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【マンガ業界Newsまとめ】シーモアYoutubeCH「コミステ」ABEMA番組化決定、マガジンR休刊&Web化 など|1/22-86

マンガ業界ニュースの週1まとめです。動きの早いマンガ業界・Webtoon界隈のニュースを出来る限り一か所に集め、業界の方が短時間で情報を得られることを目指しています。

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コミックシーモアYouTubeチャンネル「コミステ!」の人気企画 ゲストの人生を変えた激推しマンガを紹介する『MANGA VIBLE』が「ABEMA」にてレギュラー番組化決定!

2021年12月から開始していたコミックシーモアのYoutubeチャンネル「コミステ」にて、配信する動画をABEMAでもレギュラー番組化とのこと。

MCによっぴーこと吉田尚記さんを据えての、第1回のゲストがラッパーの呂布カルマさんで、氏は小学校低学年から大学を出るまで漫画家志望でもあったとのことで、初回からかなり飛ばした内容で漫画と筋肉について語られています。

ABEMAはその投資額や思い切った番組編成で話題でしたが、ワールドカップの完全配信で更にユーザーを増やしたばかり。マンガのPRをYoutube配信からの連携で行い、同シーモア上で紹介作品の無料試し読みを増量するこの取組は、かなり思い切った施策と言えるのではないでしょうか。

それにしても初回ゲストの呂布カルマさんが、吉田さんも度々触れている通り特濃ですw シーモアは手堅いイメージがあったのですが、マーケティング部門に思い切りの良い方が入ったとかでしょうか。


各社Web雑誌展開

先日、イブニングが休刊&Web化を発表した講談社ですが、マガジンRも休刊して「月マガ基地」というWeb新媒体として展開開始とのこと。

現時点で「月マガ基地」の情報は出ていませんが、アフタヌーンの「&SOFA」、イブニングもコミックDaysをベースとしたWeb展開をしていることを考えると、同じような取組か、好調なマガポケを主戦場とした、Web or アプリを主体とした運営になるのではないかなと想像されます。(現時点では未発表ですので、わかりませんが)


宙(おおぞら)出版による『熱愛プリンス お兄ちゃんはキミが好き』の連載再開の記事ですが、同時に、新創刊web雑誌『コイハル』にて再開とあります。

昨年12月に発表があったようですが、当まとめでは拾い切れておりませんでした。2/21創刊とのこと。


コミックブシロードWEBはオープン2周年記念とのことですが、連携するブシロードオンラインストアと、とてもブシロードらしい取組をされています。オンライン雑誌らしい動きですね。


メディアドゥ第3四半期決算でリリース多数

メディアドゥの3Q(第3四半期)決算発表で、業績推移は好調も減収減益、通期では着地が当初想定を上回るというリリースがあったのですが、話題が盛りだくさんです。

ebookjapanとバックエンドを統合するLINEマンガによる売上への影響は現状軽微、投資先のnagisa社の方針転換と減損、紙方面では、トーハンとの取組やNFT「FanTop」など取組が盛り盛りですね。

また、『接近不可レディー』など制作する韓国の株式会社Contents Lab. Blueに5億円の出資を発表しています。『どろろ』の取組に続くWebtoonへの取組となりますね。


国内News

ニュースとしては、IGポート(旧プロダクションIG)の決算が好調という記事ですが、好調な事由としては電子コミック事業が好調とのことで、グループ企業のマッグガーデン社が好調ということになると思います。『魔法使いの嫁』『リィンカーネーションの花弁』『魔道具師ダリヤはうつむかない ~Dahliya Wilts No More~』あたりの名前が上げられていますね。


『静ドン』はピッコマで沢山読まれて、認知が上がったことが大きいでしょうね。『かりあげくん』の映像化と近い事象かと。作品は面白いので、認知さえ取れれば、現役連載かどうかは関係なく映像化にもなるというお話ですね。


広告マンガ大手のトレンド・プロ社のリリースで、元々多くの広告マンガを制作していた同社ですが、この度「MANGA PUBLIC RELATIONS」とのことで、制作したマンガにPRプランを盛り込み、プレスリリースやSNS支援なども行うとのこと。

