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【マンガ業界Newsまとめ】続く鳥山明さんを悼む声/マチ★アソビ今春一回休みで秋再開/筆者近況 など|3/31-147

マンガ業界ニュースの週1まとめです。マンガ・アニメ業界向けイベントIMART(https://imart.tokyo/) を運営する筆者が、動きの早いマンガ業界・Webtoon界隈のニュースを出来る限り一か所に集め、マンガ業界の方が短時間で1週間分の情報をチェックできることを目指しています。

この月末で筆者の環境が大きく変わるため、本稿最後で近況をお知らせしております。特に、直近のお仕事でお世話になった方に向けておりますので、よろしければご一読ください。(目次の見出しタップで飛べます)

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続く鳥山明さんを悼む声

今週も多くの鳥山明さんを悼む声や、その影響などの記事が出ました。
中でも耳目を集めたのが『ドラゴンボール』『Dr.スランプ』などの立上編集者、すなわち鳥山明さんを世に出した編集者鳥嶋和彦さんのラジオによる葬送の言葉でした。私も聞きましたが胸に来る言葉の数々で、ラジオのアーカイブ配信は終わってしまいましたが、墓碑銘のごとく記事が残っています。

様々なリアクション

ペルーの壁画とか凄いですね。

その足跡を語る記事

その経済的効果や足跡など様々な記事が出ました。

最初のまとめの記事は、コンパクトにまとまっていて良い記事でした。
サウジの件は、外国でやられてしまった嘆きもあるのですが、外国資本じゃないと出来ないことというのもあるんじゃないかなぁとも思いました。
最後のPの件は、さだかではないですがありそうな話なだなぁと思います。


「マチ★アソビ」今春は開催できず1回休み 秋に規模縮小で開催目指す

ということで、通常春秋開催のマチアソビですが、春に1回休みで秋から開催とのこと。良い落としどころですね。それにしても、前後の知事の発言を考えると、公式発表の内容としては松竹梅の松とも言える内容ではないでしょうか。

ですが、

くりした議員の指摘にもあるように、往々にしてイベントや、その企画やキャスティングというのは軽く見られがちなんですけども、この先上手く行ってくれれば良いなと思います。

筆者は、京都国際マンガ・アニメフェア(京まふ)の1年目の立上に関わり、己の未熟さから何度か死ぬ思いの苦労をしましたが、京都市による運営母体がしっかりしていたので、それでもかなり統制された(進めやすい)イベントであったと思います。

その点、マチ★アソビはufotable近藤さんを起点に、かなりハイコンテキストなイベントなので、これがどこまで伝わって、再現できるかなーとちょっと不安にはなってしまいます。


国内News

DLSiteとその利用者を襲った、クレジットカード決済問題ですが、なかなか難しい対応を迫られています。

クレジットカード会社は、クレジットカード使用を不適切と考えたサービスに対して、全サービス禁止とする前段階で、禁止ワードの掲載しているページの決済をしないという措置を取ります。

ここで、言葉狩りというか、言葉遊びによる規制阻止みたいなことになり、このニュースはそこの触れています。

現在は、成人向け作品中心のサービスの課題と見られていますが、こうしたことは「ニーメラー」ですので、例えば漫画家協会の森川ジョージ理事などが、東京都と交渉していることと地続きであると思います。

現在、マンガ業界は活況ですが、その7割を締める電子コミックの売上のほとんどは、足元でこのクレジットカードの決済が支えており、同根の課題を抱えていると思います。

そうした意味で、足元でのDLSiteはじめ各社の努力や、漫画家協会の活動は応援させていただきたいなと個人的に強く思います。


「まんが王国」×「アミューズ」のコラボです。マンガと音楽の組み合わせですが、座組がユニークですね。


もともとWeb版のジャンプ+は、はてな社の「GigaViewer for Web」でした。これと、先日KADOKAWA系のBOOK☆WALKERが譲受したACCESS社によるアプリとが連携しての運用だったと思います。このタイミングでアプリもWeb同様にはてなが担うということのようですね。


紙コミック(雑誌・単行本)の話題だと思いますが、以前減少が続きます。


海賊版サイトは、1207サイト
このうち
▽日本語のものが294サイト
▽外国語に翻訳されたものは913サイト

記事より 一般社団法人「ABJ」調べ(今年2月)


「劇場版ハイキュー!!」興収81.9億円突破、身近でも評判良いので、見なければ―ってなってます。


表現の規制に悩む海外の漫画家の方も、特殊技能者として受け入れたいですよね。と、トキワ荘プロジェクト運営時代から何人かの外国人新人漫画家を受け入れたり、海外作家の漫画賞をやってきた身としては思います。


