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【マンガ業界Newsまとめ】イブニング休刊、コミティア代表交代、Webtoon各社新展開 など|1/9-84

マンガ業界ニュースの週1まとめです。動きの早いマンガ業界・Webtoon界隈のニュースを出来る限り一か所に集め、業界の方が短時間で情報を得られることを目指しています。

84回は、前回の12/25から2週間分のニュースまとめになっております。
みなさま今年もよろしくお願いいたします!

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漫画雑誌「イブニング」が休刊へ 発行部数が直近3年で3割減 「電子シフト」も影響か

2001年にモーニング増刊として発刊したイブニングが休刊しました。雑誌そのものの部数減が原因で、ユーザー数を増やしている「コミックDAYS」上で一部作品は連載継続とのこと。もともと近接していたイブニング編集部はモーニング編集部と合流するとのこと。


「面白いマンガが読みたい」一心で歩んだ38年 プロ作家も多数輩出「コミティア」の歴史とこれから

1984年から続いている同人誌即売会の雄「コミティア」の代表が、長く代表をつとめていた中村公彦さんから、副代表で会った吉田雄平氏へ引き継がれた件について、記事が2本出ています。交代の発表そのものは2022年11月のCOMITIA142の際にありましたが、その経緯などを詳しく書かれています。

中村さん、お疲れ様でした。ご自愛をです。


国内News

集英社の取組「マンガアートヘリテージ」にて、久保帯人『BLEACH』の活版印刷シリーズ第一弾の販売を開始しました。

『ONEPIECE』などで付加価値の高いアート作品とNFTの合わせ技として展開されていた同サービスですが、今回は根強いファンの多い『BLEACH』に展開し、引き続き継続している模様です。


1970年代から幼年誌&ホビー誌として続くコロコロとボンボンですが、それぞれの時代の中心にあったプラモデル、ビデオゲーム、おまけシールなど、興亡史です。ポケモンの影響、その有無はいかに大きかったかわかります。

また、このお正月のキャンペーンとしてコロコロでは、1970年代から2020年代の最新作品まで、一巻無料の施策などが出されています。


ビーグリー社の運営するコミック配信サービス「まんが王国」が、会員数700万人を突破したとのこと。ガラケー時代なども含めると2006年からですから、実に16年以上運用されているということになります。


今週のWebtoon新規参入・新たな動き

私の関わるコミチサイト上にて12月から連載している「ウェブトゥーン制作の最前線」シリーズの第1節になる、RED7イ・ヒョンソクさんのインタビューについて、後編を掲載し第1節完結となっています。

『俺レベ』などを手掛けるヒョンソクさんですが、中編後編は国内のヒット作品『氷の城壁』(集英社)のウェブトゥーンに触れ、制作にあたっての「引き算」について説明しています。


兼ねてから告知のあった『どろろ』のウェブトゥーン版『どろろ Re:Verse』が12月後半よりピッコマで連載開始しています。

手塚プロダクション、ARC STUDIO、メディアドゥなどが共同プロジェクトとして参加していることで注目を集めましたが、今後の動向が気になります。


comicoタテカラー漫画賞の審査会場に、鳥嶋和彦さんとcomicoの編集者4人が入って議論をするという趣旨なのですが、作品内容にはある程度触れつつも、comicoの考え方や、鳥嶋さんなりのWebtoon感があって面白い記事になっています。


「TOYOU STUDIO JP」という会社名で『脇役の皇女が実は世界最強だった!?』という作品がピッコマで1位を取ったというリリースですが、実質的に同社の日本での単独名義初作品のリリースとなっているようです。

同社のWebを見ると、4作品ほど実績作品が上げられており、韓国作品ローカライズやめちゃコミオリジナル作品などがあります。関連会社として挙げられている「TOYOU'S DREAM」社は『ゴッド オブ ブラックフィールド』『シャーク』などのヒット作品を出している韓国企業で、そのローカライズなどをしていた同社が、単独レーベルとして初作品、初プレスリリースを出したということのようです。国内スタジオ新規参入のようですね。


2018年8月にスタジオを立ち上げたソラジマ社が、2022年1年間で発表した作品が26作品にのぼったというプレスリリースです。これを「アルファベットプロジェクト」と銘打って推進し、総勢30名の編集者でやり遂げたとのこと。記事中には、実際にリリースした26作品の作品名もあります。


株式会社インタラクティブメディアミックス(IMX)が『スポンサー』という作品を提供開始とのことですが、提供先プラットフォームとして「めちゃコミック」、「まんが王国」、「DLsite comipo」、「HykeComic」、「Toomics」と一度に5つのプラットフォームに提供していることを発表しています。

同社はもともと韓国の映像系企業の出自と言うこともあり、今回の作品も韓国映像作品のコミカライズ&ローカライズということになりますが、日本における大手PF以外を展開先として、複数へ同時展開するブロックバスター戦略なのかなと考えると、初弾として興味深い展開でした。