単純にマンガ制作だけですと、広告出稿で言う所のクリエイティブ制作に留まりますが、広告施策にも手をいれることで、案件を広告案件として大きく予算の取れる取組に変えていこうとする狙いかなと思います。


海外News

NAVER WEBTOONのキム・ジュンク代表が、米国のサンフランシスコで記者懇談会を開き、「昨年はネイバーウェブトゥーンが韓国を越えてグローバル市場で作品性と大衆性はもちろん、産業的な面で認められた一年だった」とし、同社米国進出後の成果共有をしました。

北米進出の狙いとしては、
△全世界で最大のコンテンツ市場を持っている。
△英語圏から始まる多様性と確定性がある。
△英語圏コンテンツはヨーロッパ、南米進出にも容易。
△全世界のエンターテインメント企業との協業機会が多い。
という項目を上げました。

『ロア・オリンポス』では、米国の3大漫画賞を席巻し、日本で言う所の投稿サイトにあたる「キャンバス」には12万人以上のクリエイターが登録、マーベル、DCコミックス、NetFlixなどとの取組も増えているとのこと。

「圧倒的グローバル1位のストーリーテックプラットフォームという現在の位置を越え、全世界のトップティア(top-tier)エンターテインメント企業に成長していく」という抱負を語っています。


韓国語の記事ですので、自動翻訳のうえでご覧いただきたく。

韓国政府が「10億ビュー」のウェブトゥーン作家を育成したいとのこと。

この「10億ビュー」ですが、経済規模はともかく、意味合いとしては日本における100万部作家という意味に近しい基準なのかなと思います。韓国国内のみだと10億ビューはなかなか難しい水準のようですが、中国などを含めると1ヒットで数十億ビューという作品もあり、そうしたところを目指しくために、政府が10億ウォン(約1億円弱)を投じるとのこと。


人気Webtoon作品を原作としたゲーム化は期待されるところですが、実はこれまで韓国において大きな成功がなかなか難しいものでした。ここでは、『高手』というヒット作品のゲーム化を、NAVER WEBTOON子会社が行い、事前登録も好調とのことで、WebtoonのIP展開としてゲームにおいてもしっかり結果が出ることを期待される新作が動き出している模様です。


日本の、特にマンガにおいてデジタル広告と言えば、マンガのGIF画像を中心としたWeb/アプリ広告代理店によるところと思いますが、北米においてははメタ(facebook)、Googleといったプラットフォーム大手の独断場です。

そのため、韓国の北米進出においては、現地で既にユーザーを獲得しているプラットフォームの買収が優先されていますし、その他の方法として、リアルイベントを重視するなど、日本とは少し違うデジタルプラットフォーム戦略がとられています。

このあたり、米国のWeb広告市場環境の変化は、日本作品の進出にも大きく影響するところで、注視しておいて損は無い話題かなと思います。


Webtoon関連ニュース

楽天系のWebtoon制作会社としてリリースされていたTOON CRACKER社ですが、楽天グループ他から4億円の調達を発表しています。

ベンチャー不況とも言われている昨今、この規模での投資を受けられる環境も希少で、koboを運営する楽天としても力を入れているところであろうと思います。


カカオピッコマ社が、韓国の翻訳専門スタートアップ「ボイスル(voithru)」を200億ウォンで買収しました。日本にはボイスルジャパンという法人もありますね。

先の記事にもありますが、韓国初のWebtoonの事情としても日本語・中国語への翻訳を含めたローカライズは基本的な工程となりますので、そこを強化する狙いと思います。AIによる翻訳作業の効率化なども同社の取組にあるようです。


二見書房が、Webtoon制作スタジオのノックトゥーン社に出資し、二見書房の堀内速人副社長が、ノックトゥーンの副社長にもなるという形のようです。これにより、ノックトゥーン社の本社が吉祥寺がから神田三崎町に移るとのこと。


2022年1月のナンバーナイン社によるWebtoon制作にあたっての原稿料などのギャラの公開から1年、フーモア社においても条件の公開記事が公開されました。

『ソードアート・オンライン』の著者・川原 礫氏による新作小説『デモンズ・クレスト』などを、HykeComicアプリ及び同社を通じてLINEマンガなどにも配信する同社ですが、もともとゲームやアニメのイラスト制作受託をしていたことから、クリエイターと連携して作品を制作することには厚い経験値を持っています。

