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【マンガ業界Newsまとめ】ドラゴンボールパーク@サウジに70mの神龍!、 AnimeJapan2024・渋ツタで新展開情報続々 など|3/24-146

マンガ業界ニュースの週1まとめです。マンガ・アニメ業界向けイベントIMART(https://imart.tokyo/) を運営する筆者が、動きの早いマンガ業界・Webtoon界隈のニュースを出来る限り一か所に集め、マンガ業界の方が短時間で1週間分の情報をチェックできることを目指しています。

――― 【目次挿入】


「ドラゴンボール」テーマパーク、サウジアラビアに建設。中央に70mのシェンロン

ドラゴンボールテーマパークがサウジアラビアに出来ます。PVもなかなかのクオリティですね。

東京ドーム10個分の敷地に30のアトラクションを作り、その中心に高さ70メートルの神龍(シェンロン)を置くとのこと。「サウジ・ビジョン2030」という計画の一環のようですから、2030年あたりにスタートでしょうか。

鳥山明さんが急逝された直後の発表ともなり、そこは寂しさがつのりますが、この規模のアトラクションが中東にできるということは、作品としてのステップがまた更に大きくアップしたと言えるのでしょう。

過去、日本作品で、いくらなんでもここまでの規模感で展開した作品は無かったと思います。こうした施設が日本にあっても良かったかもしれませんが、海外に超巨大なものが外国資本で出来るということも、それはそれで大きな意味があるかと思います。

中東と日本は政治的にも程よい距離感で、国策や政治的な意味での国交など、そうしたことは恐らく一切関係なく、ドラゴンボールが作品として受け入れられているようには感じます。すごいことと素直に喜んで良いのではないでしょうか。

個人的に、この取組の事例が今後どう派生するかは興味があります。ディズニーランドも、まず米国に出来て、そこから各国に展開しておりますし。


いよいよ明日開催! アニメのすべてが、ここにある。「AnimeJapan 2024」総投票数10万人超!アニメ化してほしいマンガランキング2024“アニラン”TOP10が発表!受賞者コメントも到着!

AnimeJapan2024が、今年はビックサイトで開催されました。私も行ってきたのですが、来場者の量は体感かなり増えている感じなのと、各出展ブースの大型化や、作りにお金のかかった感じも、過去最高レベルでは無いかなと思いました。特に、最大級の大きさでならんでいた、KADOKAWA、TOHO、Aniplexあたりの出展は、サイネージの大胆な使い刀と、かなりのものでした。

所謂AnimeJapan合わせで、様々な情報が出ています。

「範馬刃牙VSケンガンアシュラ」、「七つの大罪 黙示録の四騎士」第2期、「無職転生 II」第2クールPV、BEASTARS」最終章Part1の予告編、「ダンジョンの中のひと」PV第1弾、などなど、初出しの情報や映像が多々出ました。

大がかりな出展の他に目を引いたのが、サウジアラビアのマンガプダクションの出展でしょうか。サウジによるオリジナル作品の他、民族衣装「トーブ」と「シュマーグ」を身に着けた様子は目を引きました。

また、恒例のアニメ化して欲しいマンガランキングでは、1位に仲曽良ハミ『しなのんちのくる』が選ばれるなどしました。

<以下3/25追記>

速報値で、来場者は13万人超とのこと。前年比30%増ということで、このイベントが大きくなり注目されていっているということなのかなと。


渋谷最大級の書店「TSUTAYA BOOKSTORE」 サクラステージに今夏オープン&渋ツタ新展開

国内でも最大級だった渋ツタこと、SHIBUYA TSUTAYA IP書店が今年4月に完全リニューアルし、IPをベースとした挑戦的な空間になることが発表されていました。

それに続き、今夏にオープン予定の「渋谷サクラステージ」に、16万冊の在庫を持つ書店がオープンとのこと。渋谷サクラステージは、立地で言うと渋谷駅の南側に現在建設中のビルですね。旧渋ツタの代替的な書店ともなりましょうか。

渋谷区桜丘町1−1 https://maps.app.goo.gl/HLWoTB1t4indDVhg6

また、渋ツタ改め「SHIBUYA TSUTAYA IP書店」公式アカウントから、4/25オープン時の展開がいくつか公開されました。

ヤンジャンの他にも、「ごちうさ」「神血の救世主」「ねこおじ」「にじさんじ」「このすば」など、様々な展開が予定されているようです。


国内News

2001年に創刊した「週刊コミックバンチ」から続く「月刊コミック@バンチ」が、紙の雑誌出版を停止。WEB漫画誌「コミックバンチKai(カイ)」にシフトするとのこと。これで、新潮社も紙漫画雑誌の定期刊行はなくなり、全てWebにシフトするようです。