京都国際マンガミュージアムの根幹は、運営する京都精華大学の研究施設とであるということが本質です。沢山のマンガ研究者が関わっています。


タイトルは若干Disり気味なのですが、内容的には出版の人というより、子を持つ親向けの内容でした。社名のところを貴社名に置き換えて読まれると良いかもしれません。(大分、特化された内容ではありますが)


クランチロール、インドにも進出なんですね。インドだけで3種の言語に対応とのこと。


経産省の動きに色んな声が上がりましたが「再販委託制の見直し」に踏み込むんだとしたら、確かに公の役割はあるのかもですね。


マンガから少々離れるのですが、俳優の高嶋政伸さんによる「インティマシーコーディネーター」(映画、ドラマやテレビの撮影現場でセックスシーンやヌードシーンを専門とするコーディネーター)のお話です。お話を紡ぐ全ての方にとって学びの大きいテキストかと思いました。


この記事、聞き手が元公安で「スパイのプロ」なので、単純に読み物としてえらく面白い記事でした。


こんなことがあったんですねぇ。ちゃんと話し合いで事後に解決、クレジットで手打ちということをつまびらかにしていて、良い形ですね。


セクシー田中さん関連

日テレの社内特別調査チームによる発表が、GW明けとなるようです。


今週のWebtoon新規参入・新たな動き

Webtoon新作色々

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俺レベ2期決定。Webtoon界としては一歩進んだということでしょう。


その、俺レベにも関わった、イ・ヒョンソクさんのインタビューです。聞き手は、同じWebtoonスタジオのMinto中川氏。ヒョンソクさんは、国産Webtoon台頭を歓迎しているのが、大切なポイントなのだと思います。


NAVER、カカオともに、Webtoonだけを事業としているわけではない大きなIT企業で、その中でのコンテンツ事業の割合はどれくらいか?という良い記事です。

この視点は、国内企業が両社グループ企業とお付き合いする際に、大切な視点だと思います。


マンガBANGのAmazia社による、Webtoon制作企業の買収です。

2022年以来のWebtoonスタジオ設立ブームでしたが、国産ヒットWebtoonが出て来る一方、優勝劣敗の形勢が見えてくるこのタイミングで、この辺りのM&Aなどが活発化してくると思います。


海外News

文化芸術系の著作権の貿易による黒字は、韓国ドラマや映画、ウェブトゥーンなどの輸出に支えられ、去年、およそ11億ドルと、これまでで最大となりました。

記事より

韓国経済全体としては、Webtoon市場は順調に成長し、国としての貿易収支にもインパクトを与える規模まで成長してきているようです。


そんな中で、クリエイター保護を政府が行うなどしています。


*: ここから、海外記事も紹介します。自動翻訳機能など活用ください。

タイトル訳」:WEBTOON、クリエイター向けの新たな収益化プログラムを導入

WEBTOON の読者は、個々のエピソードでスーパー ライクを購入して送信することで、スーパー ファンであることを示すことができます。

記事より翻訳して引用

これ、面白いですね。ファンとしての存在感を誇示できるというのは、スパチャにも近いですが、配信系の仕組みをWebtoonにもってところですね。


タイトル訳:韓国のウェブトゥーン出版社カカオ、業界の著作権侵害撲滅運動について語る

カカオは社内に「コンテンツ保護チーム(略称「P.CoK」)」という組織を設け、海賊版対策をしているそうです。


タイトル訳:ソロ レベリング ファンはエピソード 12 の初見に失望

こちらフランスの記事です。
俺レベの2期決定という記事もありましたが、こういう記事もあるんですね。賛否両方あっての真のヒットという話もありますが。


タイトル訳:独占情報:「RUTHLESS RENDER」がダークホース社から出版される マンガ風ウェブトゥーンのオンライン閲覧数が1100万回を突破

ダークホースコミックス(『ベルセルク』英語版を販売して大ヒットしてる、北米の出版社)が、MangaPlus Creators(ジャンプルーキーズの海外版とも言えるサービス)で注目を集めている作品を、紙コミックスとして販売するようです。

集英社の北米(英語圏)進出サービス上で、ローカルのクリエイターが作った作品が、ローカルの出版社から作品を出すということで、また一歩進んでいるように思えます。


タイトル訳:インディアナポリスのインディアナ コミコンについて知っておくべきこと

米、インディアナポリスのコミコン。コスプレ全般に、味わい深い猛者たちの年輪を感じさせます。


libroさんによる北米エンタメニュースまとめです。今週は以下あたりが面白かったです。

タイトル訳:世界で最も人気のあるアニメは何ですか?

