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猫なんて大嫌いだったという彼女が行き場のない猫たちを抱えて追い詰められてしまったのは・・・③最終章

前回(あり)の続きです。いよいよ最終章です。


ラブコとカナさんの出会い

そういうわけで、知人を通じてカナさんが保護した猫たちがラブコにやってきたのは2018年の夏でした。その時はあまりお話しすることもなかったのですが、当時で確か30頭くらいの猫を抱えていたと思います。そんなに抱えてる人に自分でがんばれとも言えず、たまたまラブコに余裕があったのでお引き受けしました。

その後、ほどなくしてまた知人経由のカナさんのSOSがありました。
きょうだいの2頭ですが、全く人馴れしていない子達だったけどたまたま一時預かりさんにお願いしていた猫たちの卒業が決まったので、この子達も一時預かりさんが預かってくれることになりました。
(ちなみにラブコでも毎回OKしていたわけではありませんが、タイミングがよかった!)

その1年後くらいかな。今度は知人を通さず、カナさんから直で電話がかかってきました。どちらかというと、人にSOSを出すのが苦手そうな感じがしたので、よっぽどせっぱ詰まっているのかなと思い、話を聞くと、いきなり9頭の猫を引き受けてほしいと言うじゃないですか。え、いくらなんでも多すぎるんですけどー!と驚愕しましたが、カナさんの家にはすでに50頭以上の猫がいて、この子達を入れたら60頭超えてしまうと言う。。。

  カナさんはすでにこの時家に入れられない猫を動物病院に預かってもらう等もしていました。もちろん無料ではないので、カナさんが費用を負担しているという。何頭預かってもらっているのかは聞きませんでしたが、金銭的な負担も少なくないはず。結局なんとか一時預かりさんを探して9頭をラブコで引き受けました。この時にやってきたのが先日トライアルに出た鉄火、コハダの兄弟を含むSUSHI 兄弟です。もちろん、普通だったらいきなり9頭の猫なんてラブコでは引き受けていません。でもこの時のカナさんが電話の向こうでとても切羽詰まっていた気がして、今ここで断ったらそれこそ多頭飼育崩壊とかになってしまうんじゃないかと心配になったんです。
引き受けるときの条件として、とにかくもう猫を増やさないこと、里親募集の方に力を入れて、保護頭数を減らすようにお願いしました。
それが2019年の3月のことです。

 その後も何回かはまたSOSがあったかなあ。はっきりとは覚えていませんが、本当に無理な時はお断りしていました。ラブコが移転してオフィスが広くなったこともあって、2020年5月にうずらとおはぎの親子も引き受けましたが、その時には少しは抱えている猫が減っていたような記憶がありますが、相変わらず、カナさんは大変そうでした。
カナさんには自分で頑張れとは言えないし、もう受け入れられる時には受け入れるけど、余裕がないときはNOという感じであまり深く突っ込んだ話はしませんでした。でも、ラブコに相談がある時も決まって誰かに押し付けられていました。捕獲してくれたら自分で責任を持って飼います、という人がいたので、捕獲をして病院に届けるまでしたところでまさかのドタキャンがあり、怪我もしているしリリースするのが忍びない、というような感じです。私だったらどうするだろうか。捕獲のやり方教えるから自分で頑張れ、と言ったかもしれません。現場に行ったらなんとかしてくれる、と依存される可能性大です。だからこちらで保護できる時しか捕獲の現場にも行かない。
でもカナさんは人がいいというか、真面目というか、猫を助けたい思いが強くて、人の言葉を信じて行ってしまう。どんなに疲れてても行ってしまう。という感じだったのです。



カナさんの限界とPAY IT FORWARD
 そして今回新たにカナさんのところから5頭の猫を引き受けましたが、状況は今までと違っていました。
SUSHI CATSの時は60頭近く抱えていた猫も譲渡を頑張って26頭まで減らしたといいます。でも、限界が来てしまったと。残りの猫たちを責任持って譲渡することができなくなってしまったと。そして他に頼れる人がいないと言う。

正直、LINEが来た時はえー、と思いました。私が浜松から連れてきた猫4頭の家族が決まり、最後の1頭も里親さんの家まで届け、やれやれと思っていた矢先のことでした。
とりあえず状況を把握するために、何頭の猫を引き受けて欲しいのか聞いたところ、14もしくは15頭とのこと。カナさんの家に猫を置いたまま里親募集の代行をやるか、それとも一時預かりさんを探すか。。。でもなあ。。

