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ベビーベッド卒業式

本日、娘がベビーベッドを卒業した。1歳1ヶ月、だいぶ長く使ったものだ。
7年前、息子の時に旦那の会社の部長?的な人がお祝いで買ってくださったこのベビーベッド。
息子も1歳で卒業した。その後解体されて、6年間ひっそりと、また使われる日を待ち侘びて仕舞われていたのだ、なんとも愛らしい家族の一員のようなベビーベッドである。

しばらく二人目の予定など具体的になかったのだが、捨てるのも忍びなく、なんとなくただとっていた。
とっていて良かった。ベビーベッド本人も、また活躍できるチャンスが来るなど夢のようだったのではないか。

息子と娘をそれぞれ1歳になるまで毎日寝せてくれたベビーベッドよ、あんたが我が家の子ども達2人を育ててくれた、と言っても過言ではない。
毎晩毎晩ここでスヤスヤと眠り、時には夜泣きもして大変だったけれど、あんたのおかげで子ども達はここまで育った。

息子はミルク大好き人間だったので、ここで寝ながら自分で哺乳瓶を持ち、飲み切った途端に哺乳瓶をかなぐり捨て、眠りに落ちていたワイルドな時期もあった。
つかまり立ちをするようになるとガシガシベッドのヘリを噛むようになり、その跡がクッキリと残っている(故にメルカリには出せない、笑)。

娘はそこまでワイルドではないが、ベッドの柵の隙間から毎朝息子の登校のドタバタを見送り、息子が家を出たら相手をしてもらえると待ち構えている様子がたまらなかった。

卒業。
よくアイドルなどが〇〇(グループ名)卒業!などと涙ながらに最後のLIVEをしている光景を見るが、彼女たちは言ってもテレビに出続ける(多くの場合。勿論全てではない)。卒業じゃないやないかい、普通にテレビに出てるやないかい、なんなら歌ったり踊ったりしてるやないかいっ、と日々ツッコミを入れている痛いアラフォーである。

一方、我が家のベビーベッドは本当にもう、卒業なのだ。
もうその役目を終えた。使命を果たした。
感謝と寂しさの念でいっぱいで、昨夜は少しうるっと来てしまった。

で、これからこのベビーベッドをどうするのかというと、
粗大ゴミ置き場に持っていくところであるー

粗大ゴミ置き場・・・?!
あんたそれでも人の親か?と、自分に問いたださずにはいられない。
これだけお世話になり、共に時を過ごした家族の一員を、
ゴミ捨て場に持ってくなんて、捨てるなんて・・・!

ほんとはまた、どこかの誰かの赤ちゃんの役に立てたらいいだろうとは思うが、さすがに赤ちゃんが1年間毎日使った×二人分、そして息子の時からの経年劣化などを思うと、気軽にお譲りもできないし、そもそも周りに赤ちゃんが産まれる気配もない。

繰り返しになるが、役目を終えたのだ。
この言い方が一番しっくり来る。

きっと、生まれ変わって、また別の誰かの役に立つことだろう。

息子と娘、年月は開いているが、我が家の子ども達の寝床になれて、幸せだったろう。
ベビーベッドの気持ちになって、勝手にそんな想像をしてみる。

初めて産まれたての赤ちゃんだった我が子を寝かせた時は、胸が踊っただろう。やがて寝返りや、つかまり立ちをするようになってからは、危機感や使命感に駆られたことだろう。

ありがとう。ありがとう。子ども達を守ってくれて、ありがとう。
なんだか絵本が描けそうな勢いである。

息子は7歳、去年産まれた娘も1歳。子どもはどんどん成長し、いずれ家を出て行く。
私達はどんどん老いる(爆)。

万物は流転する。諸行無常なのである。

ちょっと気が狂っていると思われそうであるが、どうか今日だけはおかしい人であることを許していただきたい。

ベビーベッドを解体するため、リビングにどーんと運んできた。今夜はこの光景を眺めながら、7年間の色々を思い出しながら、晩酌しようと思う(そして明日はいよいよ粗大ゴミ置き場へ・・・良心が痛むとはこのこと)。

ベビーベッド卒業式。息子の保育園の卒園式の次に、泣けるイベントになることは間違いない。



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