先行するwebの「くらげバンチ」は、多くのヒット作を輩出して好調ですが、そこに合流する形ではなく、新たに一媒体を新設。このタイミングで新連載も開始とのことで、既に実績のあるWEB漫画誌の運用経験を感じさせる攻めの姿勢が垣間見えます。


小学館の女性向けマンガサイト「フラコミlike」がオープンしました。
キャンペーンを打っている7作品の連載元を調べると、「flowers」「cheese!」「sho-comi」「プチコミック」と、ちゃお系をのぞくほとんどの小学館女性誌を扱っていると推測できるラインナップです。

小学館には「モバフラ」という女性向けのWeb媒体がありますが、この辺りとの位置づけは今の所不明です。


comipoもオリジナル漫画に注力中で、Webtoonではなく横漫画の新連載が複数スタートとのこと。


アニメイトが世界最大のアニメショップでギネス記録認定とのこと。正面から見るとわかりますが、ハレザ一帯のつくりもあいまって、すごい大きさと迫力です。

同時に、授賞式に元都庁職員等で、前区長からの豊島区のアニメマンガ推し政策を継承している高際みゆき区長が出席していることがポイントです。

小池百合子都知事の国会議員時代の地盤は豊島区です。文化政策を推し進めつつも、先日急逝された先の区長高野之夫さんとは、強い連携が取れていました。そこに高際氏が区長として継承し、先日も豊島区では都主導で「アニメ東京ステーション」が開業しています。

このあたり、エンタメ系は豊島区に集約していく流れがありますね。
というか、今Wikiを見たら、高際区長は高校の先輩でした。びっくり。


新人漫画家が、デッサン人形を握りしめながら、ポーズ作画に悪戦苦闘する図は、新人の登竜門的なイメージとして合ったかと思いますが、これももうデジタル化ですね。プリインストールで無限にモデルが事前に用意され、これを3Dでどこからでも眺められるという、まぁ良く出来ています。


「不健全図書」の改称の件、一区切りのようです。森川先生お疲れ様でございました。
それにしても、蛮先生のお召し物が素敵です。これ、1点ものというか、ご自身を意匠にご自身で作られたものですよね。


これは、あまり突っ込んじゃ野暮なのかもですが、同人誌のISBNとは??ってなりました。同人誌をなんとか体系立てて保存しよう的な考えは、割とわかります。コミケやコミティアの過去の見本誌の膨大なアーカイブをどうにかせねばという文脈はあるやもですが、ISBNのパロディとは??


iPad専用の制作ツールというのは面白いですね。


決済関連で、以前成人向けがコンテンツにあるところは、厳しい対応を迫られています。リクエスト機能でこれを止められるのは、ちょっと痛いですね。


マンガワンのYoutubeチャンネル「ウラ漫」で、マンガワンの会議の様子が配信されていたのですが、生々しくて面白かったです。

一昔前は、この中にある小林さん、千代田さん、森原さんのようなコメントは、インタビューしに行かなければなかなか聞けない話だったのですが、現在はこうして動画で聞けるんですねー。という感慨にふけりたくなるくらい、インサイダーなお話があけっぴろげに公開されています。

色んなタイプの編集者がいたほうが良い論は、本当に昔から言われていますね。以下、今から約10年前にわたしが様々な編集長にインタビューしたものです。

今見ると、みんなえらくなって現場から離れちゃいましたが、そうしたお話が沢山聞けました。もうジャンプの中野編集長くらいですね。まだ現場にいるのは。


「セクシー田中さん」関連

今週も大きな進展はなく、同じ枠の次の作品などが決まってますね。


今週のWebtoon新規参入・新たな動き

HykeComic作品の単行本化、俺レベなどでも実績のあるKADOKAWAからとのこと。


テラーノベルがD&C Media系のStudio Moon6と業務提携とのこと。このStudio Moon6は、小説作品をコミカライズするNoveltoonが得意とのこと。なるほど。


