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15 YEARS

こんにちは。
私ごとではありますが、先日うちの長男(猫です)、けろくんが15歳になりました。
人間だったら中学3年生ですね。
私には甥っ子姪っ子がいるのですが、ぶっちゃけますと彼らが何歳とか全然覚えられない。。。のですが、一人、けろくんと同い年の子がいるので、その子だけは年齢を把握しております(笑)その甥っ子が来年高校生になるっていうので、けろくんも人間だったら高校生になるわけで、感慨深いです。

何回か書いたかもしれませんが、けろ君は私の人生最初の猫。そう、けろくんがきっかけで猫の保護を始め、ラブコができたからラブコのロゴにもなっております。

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幼少の頃から野生動物を含めて動物全般は好きだったのですが、名犬ラッシーを見ていたせいか猫よりは断然犬が好きでした。
近所にラッシーに良く似た野良犬がいて、ラッシーと呼んで子供たちで可愛がっていたのです。私は犬が飼いたくて仕方なくてでも親のOKがなかなか出ず、小学2年生の時に初めて柴犬を飼いました。
クッキーと名付けたその柴犬は私の心の支えで、親友でした。とはいえ、外飼いだし、番犬的な扱いで決して褒められた飼い方ではありませんでした。

本当はラッシーをうちの子にしたかったけど、飼うなら日本犬じゃないとダメだと父が言うもんで(日本犬の方が日本の気候にあってるから病気しにくいとかそんな理由)、私はナンセンスと思いながらも念願の犬と暮らせるならいいや、と思い、なんか車で遠くのブリーダーのところで買ってきたんです。今でもあのコンクリートの床で飼育されてたクッキーの母犬と兄弟たちの映像が頭の中に残っています。

私は家の中に入れていつでも一緒にいたかったけど、当時は犬は座敷犬(マルチーズとか小型の西洋犬)以外は犬は外で飼うもの、という風習で許してもらえませんでした。

そして私はクッキーと暮らし始めたわけですが、ラッシーはラッシーで好きで近所の子供たちで可愛がっていました。

ですが、あるとき、ラッシーが妊娠してしまい、あろうことか、動物嫌いの人の家の敷地内にある物置で出産してしまいました。その家の住人が保健所を呼ぶという噂をきき、近所の子供たちで大変だーってことになり、私は助けを求めて、あろうことか動物愛護センターに電話しました。ラッシーが殺されちゃうので助けてほしいみたいなことを言ったんだっけな。。。
どういう対応をされたのかは覚えてないけど、諦めないといけない感じでした。子供の時、愛護センターって動物を助けてくれるところだと思っていたのは私だけじゃないはず。

私の願いも虚しく、ラッシーは子犬ごとおそらく保健所に連れて行かれてしまいました、多分。はっきりとはわからないけれど、それ以来見なくなってしまったので。。

あれからもう40年近く経ったわけです。世の中も変わって、動物の扱い方も当時よりは進化したと思います。それはそうだけど40年近く経ってもあの時ラッシーを助けられず、クッキーを家の中に入れることもできなかった私は無力だったなあと今でも思います。子供の私が感じたことは正しかったし、もっと大暴れすればどうにかなったのかな。大人になった今は、無力じゃないし、自分の考えにしたがって行動する自由も得て、ああ、大人になってよかったと思います。

前置きが長くなりましたが、そんなわけで犬派だった私も15年前にけろくんと出会い、すっかり猫まみれの生活を送っています。仕事まで猫づくしになっちゃって全然予想しなかった人生を送っているわけです。
なのでこんな仕事をしていますが、生まれた頃から猫と暮らしていた、っていうわけでもないし、30過ぎて捨て猫と出会ってから猫人生なので、どっちかっていうと猫歴が長いわけでもありません。
20代の頃なんて、自分のことで手一杯で動物と暮らす余裕もなかったし、自分が動物好きだってことも忘れていたくらい。クッキーが死んじゃってからは動物と無関係の人生で、仕事も色々転々としてきました。そんで巡り巡って今、子供の頃にやりたくてもできなかったことをしている気がします。

