#27 『ガザとは何か パレスチナを知るための緊急講義』について
ユミヲの闘病記に居合わせてくださる、愛する皆様。
物理的なココロと身体は、ココにあって、がんと戦っているのだけど、
実は、
もう一つのワタシの心は、ずっと、引き裂かれる思いなのだ。
そう、パレスチナのことで。
昨年10月に京都大学と早稲田大学で相次いで開催された、イスラエル、ガザに関する岡真理先生緊急講演会についての書籍が出版された。
病床で読み進めるのだが、心が痛くて、苦しくて、とても、前に進めない。ゆうに10日、かかった。
それでも、目を閉ざすことはできない。それは、現実から目を逸らすことだからだ。
人間性に突きつけられた政治的問題としての、ガザについて、あるいはイスラエルについて、正しく報じる主要メディアは、ほぼ皆無だ。岡先生が言うように、「刺身のつま」のようなコメント、「人道危機」と報じるだけ。
国際法を適応してくれるだけでいい、そんな議論もない。それすら、無視される、国際社会って、誰のために、なんのためにあるのだろう。
報じられないことは、出来事として起こらなかったことと同義だ。日本の政治も、そうだ。史上最長政権を実現した、権力の中枢たる面々が、あの、、、体たらくとは、誰が想像しただろう。わたしたちは、なぜ、こんなにも大人しくて、物分かりが良くて、怒らないのだろう?
呆れて無関心?
それは、追認だ。
そう、ワタシも同罪なのかもしれない。
岡真理先生の『記憶/物語』との出会いが、当時大学生だったワタシに、大学院への進学を選択させた。先生がおられた京都大学は、自分の通う阪大と、単位交換ができたので、週末の講座は聴講させていただいたりしていた。そこで、パレスチナのこと、人々が石つぶてを手に、植民地政策の暴力に抵抗したインティファーダのことや、シャティーラの4時間のことを勉強させてもらい、知ってはいた。でも、それから、しばらく、忘れていたのだ。時々、ニュースになるときに、顔をしかめて、心をくしゃくしゃにするくらいだった。
ミャンマーの軍事政権が若者を殺し始めた時だって、そうだ。辛くてたまらなかったけれど、ワタシは何もできなかった。
岡真理先生の言葉が、重く、響く。
そして、ワタシは、現在進行形の民族浄化が生起するずっと前に、イスラエル軍に一人、敢然と立ち向かい、パレスチナのために命を落とした、レイチェル・コリーと同い年だった。
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