LINEマンガオリジナルの『神之塔』2期主題歌決定とのこと。
また、LINEマンガ率いるLDFの高橋社長がインタビューを受けています。

現在、LINEマンガを含めたNAVER系のWebtoon展開はひと月の流通額が100億円を超えるとのこと。様々なプレスリリースは、表題通りクリエイターに届けたい思いをもってやっていると書かれています。


バンダイ系Webtoon「バンダナコミック」ですが、4月の本格始動前に俳優さんを入れたのプロモーションです。作品を出す前にプロモーションするのユニークですね。


SORAJIMAは、Webtoonの前に取り組んでいたマンガ動画の時代から、その事業環境をハックして、しっかり成果を上げることに定評がありました。そうした意味で、しっかりそのあたりを対外的にも発信してますね。


東北新社のWebtoonですが、NFTのプロジェクトでもあるようですね。掲載先は、HykeComicとDMMとのこと。


「俺レベ」ゲーム版の事前登録開始とのこと。アニメもそうですが、このゲームによるマネタイズも作品の成否に直結しそうですね。PV見る限り、かなり気合の入った作りですね。


海外News

*)ここから海外記事を紹介します。翻訳ツールなどご利用ください。

タイトル訳:VeVe Comicsがデジタルコミックと収集プラットフォームを開始

マーベル系の作品について、「非サブスク」「サイマル」の形で販売開始とのこと。海外の電子コミックサイトは、安価なサブスクで限定的な作品や話を公開するものが多いですが、今回のものは1周回って日本の電子コミックサービスに近づいた感じですしょうか。

この形が伸びると、北米の電子書籍市場も大きくなっていくと思いますが、どうでしょうか。


タイトル訳:デイブ・アオキが主催したNYCCの「ウェブトゥーン出版ラウンドテーブル」を振り返る

ニューヨークコミコンで、ベテランのエンタメライター、デイブ青木さんによる「Webtoon出版パネル」です。NAVER系WEBTOONのほか、MANTAやYenPress(KADOKAWA系)などのコメントが出ています。


2023年の韓国の知財輸出が過去最大とのこと。


タイトル訳:韓国のウェブトゥーン出版社カカオ、業界の著作権侵害撲滅運動について語る

日本のマンガが悩んで来た海賊版対策を良く観察されてるようにも思います。


liboroさんの北米ニュースまとめです。

「君どう」は北米ですぐに配信にかかるようですが、ゴジラはそうはいかないんですね。色々あります。


タイトル訳:写真1/8​​
コミコンポルトガル: マトシンホスでポップマラソンがスタート

ポルトガルでもコミコンですね。


AI・画像生成関連

漫画家の樋口紀信さんが、ご自身の作品のLoraを第3者に作られ困っているという話が、森川ジョージ先生を通じて広がっています。

Loraとは、端的に言うと狙い撃ちで画像を作りにくかったAI画像生成に対して、特定の絵柄、例えば狙い撃ちした漫画家の画像に近いものを、何度でも様々な形で画像として出力できるツールですね。

だんだんと、漫画家がそんなことされたら困るなぁという事例というか、状況が近づいてきました。本件は、赤松健議員も対応に乗り出しています。


いわゆる出口ツールと申しましょうか、最終的に画像を作る際の微調整などするツールなどで日本製のものが、日本らしい画像を出すことが出来て人気ということですね。くれぐれも、遵法かつ人に迷惑をかけずに使って欲しいですが。


このあたり、実際に起きている事象として業界関係の方は一読をと思います。


今週のセール・キャンペーン・新人賞、取組等

マカデミー賞につづいて、面白そうな企画もの投票ですね。


記事のみ紹介


告知関連

楽天KOBO: R-TOONサービスのご紹介と台湾マーケットの可能性について
2024年3月29日(金) 16:00〜17:30


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主に週末に週1更新ペースで書いています。原則日曜、月曜以降が休日の場合は、週初めの平日の全日公開にて。たまに番外編も書きます。
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今年2023年11月24日~26日に、第4回IMARTというマンガ・アニメの国際カンファレンスを開催しました。
基調講演に鳥嶋和彦さんを迎え、マンガ・アニメの現場から22のセッションやピッチが行われました。

アーカイブ配信のチケット購入がこちらになります。

インプレス社『電子書籍ビジネス調査報告書2023』のWebtoonパートの執筆を担当させていただきました。

筆者個人へのお問い合わせなど、以下まで。


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