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世界の人口は90億人でピークを迎えそう?

2084年頃に103億人でピーク。
この数値は今年、国連が発表した中位推計での予測値だ。
だけど私は「待てよ!」と言いたくなった。
今回は世界の人口予測について考えてみる。


【甘い!】国連の中位推計では103億人

最初にも書いたが、国連は2084年頃に世界の人口が103億人まで増えると発表した。
大幅に下方修正した2022年発表時よりさらに予測を引き下げたが、それでも甘い予測だと感じた。

理由は推計方法にあって、出生率と死亡率の単純曲線から予測しているからだ。
曲線にすると傾きが緩くなるからか、中位推計ですら大目になっちゃう部分があるのだろう。

(↑国連の最新発表)

【現状】出生率の低下が激しい

だが現状はどうだろうか?
実は急激に出生率が下がっているのだ。

要因は色々考えられるが、主に中国の少子化とアフリカの教育水準の向上が挙げられる。
中国の少子化が予想よりも急激だし、各国からの支援で教育環境が良くなって避妊の知識も身についたから意図しない妊娠も減った。
だから出生率が予想を上回るペースで減少している。

【非現実的】アフリカの推計が大雑把過ぎる

しかも国連の予測、アフリカ各国の推計が大雑把過ぎる!
2100年にナイジェリアが6億人、コンゴ民主共和国が5億人などと人口の推計がインフレーションしているのだ。
実際には人口が爆増し続けるとは考えられず、ナイジェリアでも精々4億人程度だろうと思われる。

教育環境の整備を考慮してアフリカ各国の人口を予測したら、幾分増加が緩まるんじゃないか?と思える。

【揺らぎ?】もう一つのキーポイントはインドにあり!

さらに、インドの情勢も世界の人口動態の変化に大きく与える。

2023年6月に中国を突破して人口が一番多い国となったが、既に少子化傾向が見えている。
出生率は2.03(2022年推定値)と置換基準の2.07を割っており、2.0を下回るのも時間の問題。
しかも都心部だと出生率が1.6前後まで下がっているから人口のピークもそう遠くないだろう。

インドも想定より早く出生率が下がると世界全体の人口増加も早く鈍化するので要注目!

【My予測】2050年代に90億人ちょっとでピークか?

いくつもの要因を組み合わせて独自で予測してみた。
個人の見立てだと以下のようになる。

2024年現在→82億人
2030年→86億人
2040年→89億人
2050年→91億人
2060年→90億人
2070年→88億人
2100年→76億人

主な根拠は出生率である。

2023年末時点では2.3となっているが、毎年0.04ずつ低下しているので、2030年にちょうど置換水準の2.07を下回ると見られる。
2030年前後に世界の出生数が横ばいになって、2045年ごろから微減するはず。

また、今生まれた世代の子供世代を25年後と仮定するとちょうど2050年前後となるから出生数の微減時期とも重なる。

だから、2050年代前半に90億人ちょっとでピークを迎えると予測しているのだ。

【結論】人口のピークが近付いているのは確実!

細かく書いたけど、一つ言えるのは世界の人口のピークが近づいているということ。

過去50年間、世界の人口は国連の中位推計をやや下回って推移してきた。
しかも急速に発展して少子化が進んできたから控えめ・厳しめに見た方が確実。
My予測も、国連の低位推計(2056年に88億人でピーク)に近しい。

世界の将来は低位推計より僅かに上な程度で見た方が良いだろう。

(終わり)

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