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『選択』について

宮崎駿監督の『君たちはどう生きるか』を見た。
賛否両論の作品だが、私は右脳が刺激を受けて、色彩豊かな絵画の展示会を見てきたかのような、名作の小説を読み終えたような感覚であった。

振り返ってみれば、人生は選択の連続だ。

そしてその一つの選択にそれぞれ理由がある。

誰の人生もそうだろう。

映画の舞台となるのは、太平洋戦争中の日本であった。主人公の少年は、母が亡くなったことを理由に彼の新しい母になる人のところへ引っ越す。そこからさまざまなことが起こる。



この盆休みに実家で小学校6年生の時のタイムカプセルを掘り起こすことがあった。
埋めたのは12年前のことだ。
ばーちゃんが作ってくれた梅干しを入れ、開けた時に食べようとしていたことだけは覚えていたが、何を埋めたか忘れていたので、中身を見る時はワクワクしていた。

中には、12歳の自分が10年後の自分を想像して書いた手紙や友達からの手紙や、運動会の予定表や感想文が入っていた。
正直、読んでも全く何も思わなかった。こんなバカだったっけ?と思うほど文章力がなかった。

当時の私はパン屋かパティシエになる事が夢だった。それも、自分が作ったもので家族や友達が喜んでくれたからだった。
結局、そうはならなかったが、とゆうか今も迷走中だが、それはそれで、人の出会いがあり自分の選択は変わっていった。

家族からの手紙もあった。
そこには母と兄、姉、
そして今は他界した父の手紙があった。

父の手紙を読んで、一行目から涙が止まらなかった。

父の筆跡、生きていた頃の自分に宛てた手紙。


悔いのない人生と友を大切にして生きてください、と書かれていた。


それができていない自分を恥じた。
振り返ってみたら、あの選択をしていたら自分はどうなっていたんだろう、と思う場面もある。
自分が友達だと思う人は両手で数えるくらいしかいないし、大切にしているとは言い難い。
ごめんよ、父。あなたの娘はまだまだです。

あなたは私と同じ歳の頃に、2児の父親で、
医療事務をしていたけど、仕事が嫌で失踪して、
戻ってきてから、家業の農業をすると母に伝えたんですよね。それも凄い決断です。


ちなみに、タイムカプセルに入れたと思っていた梅干しはなかった。入れてなかったか、掘り出した人が捨てたのか。12年ものの、ばーちゃんの梅干しは食べれなかった。



映画で感じたのは、時代の変化。
世界や環境が目まぐるしく変わる世の中で、
過去にしがみつく必要もなく、
世間一般の考えや価値観に縛られている
自分自身も変わっていかなくてはと思った。
まだまだ、他人の目を気にしている。

日常は選択で溢れている。
後悔しない人生を送るのは難しいかもしれない。
人を想っていても傷つけてしまうことがあるかもしれない。

今行っている選択が最善であるために、
改めて、今を大切に全力で生きる、ことが大切だと感じる、2023年のお盆だった。




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