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犬友達との別れ|人の有り難みを識った日々


私にとっての犬友達


「犬友達」という言葉を聴いて、どういう印象を持つだろうか?

犬を飼っている人同士が友達になる、そういう意味に捉えることが多いかもしれない。

でも私の場合はちょっとだけ違う。

私にとっての犬友達とは「自分が犬と散歩しているときに逢って、会話するようになった人」という意味で使っている。

だから、相手が犬を飼っているかどうかは関係ない。

私が犬と散歩しているときに逢って、立ち話しする人。

そして、私の愛犬リンをかわいがってくれる人。

それが私の犬友達だ。

そして、犬友達にはもう一つ要件がある。

それは、基本「偶然に逢う」ということ。

最初は犬の散歩のときに逢って、話すという関係から始まる。

朝、皆習慣になっている時間に散歩する。

だから、だいたい同じメンバーと逢う。

わざわざ約束して逢うわけではない。

もちろん、事前に連絡して逢うこともある。

でも基本的には逢えるといいな、と思って外に出る。

逢えたら、ラッキー。

そんな感じ。

だから、犬友達と逢うのは偶然の賜物だ。


引っ越し日の朝に


引っ越しする朝もいつもと同じ時間に愛犬と散歩した。

いつも野川の橋で立ち話をするおばさま達がいる。

その1人の方は、いつもリンにおやつをくださる。

そこを通り掛かるワンコは皆、おやつをもらっていく。

だから、そこに人の輪もできる。

最後の朝は、そのおばさま達と愛犬をつれた男性二人の前で、パートナーとダンスを披露した。

スニーカーだったし音楽も無かったけど、みんなに感謝の気持ちを伝えたかった。

いままで仲良くしてくれてありがとうって。

朝からとても和やかな時間を過ごすことができた。


失うときに初めて氣付く


引っ越しを決めてから約一ヶ月。

今まで仲良くなった犬友達と丁寧に別れを惜しんできた。

ニュースレターのようなものを作り、逢ったときに配った。

できる限り相手の住所を教えてもらった。

「せっかく仲良くなれたのに寂しいな」

70代の男性が言ってくれた。

「僕の視界から消えるなんて許せない!」

そう言ってくれた男性もいた。

「あと数日あるから、まだ逢えるよね?」

そう確認して、その場を別れた女性もいた。

そうやって、私との別れを惜しんでくれる人が少なからず居たのだ。


最後の散歩のときに、家に帰る途中で大きな声が聞こえた。

それは、私が大好きになった犬友達の1人。年配の女性だった。

私の愛犬リンは猫が好きだ。

その方の家は玄関の外に猫が居る。

だからいつも「猫ちゃんいるかな?」と通るたびに覗いて行く。

そのうち、その彼女が外に出ているときに話すようになった。

その近くのコインランドリーで逢ったとき、ゆっくり話したことがあった。

彼女は私が社交ダンスをしていることを知り、いつか観たいわ、と言ってくれた。

偶然、すぐそばの公民館の大広間で踊る機会があり、その彼女にも来てもらえた。

彼女はダンスが観れて大喜びしていた。

そんなお付き合いをしていた人だった。

そんな彼女が呼び止めてくれた。

「みゆきさん、短い間だったけど、仲良くしてくれてありがとう。」

彼女はそう言ってくれた。

彼女と別れてから、私は涙が止まらなかった。


私が引っ越ししないで同じ場所にいたら、このような言葉をかけてもらうことはないだろう。

そのままの関係だったら、気が付かない。

でも、失うとき、初めてどれだけ大切なものだったのか識ることができる。

切ないけれど、貴重な体験だったと思う。


引っ越し当日も犬友達が助けてくれた


引っ越し寸前に仲良くなった犬友達がいる。

その彼女は、ペットシッターをしている。

シッター派遣会社に依頼するより、実際にお散歩している人に直接お願いしたほうが、支払う方も受け取る方もいいよね、と思っていた。

引っ越す寸前に、どうしても犬の散歩が出来ない日が2日続けてあった。

なので、彼女にお願いした。

彼女は喜んで引き受けてくれた。

そして、犬好きな彼女のお主人も一緒に散歩してくれたそうだ。

(会社を通してのお仕事だったら、そういうことは許されないだろう。)

よく「Win-Win」という関係をいうけれど、今回は「三方良し」のほうがピタッと当てはまる気がした。


そんな彼女が、引越し当日に愛犬を散歩に連れ出してくれた。

「引越し業者さんが荷物出しているとき、リンちゃんが落ち着かないでしょ?」

そういう心遣いをしてもらえた。

結局1時間半くらい、リンと散歩してくれた。

相手が困っていることを察して手を差し伸べられる。

そういうことができる人と仲良くなれた私は幸せ者だ。


すべての人とうまくいく関係を築くことは、ハードルが高い。

でも私の場合、犬を通じて人と仲良くなることは、得意なのかもしれない。


私は、新しい地で新しい犬友達を創っていく。

それが楽しみの1つでもある。


読んでくださりありがとう。

心からの感謝を込めて。








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