と言わしめているのはガチだなぁと思いました。


最近、お笑い芸人など著名人が原作者となってのマンガ制作がなにかとありますが、KAT-TUNの中丸雄一さんの場合、アフタヌーン編集長の金井さんをして「これは本気だ」という姿勢が見えるとのこと。これを読んで私もちょっと見方が変わりました。ここまでやれるなら応援したいですね。


IMART2023のセッション「“息の長い推し”を生み出す仕掛け」の記事です。
聞き手は「推しエコノミー」などの中山淳雄氏、話し手は『AIR』や『CLANNAD』など、90年代から続く息の長い人気タイトルを作て来た馬場隆博氏です。

このセッションも、あまりこれまでのイベントでは聞けなかったお話が沢山あり、興味深かったです。アーカイブ配信購入は、こちら


稀見理都さんxより

Porn〇ubで2023年にもっとも検索されたのは「hentai」。そこで2次創作化されるキャラとして、まさかのあのキャラが上がってくるなど、大変興味深いポストなんですが、リンクが普通に貼れなかったので、画像でリンクしています。


今週のWebtoon新規参入・新たな動き

優勝賞金300万円+連載デビュー確約。
第3回オールKADOKAWAによるタテスクコミック大賞受賞式の様子です。かなりしっかりとした授賞式を開催したようです。


バンダイナムコが、Webtoonの公式サイトをプレオープンしました。

同時に作品の発表をしているのですが「コードギアス」のWebtoonを2024年から開始とのこと。これは熱い!強いIPがまた入ってきましたね。


そのバンダイですが、元LINEマンガ取締役の ユン・イナン氏がCEOをつとめる、YLAB日本法人に15億円を投じるとのこと。


TBS、SHINE Partners、NAVER WEBTOONという3社合弁の「Studio TooN」ですが、12月23日よりLINEマンガにて提供開始とのこと。


ドコモに所縁ある「TOON STUDIO」のオリジナル作品ですが、シーモア配信からスタートとのこと。dブックじゃないんですね。


ロケットスタッフ社のStudio reBornは、オリジナルWEBTOON及び日本向け配信作品が累計60本を達成とのこと。これも多いですね。


Minto社のnote2本です。日本のWebtoonシーンの中で今年一番の出来事は、国産Webtoonで最もヒットしたであろう『神血の救世主』の成功とのこと。確かにこれは大きかったですね。また、Minto社の中でもスマッシュヒットが紹介されていて、『おデブ悪女に転生したら、なぜかラスボス王子様に執着されています』がそれにあたると思うのですが、その担当編集の方が2つ目の記事を書かれている、こあらさんです。

神血にしても、おデブ悪女にしても、現在の韓国から来たWebtoonのヒットするポイントを押さえながら、日本漫画の良いところを取り入れる研究がかなりなされており、面白いなと思います。日本エンタメ界のWebtoon適応を進めている第2世代だと思います。


海外News

*:外国語記事も紹介しています。自動翻訳などご利用ください。

KADOKAWAがタイでマンガ・ラノベを発刊する出版社を子会社化とのこと。


12/8-10に幕張で開催された東京コミコンですが、3日間で来場者数8.5万人とのこと。


タイトル訳:マーベル・コミックが読者に、待望の「X-MEN」97」への公式序章をもたらすテレビシリーズ

かなり大きなIPのテレビアニメ化だと思うのですが、デジタルと紙のコミック展開も同時ということのようですね。Webtoonではないみたい?


タイトル訳:DC初のゲイであることを公表したヒーローがDCU版ドクター・ストレンジとして帰ってくる

日本にいると、ゲイのお話は空気を吸うように読んでますが、ヒーローがというところがあると米国でも珍しい話になるのですね。日本だとこの点どうなんでしょう?パッとは思いつきませんでしたが、普通にありそうですが。


タイトル訳:俺レベ アニメ プロデューサーが語る、ソース素材と創造的自由の絶妙なバランス

確かに、しっかりSTUDIO制作されてるWebtoonは、カラー化されたコンテみたいなところがあって、VFXとかにも直接的に影響を与えそうだなとは思います。そこは、アニメでヒットに繋げていくとなると、匙加減がありそうだなとは想像します。


タイトル訳:コンテンツ輸出額130億ドル… 家電より50億ドル多い

韓国においては、家電の輸出額よりコンテンツ輸出額の方が、2倍に近いくらい多いみたいです。それは力が入りますよね。


暖簾がなかなか良いです


AI・画像生成関連

アニメ制作においての、作画面などに画像生成AI、動きにモーションキャプチャーを使って作られたアニメとのこと。

独特な味わいですね。PS1と2の間らへんのポリゴンアニメみたいな感じかなと個人的な印象です。絵の精細さが、場所によるところがあって、このあたりがAIの味なんでしょうか。


画像生成AI「Adobe Firefly」ですが、日本ではLINEヤフーやnoteなど、ユーザー数の多いネットサービスと連携とのこと。

確かに、AIでマイクロソフトやGoogleとの勝負ともなると、Adobeとはいえどうやってユーザーに届けるかが重要になってきますね。noteのは自分でも使ってみたいです。どうやるんだろ?


記事のみ紹介


告知関連

12/27 19時~ youtubeliveなど配信
・出版業界ニュースまとめの古幡さん
・電子書籍ニュースまとめの鷹野さん
・メディアニュースまとめの大西さん
・マンガ業界Newsまとめの菊池
と、まとめ人4人を、西田宗千佳さんがまるっとまとめるという年末総まとめです。だいぶ今年がまとまるんじゃないかなと思います。
皆さんも、まとまりに来てくださいませ。


12/29 21時半~
まつもとあつしさんのアニメの門DUOでお話します。
こちらは資料作って、もうちょっとゆっくり話すと思います。
これが、今年の仕事納めになりそうです。


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主に週末に週1更新ペースで書いています。たまに別途特集を書きます。マガジンTwitterのフォロー、よろしくお願いします!

今年2023年11月24日~26日に、第4回IMARTというマンガ・アニメの国際カンファレンスを開催しました。基調講演に鳥嶋和彦さんを迎え、マンガ・アニメの現場から22のセッションやピッチが行われました。

アーカイブ配信のチケット購入がこちらになります。

インプレス社が『電子書籍ビジネス調査報告書2023』のWebtoonパートの執筆を担当させていただきました。

筆者個人へのお問い合わせなど、以下まで。


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菊池健
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