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野良猫の保護依頼の現場で思い知らされたことと知ってほしいこと

今日は長いです。こんなことがあったという覚書も含めて書いておこうと思います。

先週、外でいつもご飯をあげている猫が脚を切断されてるから保護してほしい、という電話がかかってきました。捕まえたいけどキャリーも何もなくてできないと電話の主。公衆電話からで、ケータイも持っていないというので場所と時間を決めて現場に向かいました。非常事態だからとりあえず保護しなくちゃ。

他にも現場にはたくさんの猫がいるということだったので、本当に虐待だったらまた被害にあう猫がいるかもしれないから警察にも通報した方がいいかもしれないと話して現場に向かったら、警察官とパトカーが来てました。でも本人らしき人がいない。警察の方はたまたまパトロール中に声をかけられて、愛護団体の人(私のこと)が保護しに来ると聞いて、立ち合いのために来られたそうです。

30分以上待っても本人が現れず、周囲を探していたら、その地域で30年以上も地域猫活動をしているという御婦人が数人がいらして、話を聞いてみたけど、みんな知らないという。電話で保護の相談してきた人がいるんだけど、と告げたら、「あ、あの人かも」と心当たりがあるよう。その人はここではなくて、別の場所でいつもご飯をあげてるというので、その場所まで案内してもらいました。

警察の人と一緒に案内された別の場所へ行くとご本人らしき人がいました。聞いたら私が来る前に自力で洗濯ネットで捕まえようとして逃げられてしまったとのこと。ええ〜、、と思いつつ、仕方ない。逃げる元気はまだあるなら良かった。

とりあえず、今日はもう警戒して出てないだろうから捕獲器を貸して、使い方も伝授して数日様子を見ることに。後日連絡をもらうことにしてその日は帰りました。

どうなったかなとやきもきしつつ数日を過ごし、今日になっても連絡がないし、相談者の方が電話を持っていないのでこちらから連絡する手段がないため、今日またその現場に行ってみました。幸い、相談者の方と会えたので話を聞いてみるとあれから見かけていない、とのこと。

そして、思っていた猫とは違った、と言うのです。

え!とよくよく聞いてみたら、自分が可愛がっていた猫は元気だった。切断された猫はその子によく似た柄の猫があと2頭いるからそのどちらかだと思う。でも普段どこにいるのか分からないとのこと。そんな〜と思いつつ、どこが縄張りなのかわからないし、森のような場所で人が入れない場所も多くて探しようがない。

とりあえず、しばらく出てくるのを待つしか方法がないですね、、と帰り道を歩いていたら、まだ不妊手術が済んでいない猫が何頭かいて、その子たちだけでも責任持ってなんとかしたい、家族を見つけてあげたい、。というので、貸していた捕獲器を使ってもいいですよ、と伝えたとこから話がおかしくなってきました。

責任持ってなんとかしたいけど、そこまで(捕獲して手術する)はできないとのこと。自分は体が弱くて、みんなに猫より自分を大切にしろと言われるんだけど、私は自分より猫が大事なんです、と言う。え、なんか支離滅裂では・・・。

お金もかかるし、捕獲するのに同じ場所に30分もいるのは体が限界で猫が来るまで待ってられないと言う。え、でも私とこうして結構な時間、立ち話してるのでは、、と突っ込んでみたら、この前と今日は特別。あなたは私の病気になったことがないからわからない、と言わました。あなたも警察も、地域猫の〇〇さんも誰も私の状況を知らないですよね、とちょっと感情的になってきて、「ああ、」と思いました。Deja vu ... 前にもこんなこと誰かが言ってた気がするなあ。。

ノンストップで色々と説明をしていたけど、結論を言うと、責任を持ってなんとかする、というのは「保護団体に電話する」ということだったようです。電話すれば全部やってくれると思ってた。友達もみんなそう思ってるけど違ったんですね、ということでした。