こちらは、ブシロード系『ROCKETOON』の年末年始の無料展開リリースですね。展開書店が以下のようになっています。

「マンガKING」「BOOK☆WALKER」「LINEマンガ」「めちゃコミック」「DLsite comipo」「HykeComic」「アニメイトブックストア」

こちらも、複数電子書店・アプリに展開する形ですね。中には、Webtoon展開をしていることを私が知らないプラットフォームもありました。


この記事は大変残念なのですが、英エコノミストの数字の出し方に問題がある記事がそのまま和訳されちゃいましたね。

2021年、紙のマンガの市場は2.3%縮小し、2650億円となった。

https://courrier.jp/news/archives/311136/

2021年は皆様ご存じの通り、電子コミックも含めて漫画市場は史上最大の6759億円となっております。電子コミックをのぞいて紙の市場だけみても仕方ないのにねぇというところです。


海外News

まず、カカオ(ピッコマ)系PFの韓国での昨年のランキングですね。『盗掘王』『俺レベ』など、日本でも強いものの名前も見えます。新作ウェブトゥーンのあたりは、アイドルものに学園やBLなど、少し変化の兆しがありそうですね。


クールジャパンとビジットジャパンの合体みたいな施策に韓国でも800億円投じるとのこと。このあたりは、日本よりも上手な印象がありまして、更にドライブがかかっていきそうですね。


『外見至上主義』、『喧嘩独学』の「the Grimm entertainment」が14億円程の投資を受けたとのこと。販売プラットフォームの投資となるとこの金額ではまだ小さいですが、製作/制作での原資としたとすると、これはなかなか使いでのある規模感ですよね。日本でもこういう事例が増えて欲しいところ。


韓国のWebtoon作家調査です。昨年、俺レベの中心人物DUBUさんが過労で亡くなるなど痛ましい事故があった韓国では、Webtoon制作関係者の就労状況について、国をあげてナーバスになっているところがあります。

クリエイターの男女比、アシスタントとの契約書有無、レベニューシェアの割合など、興味深い数字が並んでいます。


小説PFタパス買収など、北米において積極的に展開しているカカオですが、その流れとして北米で評価されたウェブ小説を原作としたWebtoon制作を進行。これの逆輸出と言うか、北米発の世界展開も視野に入ってきているとのこと。

北米原作ですから、絵柄はこのままで良いのかな?と一瞬思ったのですが、これはアジア向けで作ってる感じなのでしょうね。


もともとは映像につきものだったオリジナルサウンドトラック(OST)ですが、最近はWebtoonにもつきものになっているというのが韓国情勢で、BTSなどK-popの世界的アーティストも積極参加しているということですね。

日本でも昔からポツポツありましたが、音楽にWebtoonが紐づくと、今時はPVなどでそのイラストを使うなどして、使い勝手が良いのかなぁと思いました。日本でも、PVで最初からイラストを動かすタイプの動画も増えてますもんね。


AIイラスト・画像生成関連

着想と、AI操作の技術でこれが出来ていく感じでしょうか。どういう作りであれマンガとなるとネームも大事とは思いますので、制作は生半可ではない気もしますが、著者はもともとマンガ原作者の方ですので、そこは問題無さそうです。


ひとつうえで「サイバーパンク風」というのがありましたが、こちらは単独の最早作品紐づきの世界観指定ですね。NARUTO風とか、ドラゴンボール風とか、そういうことも出来てしまうのでしょう。


この技術(?)は凄いですね。聞くところによると、複数のアニメ制作企業が水面下で、このあたりのテストを繰り返しているとのこと。


これも着想が上手いですね。メロスなんかは惜しいですね。ちょっと笑っちゃいます。


やっぱり日本独特の反応だったのかなぁという振り返りです。


記事のみ紹介


告知関連

98式AVイングラムのジャッキアップ、イベントに来てもらったこともあるのですが、これはぜひワンフェスに見に行きたいですね。Tシャツ買いました。


昨年夏くらいまでやっていたVoicyですが、忙しくて編集や収録が負担になってしまい休止していました。これを、年末にまたいつもの筋肉さんとやりまして、1年分ニュースを振り返っています。今後は、季節に一回くらいやりたくて、次は春かなぁと。


株式会社コミチが渋谷から水道橋(≒神保町)へ引っ越しました!

私がメインの仕事をしている株式会社コミチが、1月第1週に引っ越しをいたしまして、渋谷から水道橋(≒神保町)に引っ越しました。新住所は以下です。

〒101-0064 東京都千代田区神田猿楽町2-6-8 TQ神田猿楽町3階

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現在私は、マンガ編集部やWebtoonスタジオが自社で作品の販売をできるWeb雑誌の仕組み、「コミチ+」の営業をしています。

コミチ+は、来年に向けて大手出版社やWebtoonSTUDIOなどの大型受注を複数控えておりまして、絶賛エンジニア、Webディレクター(運用担当・データアナリスト等)などを募集中です。サービスがどんどん大きく広がっていく、これから滅茶苦茶楽しくなっていくタイミングです。一緒にやりませんか!私も力を出し切るつもりですし、一緒に働く方には私の持ってる知識や人とのつながりを最大限提供したいと考えています。詳細は以下より。

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