発表としては後発となりますが、それだけにかなりしっかりとした紹介をされていますので、一読の価値はあると思います。

個人的所感としては、こうした「制作費+印税」という形で作品作りをする会社の他に、「制作費のみ」という会社もあれば「版権も作家が持ち、ほぼ普通の漫画と同じ形で作品を発表」するなど、色々なタイプのWebtoonスタジオが混在するのが、現在のWebtoon制作の環境と言うのが現状と言うのも付記したいところです。

冒頭の「はじめましての人も、そうじゃない人もこんにちわ。」というのは、ナンバーナイン代表の小林さんの口癖で、わたしはもう数万回聞いたことがあるのですが、誰も突っ込んでないようでしたので私から突っ込んでおきます。「おいっw」


2022年に26本のWebtoon作品を発表したソラジマ社ですが、この26本をして「アルファベットプロジェクト」と銘を打っていました。

2023年は51作品リリースと言うことで「五十音プロジェクト」とのこと。えらいことですね。これを聞いた某スタジオの方はハイボール片手に顎が外れそうになっていました。大変なことだと思います。

なんでそんなすごいことを実現出来たり、計画したりするのかと思いますが、その辺りちょうどソラジマ代表のお2人が動画で語っていました。

ちょうどこのNewsまとめを作る作業をしながら全部見たのですが、なるほど凄い勢いだなと思いました。個人的に、萩原さんは私と話しているときはこんな早口では無く落ち着いた印象なのですが、さすが動画に長くかかわられていて、最適化されたスピードで語っているのだろうなと感心してしまいました。


ちょっと宣伝はいってしまいますが、筆者がお手伝いしているbooklistaSTUDIO製作の『モブなのに過保護な公爵に溺愛されています』が、LINEマンガ展開後すぐにランキング1位を記録しました。めでたい!

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AIイラスト・画像生成関連

漫画アプリ「fizotoon」をリリースするTikTokですが、本業TikTokの中でAIマンガの活用事例が伸びているようです。こういうのはなんとなくAIの使い方としてしっくりきますね。


日本のクリエイターにとっては気になる「日本風の画像をAIで作る」という需要の話ですが、やはりこうした地道な作業が必要なのだなと思う記事でした。最後の写真の方が知人に似てました。


画像生成AI「Stable Diffusion」と「Midjourney」に対して集団訴訟が行われているようなのですが、その提訴の中心の方が、過去実績のある法廷闘争巧者のようなのですね。激しいです。


この業界では安定の骨董通り法律事務所の弁護士出井甫さんによる画像AIの法的解釈です。現状縛りがあまり無いゆえ、米国では法廷闘争に発展しているということも言えますね。


既存のイラストサイトにAI画像が混ざると色々起こりますが、最初から「AIイラスト投稿サイト」と銘打てば、それはそれで拡大していくというのはありそうですね。今のところは「見たい人」より「AIで作りたい人」の集まりなのかという印象ですが、こういう需要はいつどうなるかわかりませんしね。


AI画像によるPVがYotubeに多数上がっているという記事なのですが、現状ではマンガ他に比べて、非常にクオリティが良いですね。音楽や歌唱も上手くAI化されてしまうと、もうこういうものが自動的に量産される将来が少し見えてしまいますね。

どれも良い出来なのですが、最後のマイケルジャクソンはホント良く出来てるなと感心してしまいました。この記事のおかげで、さっきからマイコーの動画をずっと再生していますw


記事のみ紹介


告知関連

漫勉 手塚治虫回 2月3日放送

ついに、漫勉に手塚治虫先生が出ますね。浦沢直樹先生とすれば入魂の手塚回になると思うんですが、どういうところを切り口にするのか楽しみですね。型番指定で背景とかトーンを入れるみたいな話か、伝説の電話でネームを切る話か、さてさて。


文化芸術分野の契約等に関する相談窓口を開設

とのこと。恐らく漫画家も含まれるのではないかなと。記事中に案内窓口へのURLとQRコードがあります。


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