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相手を追い求める愛 不安型アタッチメント②

相思相愛の関係を誰しも理想としているはずなのに、実際に恋に落ちると、思いもかけない障害物競争の世界が待っている。外野が障害物の時ももちろんあるが、実は障害物が自分自身であったりするーしかもほとんどの場合。
自分の心の中にある不安。それが原因で愛する相手を失ってしまうのはどうしてなんだろう。

今回もアタッチメントスタイル理論の「不安型」について、その原因や改善策について考えていきたいと思います。


●原因は子供時代
ケミカルインバランス、などと言われて薬だけ処方されていたメンタルヘルスケアは、現在は心の内側から直していくアプローチが主体になってきた。
そんな中でアタッチメントスタイル理論は自分の子供時代、特に親との関わりあいが非常に重要であるといわれている。

幼稚園の時に、さくっと親と離れて預けられる事に抵抗のないお子さんと、ギャン泣きするお子さんに分かれるのに、気が付かれた人も多いのではないだろうか。当然「不安型」は後者だが、ギャン泣きした直後に何事もなかったように遊びはじめれば、この子はまだ安定タイプだといえる。
幼稚園の門まで行って、ずっと離れていく親を追い求めていたら、かなり「不安型」の可能性が高い。もしこんな思い出があなたにあるなら、どうしてそのような不安を親が自分にあたえたのか、じっくり考えてみるといいかもしれない。

私自身、アタッチメントセオリーについてはじめて学んだ時、自分はあきらかに「回避型」だと思っていた。(離婚二回、別れた彼は数知れず。。)しかし、自分にも少なからず、不安型の部分もあることに気が付いてきた。相手に対して、要求が多く、ついてこれないと、別れを切り出す。。本当に我ながら迷惑なタイプ。

まず、自分の両親は離婚している。
振り返ってみると、自分が3歳ぐらいの時から両親が不仲になっていった(らしい)。特に不仲になる深い理由はなかった。いわゆる、「性格の不一致」ってやつだ。

そのうち、母は大学時代につきあっていた元カレとよりを戻した。二人はよく私を連れて週末も遊びに行ったりしていたのだが、ところどころに託児所に預けられた記憶があるのだ。(そしてギャン泣きしていた。)

自分が7歳の時、母は親(つまり私の祖父母)の反対を押し切って元カレであった二番目の父と結婚。
幸い、子煩悩な二番目の父にはわが子同然に可愛がってもらって、本当に幸せな子供時代を過ごす事ができた。その後も、自分の行きたかった海外の大学に留学させてもらったり、今でも二番目の父には頭が上がらない。

ただ、最近になって、母に衝撃的な事を言われた。
祖父母に二番目の父との結婚を反対された時、「あんたを置いて、二人で一緒になろうよ、っていったら、平手打ちされたのよ(笑」
(笑)じゃないだろ!!
この話のオチは、そんな母の言う事を無視し、母の親の反対を押し切って、私を養子に迎えて、愛の勝利を証明した二番目の父がエライ、って事だったのだが。
やはり母の言動のどこかに、私は常に不安を感じていたのかもしれない。
子供時代はなんとかなく薄ら寒い、暗いセピア色の記憶に覆われている。
母の実家は裕福で、子供の頃から海外旅行に行ったり、初孫だったこともあって、物理的には恵まれた環境だった。ただ子供時の記憶は、いつも一人で部屋にいて、絵本を読んでいた記憶ばかりだ。兄弟姉妹がいる他の子供たちが羨ましかったのを覚えている。
また「早く大人になりたい」といつも思っていた。いつもここではないどこかにいきたい、と思っていた。

どこかに潜む捨てられる恐怖。私の離婚歴や、男性をどこか信用しない感覚はここからきているのだろうか。

●インナーチャイルドに話しかける

自分の子供時代にどんな時に悲しかったか、孤独だったか、親に対して不満があったのか、どんな時に愛されたかったのか。
いま、パートナーや結婚した相手とうまくいっていない人、もしくは恋愛を軌道に乗せることができずに悩んでいる人がいたら、まずは子供時代の自分の気持ちに帰ってみてほしい。
ギャン泣きしていた、幼い自分が心の隅にいるのではないだろうか。
ただその小さな幼い自分が、今の自分を不幸にしていると思って責めないであげてほしい。
先日アメリカのメンタルヘルスのサイトの書き込みで、自分が「不安型」すぎて、いらいらする、自分自身に失望する、と書いている人に、いいコメントを書いている人がいたので、シェアしたい。
「その不安型の自分は、小さい時の自分を守ってくれたんだよ。それをゼロにする必要はないんだよ、そんな自分にも優しくしてあげてね!」という内容がだいたいの趣旨だった。
私の回避型①https://note.com/love_navigation/n/nc60a50813d01

でも紹介した本、「No bad parts 」Richard C. Schwartz著にもでてくる手法だが、「いままで自分を守ってくれてありがとうね」と声をかけて、徐々に自分を守る役(今回の場合なら、パートナーに極度に不安を感じる行動)から身を引いてもらう、というところなのだが、一人でやることは容易ではない。現在はアタッチメントについて詳しい専門医や看護師の方もいらっしゃるようなので、是非そういうところでアドバイスを得てみたらいいと思う。

●瞑想やジャーナルをつける

マインドフルネス、や瞑想はネガティブな感情をリセットすることに役立つことは大分知られるようになった。
それだけではなく、今、日記(ジャーナル)をつけることが注目を浴びている。
脳神経学者のDr Tara Swartが言っているように、頭の中でもやもやしている感情、特にネガティブな感情を外にだす方法として、文字にすることを勧めている。

いわゆる「日記」形式で、今日は何々をしました。楽しかったです、でなく、何の脈絡もなくてもいいのだ。また読み返すことが趣旨ではなく、「外に出すこと」が趣旨なので、どんなに意味不明でもオッケー。落書きなんかが混じっていてもいい。


いま、これを読んでいる人でも「こんなことで改善するの?」と思うかもしれない。
自分が25年いきてきたら、それを改善するには同じぐらい時間がかかってしまうかもしれない。
でも、まずは自分と向き合う事、今大人になったからこそやってみてほしい。




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