世の中の人みんなそう思っているのかなあ。お恥ずかしながら、私自身も最初は愛護団体に言えばなんとかしてもらえるものだと思っていた一人です。2006年にうちのけろ君を拾った時、街角で譲渡会をしている団体さんに猫を拾ったんだけど保護してもらえるのか聞いてしまいました。外国のテレビ見てたらそういうニュース見たことあるし。もちろん断られました。譲渡会に出させてはくれるけど、猫は引き取れないから自分でやって、と言われました。その時に初めて野良猫の状況をまともに知り、動物は自分がやらないと助けれないんだということを知り、今があります。

人間だったら倒れてる人がいたら救急車呼べばいいけどね。そう言うのは人間のために存在するんであって、人間以外の動物は対象外だから。子供の時,近所で可愛がっている野良犬がいて、その子が犬嫌いの人の民家の軒先で出産してしまい、保健所に連れて行かれそうになった時、動物愛護センターに電話したことがあったっけ。動物愛護センターってそういう動物を助けてくれるところだと思ってたんです。今思えばとんでもないことをしたのですが、子供だったせいで相手にされなくて良かった(名前が混乱するよね、動物愛護センターって)。でもあの子は多分保健所に連れて行かれてしまって、止めることが出来ませんでした。

自分が腹を括って動かないと命を助けられないっていうのはあの頃から変わっていないんじゃないかな。

けろ君がきっかけで、野良猫に出会うと気になってしまって保護することを初めて少しした頃、初めて20頭近くの野良猫の集団を通勤途中に見つけてしまいました(それまでは数頭だった)。早くしないとどんどん増えちゃう、と捕獲を試みたけどなかなか捕まらないし、一人で心細くて、地元の愛護団体に相談したこともありました。自分で引き取って里親探しもするし、手術の費用も自分で払うと言ったら夜中に捕獲を手伝いに来てくれました。まさか来てくれると思わず泣けました。その時に愛護団体っていう名前はついてるけど、実質は2名の女性でやってるんだと話してくれました。

そうなの、愛護団体って聞くとなんだか別世界の野良猫保護のプロの特殊訓練うけた人みたいに思われるけど、特別じゃなくて普通の人たちがほとんどです。少なくとも私はただ何回も経験してるうちに色々覚えただけ。なのでやったことがないから出来ないと言われても、so what? 何事も最初ってあるからさ、と思ってしまいます。

たまに愛護団体が多頭飼育崩壊とかのニュースにもなって批判されることも多々あります。詳しい内情は知らないし、実際に問題がある場合もあるのかもだけど、でも愛護団体とか、個人でも保護してる人に丸投げしようとする人が多いのも一因じゃないのかなあと思います。できないなら断ればいいじゃんって思われるかもしれませんが、聞いてしまったら気になってしまうし、助けてくれないなら保健所に連れてくしかないって言われることも少なくありません。全然知らない猫なのに、頭にバーっと状況が浮かんできて、助けれない自分を責めたくなる、例え断ったとしてもずーっとその子のことが頭から離れない。無理すれば保護できたかな、でも仕方なかったよねとかいい訳を並べてみる。最近は助けられない時は、「助けれなかった自分」を認めて生きていこうと思うようにしています。

悪法と言われてるけど、生類憐みの令COME BACK!!!!!!!!! COME BACK NOW!と願わずにはいられない。

というようなことを色々と思った一日でした。でも私よりも何年も前から地道に活動している人に出会って刺激を受けたし、今回ここに書き切れないけど小さな出来事が他にもあって、色々考えさせられたので意味があることだったのだと思います。猫は助けられなかったけど。。。。

保護団体と分類されていても(少なくともラブコは)中にいるのはごく普通の人間で、特殊部隊でもキレ者でもないし、自転車操業でやってるんだから丸投げは辛いんだ、と一人でも多くの方に知ってもらえれば。

家に帰ってけろ君を抱きしめました。あの時けろ君に会っていなかったら全く違う人生歩んでいたのかなあ。それともどこかのポイントで猫と関わるようになっていたのかな。

大変な世の中で人間も自分が生きるので精一杯かもしれないけど、猫は(猫だけじゃないけど)人間よりも弱くて守るべき存在だと思っているので明日も仕事がんばろう、と思ったのでした。

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