 一時預かりさんの存在はとてもありがたいのだけど、お願いするのはするでまあ大変ではあります。ラブコは現在一時預かりさんを募っていませんので一からボランティアさんを募集しないといけません。それから猫たちの運搬、里親さんのおうちについてからもお世話についてのアドバイスや体調管理、お見合いが入ったときのセッティングetc ....思えば、SUSHI CATSの時も周囲の人たちにかなり助けてもらいましたが、またそれをしないといけないのか、、、しかも2回目なんだけど、、などと正直悶々としました。


ジョディに勇気をもらう
 そんな中、気分転換で観に行った映画「モーリタニアン」。実話を基にした映画なのですが、ジョディ・フォスターが演じるナンシーになんか心を動かされました。ナンシーは人権弁護士なのですが、一緒に頑張っていたアシスタントの弱音を聞いて、私の時間を無駄にすんな、出てけ!と一蹴します。孤独になっても信念のために闘うジョディがカッコイイったらありません。
よし、ジョディだってあんなに頑張ってるんだから私も頑張らねば、と思いちょっと吹っ切れたのです(笑)。
というか、ラブコだって今現在いろんな人に助けてもらって成り立ってます。素敵な場所を破格で貸してくれてる大家さん、猫のお世話に通ってくれるラブコワーカーさんや毎回あっぱれな商品を作ってくれる173婦人会や里親さん、そして応援してくれるお客さんたち。
今回はカナさんを助ける、みたいな立場というと偉そうですが、そうじゃなくてPAY IT FORWARDなのです。情けは人のためならず(ずっと意味を履き違えていたけど、人のためじゃなくて巡り巡って自分のためなると言うこと)。
今はなんとかなってるけど、ラブコだっていつ何があるかわからないわけですから。

そして、カナさんのところにいる猫たちは緊急で居場所がなくなると言うわけではなかったので、山ちゃんと相談してとりあえず5頭を引き受け、ラブコが空き次第、徐々に残りの子たちも移動させることになりました。
そして、猫たちをラブコに連れてきてもらった際にカナさんのこれまでの猫人生の話を聞いてみたら、あまりの壮絶さに絶句、これは単に保護猫の紹介だけではなく、色んな人に知って欲しいなと思い、今回noteの記事にした次第です。
 もう限界になってしまったと言うけれど、私だったらもうずっと前の段階で限界が来てたと思います。ラブコで引き受けることになった猫たちはカナさんがいなかったらまだ外で過酷な生活を送っているか、命を落としていたでしょう。確かにカナさんは無理をしすぎたけど、飼い猫を不妊手術しないで増やしたわけでもないし、60頭近くいた猫を2年間の間に譲渡をがんばり、26頭にまで減らしたのだからすごいと思うのです。


カナさんの記事は今回で一旦終わり。
真面目に痛々しいほど頑張ってきた彼女には少しゆっくりして自分を労ってほしい。
真面目なんだけど、ちょっと天然で面白い人なんですよ。
ラブコにやってきた時、久しぶりに笑ったと言ってくれました。よかった。

余談ですが、今回の記事をアップするあたってはカナさんにも下書きを確認してもらっていますが、その返答もとても生真面目で思わずクスッとなってしまいました。
動物病院の先生にはとても助けてもらった、と言っていました。
(杉並区のハナ動物病院の太田先生にはとても支えてもらったそうです)。
相談できる獣医さんがいるのはありがたいことですよね。


さて、これからは猫たちに焦点を当てて家族募集を頑張らなくちゃいけません。カナさんが必死で助けた命を頑張って幸せにしなくっちゃ。家族募集しますのでどうぞよろしくお願いします!

とやっとここで猫の紹介を少し。

FIVキャリアのガンモくん。可愛すぎる〜!さわれるようになりました。

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引っ込み思案のポテト。萌える可愛さ♡

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ブレブレだけどしじみ(左)とくるみ(右)

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ロシアンブルーみたいなピロシキ。

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まだみんな緊張しておりますが、とってもかわいいです。
猫たちの様子は主にinstagramで紹介していきますのでどうぞよろしくお願いします〜!

よろしければラブコCATSにギャラをお支払いいただけると、猫たちが喜びます!