そしてここからが一番書きたかったことです。猫の保護活動は自分がやりたくてやってることですが、だからと言って別に社会貢献に熱心な人格者というわけではないです。まあ悪人ではないと思いますが(笑)。
最近、同じように保護活動をしている人の悩み?を目にする機会がよくあって、どういう悩み(愚痴?)かというと、猫の譲渡をお断りしたら、「社会貢献みたいな仕事(福祉的な?)しているくせに、失礼、態度が悪いみたいな悪態を突かれた」みたいなことが書かれていました。
そう、それ私も経験があります。

もちろんお断りされたら悲しい気持ちになるだろうし、ショックで嫌味の一つでも言いたくなる気持ちもわかるんですが、根底に「保護活動している人=人格者であるはず」みたいな誤解があるんじゃないかなあと。もちろん本当に素晴らしい方々もたくさんいらっしゃるとは思うのですが、少なくとも私は違います。全然徳とか積んでないし(笑)
猫の保護も譲渡も、動物が無条件に好きで、猫に幸せになってほしいからできる範囲でできることをしているだけで、世の中を良くしようと思ってしてるわけではないです。
少なくともラブコは猫の代理人、というスタンスでやってます。いつも小さな誤解があるような気がしてもやっとしていましたが、そう、猫の代理人、というのがしっくりきました。保護した猫の最大の利益を考えるのが私たちの仕事です。人間じゃなくて猫の利益。best interests of the cats, ですよ。

例えばー
高齢のおじいちゃんおばあちゃんが寂しそうだから、猫をあげたいと言ってご家族が猫を迎えたいと言って来られることもあります。人間の社会ではお年寄りを気遣って優しいとかってなるのかもしれませんが、私たちは高齢者を幸せにしたいと思って猫の保護やってるわけではないから、お断りします。なんというか、どっちかが良いとか悪いとかいうわけではなく、立場が違うから。高齢者のご家族はおじいちゃんおばあちゃんの利益を一番に考えていますが、私たちは猫の利益を一番に考えるから噛み合わないこともあるのですよね。じゃあ、あなたは猫の考えていることがわかるんですか、っていうツッコミもあるかもしれないけど、少なくともラブコにきた猫たちの運命は自分たちにかかっているという責任感でもってやっております。

というようなことをなんで急に書いたかというと、これも子供の頃の話に遡ります。ある日の食卓で、母が犬の里親制度っていうのもあるんだってみたいな話をしたんです。もうクッキーがいたから新たに犬を飼うとかいうわけではなかったけど、役所でたまにそういう犬の飼い主を募集していると教えてくれました。でもそういう犬を貰い受けるには厳しい審査があるとも言っていて、子供ながらに矛盾していると思ったのです。新しい飼い主が決まらなければ犬は殺されてしまうのに、なんでわざわざ厳しい審査を設けて貰われにくくするのか。当時はわかりませんでした。
きっと今でもわからない大人も一定数はいらっしゃると思います。せっかく貰ってやろうと思ったのに断るなんて何様だ!と憤慨されることもありますので。何様でもないのですよ。猫の利益を考えた結果、相入れなかったのでお断りした、ただそれだけのことです。

弁護士だって交渉するときに依頼人の最大の利益を考えます。そう、海外の法廷ドラマが好きで良く見るのですが、「the best interest of the clienet(依頼人の最大の利益)」って言葉がよく出てきて、ああ、ラブコもこれだわ!と思いました。人間の見た目なのでまぎらわしいんだけど、ネコのbest interestを考えてるから、時にはヒト科とconflicts of interest(利害衝突)が生じる場合もあるのですよね。どちらが偉いとかではなく、立場が違うので。
なんてことを15年一緒に暮らしているけろくんを前にしみじみと思った次第でした。

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