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同じ日本での異文化生活且つ【嫁】という立場が一番辛い

先週末まで遠方の義実家に帰省していた。そこは飛行機と電車を乗り継いで数時間の、山奥にある小さな町。周りを見渡せば山・山・山、視線を下げると田んぼに畑、川、耳をつんざくような、真夏の生命力あふれる色々な虫たちの声(虫嫌いな私はいつも生きた心地がしない、笑)。

首都圏で生活する私たちには考えられないような暮らしや風景がそこにはあり、子ども達のためには毎年とても良い経験になっている。

ーのだが、嫁という立場である私は「もう付き合いも長いし今更そんなに気負うこともないし、平気平気」と思いつつ、知らず知らずのうちにフラストレーションが溜まっており、滞在期間も1週間を過ぎた頃からいよいよ些細なことでピリつき始める(旦那とも喧嘩が多発。こういうとき旦那はそちら側の人となる。ま、生まれ育った家と自分の両親や親族なのでそうなるだろうが)。

一刻も早く飛行機に乗って、もう全て投げ出して帰りたいと思うほど色々キテいた1週間前の今頃を思い出し、来年は帰省するかどうか?を判断する際参考になるよう(笑)殴り書きであるが記録しておきたいと思う。

時が経てば人間忘れてしまうもので、【子ども達のために】という最強の謳い文句?大義名分の元、またノコノコと出向く気がするのである。

虫と共存、昔の暮らし

古い一軒家、周囲はひたすら山、畑に田んぼや川という環境のため、家の中にも当たり前のように虫が生息。

虫の図鑑すら直視できない私が、よくぞ毎年来ているものだと思う(しかも嫁の勤めを果たすという全く楽しくないミッション付き)。子どものためなら何でもできてしまうのだな、私も人の親だな、と苦笑いする。

どんな虫がどんな所にいるか、は、虫嫌いゆえ思い出したくもないし、不快に感じる方もいるかもしれないので詳細は割愛する。

が、まさに【虫も家族である】を体現したような風景があったが、家族であるゆえ私以外は誰も全く気にしていなかった。

この世で一番嫌いなもの=虫レベルの私が、嫁として家事や親戚付き合い(もはや村中が親戚。めちゃくちゃ多い)をこなし、且つ子育ても【ちゃんとやってるぞ】という所を見せながら、えっと、、私苦労して獲得した貴重な有給を使って何やってるんだっけ?という気持ちになった。

きっとこの1週間余りで私は一生分の虫と出くわしたと思う。

クセモノの義父

noteだからこそ自由に書けるが、本当にクセモノなのである。あのお父さんあっての、我が旦那ーと考えるとちょっと老後が恐ろしくなってくる。

義父の特徴

  • その昔、その村の学校の先生をしており、晩年は校長先生であった(ただし学校中、村中から嫌われていたらしい。旦那談)。

  • ゆえに、子どもの教育で自分の右に出る者はいないと思っている

  • が、自分の子どもの子育ては一切せず、風呂も入れたことない、一緒に遊んだこともない、100%義母任せだった

  • 義母が子どもの夜泣き対応をしているときに「アテつけか!」とキレたことがある(義母談。最低、終わってる。。自分がそんなことされたら即距離を置く…)

  • 都会の生活を「ろくなもんじゃない」と思っている

  • 畑や田んぼを持たず、自給自足生活を送っていない(地方だがある程度の都市生活を送る)私の親や兄弟の生活を下に見ている(畑の写真を親に見せてやれ、と毎回言われる、うざい)。

  • 元校長とはいえ、現在の学校教育や教育現場の問題や日本の教育の未来など、そういうことに関して全く知らないし問題意識もない(子ども達のために熱心に情報収集しているこの辺のお母さん達の方がよっぽど感度高い)。

  • 元校長とはいえ、上記のようなことについてビックリするくらい情報がアップデートされておらず、数十年前で時が止まっている。

  • 外から遊んで帰ってきた息子を唯一クーラーのある部屋で休ませてたら、「クーラーばかりつけてたら弱虫になるぞ」と言って炎天下に出させた。熱中症にさせて殺す気か!と腹綿が煮えくり返った。