各国でどの作品が人気かと地図で分布を示しています。『NARUTO』『ポケモン』あたりは、納得しやすいのですが、『ONE PIECE』が、フランスとイタリアを起点に、北アフリカ一帯に人気だったり、ロシアが『ワンパンマン』だったり、『進撃の巨人』が各地方で根強かったりと、なにか国民性みたいなものがとても興味深いです。

例えば、地中海は海賊タイプの義賊が人気なのかとか、やっぱりロシアは拳で語り合いたいのかなど、など。


タイトル訳:Hypereport: 小説とウェブトゥーンの映画化がインドネシア映画産業を彩る

KADOKAWAの展開もありましたけど、インドネシア熱いですね。原作の人気が後の映画に繋がる公式が、機能しているようです。


AI・画像生成関連

集英社のマンガとAIの合わせ技サービス第2弾ですね。
これは誰も傷つけないですし、上手いところを、イラストも含めて良いイメージで攻めてるなぁと思います。

なんというか、ブームになっても他社に踊らされず、自分たちで良いと思うものを作ってる感…が、ありますね。


ストーリー作りのAI活用が、なんとカクヨム連載になっています。
そのままマンガにも使えそうです。


そのうち解決するだろうなと思うんですけど、現時点では落語みたいで面白いですね。画像内のテキストをAIが学習して集積し始めると、AIや画像処理が次の段階に行きそうですね。


今週のセール・キャンペーン・新人賞、取組等

さすがviviONらしい企画ですね。

審査員コメントに気合が入っていて、それだけでひとつ読み物として面白いです。さすが、界隈で一目おかれるトーチです。

ダヴィンチ×BOOK☆WALKER施策

桜玉吉先生のセール!

今週話題のコラボでした


記事のみ紹介

㊗入間くん 200回!

これが、個人作品じゃなくて出版社から出るのが面白いですよね。

連結ができる本棚


告知関連

2024年4月15日(月) 16:00〜17:30 参加無料のZOOMウェビナー


筆者近況

3/31から4/1にかけて、筆者は環境が大きく変わります。

まず、3年弱程携わったコミチ社の営業職ですが、3/31で離任いたしました。お取引先の皆様には引継ぎの打合せや連絡を、ある程度させていただきました。

そして、月末最終日に皆様へ離任のご挨拶のメールを送信しようと思っていたのですが、私の不徳の致すところでそのタイミングを逸してしまいました。大変恐れ入りますが、この場での挨拶や別の機会へとかえさせていただきます。皆様には大変お世話になりました。誠にありがとうございました。

4/1以降ですが、大枠以下のような取り組みに注力します。

■一般社団法人MANGA総合研究所
・法人を3月に登記済み
・Manga, Anime, Novel, Game, A? でMANGA
・事業内容は大枠以下
① 今年5回目を迎えるIMARTの強化。国際化とリアル開催、カバー範囲の拡充など。世界最大のマンガアニメB2Bカンファレンスを日本で確立する。
② 漫画/アニメと言う括りを超えた、「IP」の市場調査。今後発展するIPビジネスを見据え、その現在地を把握できる地図を作る。
・法人代表は菊池、理事にIMART立上げメンバーの山内康裕と中山英樹
・より詳しくは、7月目途に正式発表予定
*: 名著「マンガ産業論」の中で、中野晴行さんが提唱された「漫画総研」から、お名前をいただいております。

■個人的動き
自身の会社、マスケット合同会社では、以下のようなことをします。
・顧問業(M&Aやマンガ・アニメ連携事業など4月から2社で開始)
・原画展の海外展開や、グッズ制作販売、それに付帯する事業など準備中
・9月に単著を出す予定
・このまとめは、まだ当分続けます。

などです。
今後とも引き続きよろしくお願いいたします。

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主に週末に週1更新ペースで書いています。原則日曜、月曜以降が休日の場合は、週初めの平日の全日公開にて。たまに番外編も書きます。
マガジンx(旧Twitter)のフォローしていただくと、更新情報が届きますので、よろしくお願いします。ご所属のSlackにRSSで流す方もいるとか。ありがたいです。

今年2023年11月24日~26日に、第4回IMARTというマンガ・アニメの国際カンファレンスを開催しました。
基調講演に鳥嶋和彦さんを迎え、マンガ・アニメの現場から22のセッションやピッチが行われました。

アーカイブ配信のチケット購入がこちらになります。

インプレス社『電子書籍ビジネス調査報告書2023』のWebtoonパートの執筆を担当させていただきました。

筆者個人へのお問い合わせなど、以下まで。


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