その他まぁ色々あるのだが、悪口ばかり書いて不快になる方もいるかもしれないのでこの辺でやめておく。

こんな義父と数十年付き添ってある義母を心から凄いと思う。尊敬はしないが(爆)、ただただ凄い。何も言わずじっと耐えてきたのも凄い。。

古き時代の日本の父親、母親像を絵に描いたような人たちである。
亭主関白。女は黙って三歩下がって家事と子育て。

我が旦那は今のところ、そんな義父を【反面教師】としているらしいが、これから先何十年、どうなるだろうか。

やっぱり手に職。女でもバリバリ働くしかない。家庭だけではなく、社会の中で居場所を作り存在感を放つのだ、と改めて思った次第である。

クーラーをつけた方が良いですよ、と言えなかった

義実家は去年までクーラーがなかった。
私たちが夏に帰省するため(これまでは冬に帰省していた。息子が小学校に上がったことで、1ヶ月以上にも及ぶ長い夏休みが到来したため、去年から夏に帰省している)、一つの部屋にだけクーラーを設置してくれた。

だがそこは私たち家族の寝室となり、普段昼間もそこにこもっている訳にもいかないので、それはもうめちゃくちゃ暑くて参った。

子ども達が熱中症になるといけないので、仕方なくクーラーのある寝室で短時間過ごさせたりしたが、室温30℃を超える室内で、クーラーなしで毎日過ごしているとは何事、、、と本気で思った。

お年寄りは体温調節機能が弱っており、暑さを感じにくいそうである。
それに加え、クーラー=体に毒という考えがどうしてもある人が多く、熱中症になって搬送され亡くなる方も多いと先日ニュースでやっていた。

地獄のような暑さなのだ。しかも畑仕事をする時はこの猛暑の中、長袖長ズボン。
寝る時も熱帯夜の中、窓を開けて寝るのみ。

いつか熱中症になるぞと思い、「適度にクーラーはつけた方が。。」という声が喉元まで来ていたが、なぜか私はぐっとその言葉を飲み込んだ

それは都市生活を送る私の価値観であり、ここでの生活は全く違う文化の中で営まれている。

義実家には義実家の生活があり、そこに【夏はクーラーをつける】という文化はないのだ。
よそ者の私があえて助言することではない気がしたから。

とはいえ。とはいえ、である。
連日熱中症のニュースを見る度に、いやいや生活だの文化だのじゃなくて、【危険だから】無理矢理にでもクーラーつけさせるべきじゃないのかと葛藤する自分がいるのである。

ま、自分の親ではないけれど。
旦那からも特に何も言わない。え、平気なの?

不思議な家族である。

結論

結論、日本の中でも異文化は当然存在する。
そしてその異文化を理解した上で、

  • 複数の家族の一員である皆が心地よく暮らせるよう、うまくアジャストしていく

  • 子ども達へもその異文化の理解浸透を図り、受け入れ難いものでもまずは理解し歩み寄ることの重要性を教える

  • 異文化の中で彼らが辛い思いをしたり、命に関わるリスクに晒されることのないよう諸々マネジメントする。

  • 上記をやりつつも、義母や義父、親戚たちなどそこで元々ずっと暮らしている人たちと角が立たないよう立ち回る。

そんなことをやらねばならない【嫁という立場】が、最高にきつい。
仕事よりきつい。お給料もらってないのに(爆)。

ということで、結論、辛いということである。

そうでなくても義実家はお風呂上がりに下着姿でブラブラできないし、飲み物をもらうにもいちいち断りを入れて冷蔵庫を開ける、ちょっと小腹がすいたからおやつ〜みたいなこともできないし(お腹すいたんでおやつ下さいなど言えない、笑)、疲れて大の字で寝っ転がるみたいなこともできない。

いつも、【お行儀よく】していなきゃいけない。

何度も言うが、苦労して獲得した貴重な有給を使って何やってるんだ?私。。と思ったのは一回ではない。

来年の私がこれを読んだらどう感じるだろうか。
来年の夏、私はまたノコノコと義実家に行くのだろうか。

人は忘れる生き物である。
色々とふっちゃけてしまったが、不快な気分になられた方がいたら申し訳ない。

一生分の虫と遭遇したせいだと思って大目に見ていただきたい。


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