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リファラルのススメ #5

100名規模かつ社内でのリファラル理解度はゼロからスタート、採用ターゲットとの繋がりが多い社員は多くないという会社でリファラル採用を進めるならということで記事をシリーズ化しました。「リファラル採用をはじめるけど何から手をつけようかな…」という方の思考の整理になれば幸いです。

前回は、社員のリファラル理解度を高めるためのツールをご紹介しました。

今回は、リファラルに貢献・協力してくれた社員をどのように称賛すべきかをまとめました。

リファラルにかかわらず、新しい制度を定着させようという場合には、積極的に協力をしてくれている社員に対して人事担当者が言葉だけで感謝をするだけでは足りません。会社として称賛をすることが必要です。

会社から感謝をすることで、協力社員は「また協力しよう」と思ってくれますし、そのほかの社員も「自分も協力できるかも」「自分の仕事だけで手一杯だったけどこれからは会社全体を考えられるようになりたい」という気持ちに変化してくれる可能性があります。

称賛すべき人はだれなのか?

自社でリファラルを行う場合に考えておきたいのが、「称賛すべき対象はだれか?」ということです。
多くの会社は、「候補者となる知人・友人を紹介してくれた社員」に「その候補者が採用された」タイミングで、何かしらの称賛をしています。

ここで考えておきたいのは、リファラル制度を促進するという点で貢献してくれた社員というのは候補者になり得る人を実際に会社に紹介できた人だけだろうか?ということです。

リファラルで貢献するというと、採用につながっただけでなく、以下のような活動も貢献していると言えます。

- 募集中の求人票を友人・知人にSNSやメールで送付する
- 会社の魅力づけになる採用メディアを友人・知人にSNSやメールで送付する
- リファラルイベントや人事個別面談に招待する
- 友人・知人を人事に紹介する
- 採用につながる紹介をする
- リファラル事例インタビューに応じる

見逃しがちなのが、紹介実績にはつながっていないがコツコツと求人票や採用メディアの記事を友人・知人に拡散してくれている社員です。
またリファラルは紹介してもらったら終わりでもなく、リファラル制度を活用して紹介した人・入社した人に事例インタビューをさせてもらうことで、さらなる啓蒙活動ができます。

その会社によって、称賛に値する人はさまざまです。リファラル推進をプロジェクト化するのであれば、プロジェクトメンバーももちろん称賛に値するでしょう。

やっていくうちになし崩し的に決めると称賛したり、しなかったりということがあり、思わぬ不満が生まれるのでスタート時にしっかり決めておくことがオススメです。

インセンティブは必要なのか?

わかりやすく貢献してくれた人に感謝を示すために、リファラル採用の成功報酬として、社員に報酬を出す企業は多いです。

成果に対するインセンティブは、社員のモチベーションを高めることができるので、どのような条件で支払うことになるのかを、リファラル採用の導入時にしっかり提示する必要がありますが、インセンティブ自体は前向きに検討しても良いでしょう。

ただしインセンティブを導入する場合には、以下のことに注意しましょう。

- 基本的に違法にはならないが、職業安定法40条によると、労働者の募集を行う社員に対して報酬を与えることは禁止
- 人材紹介業を行っていると勘違いされるような高額な報酬設定はしない
- 就業規則や賃金規定に報酬を明記が必要

インセンティブを設定するために、「だれに・いつ・いくら」払うというのをきっちり決めておくのがポイントです。

▼具体的な設定ノウハウはMyReferさんの記事がオススメです。

ゲーム要素をいれたインセンティブ制度もオススメ

インセンティブというと、採用につながった場合の成果報酬をイメージしてしまいますが、前述したように貢献の仕方は人それぞれです。

まずは興味をもってもらうという視点でゲーム要素を取り入れたインセンティブの制度もオススメです。

例えば、インセンティブを現金からポイント制に変更し採用ポジション活動内容ごとに決められたポイントを貯めていくと、好きなことに使えるなどです。

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注力ポジションの紹介はポイントを2倍にするなどすれば、社員にも会社が力をいれているところが明確です。

報酬の例としては、

30pt:ハーゲンダッツ引換券
39pt:高級ランチ ●円分
50pt:高級ディナー ●円分
100pt:ディズニーリゾートペアチケット
300pt:ハワイ旅行券 
●円分

などなど、働いている社員にどんな報酬があると嬉しいか事前にアンケートをとって設定するのが一番良いでしょう。可能であれば報酬となるサービスを提供する他企業と連携するのもオススメ。

あまりに個々人がリファラルに対して積極的ではなく、盛り上がりにかけそうな場合はチーム戦にするということも有効でしょう。

最大の難関:活動内容の可視化

称賛すべき対象者や報酬制度に工夫が必要なのは当然というにしても、最大の難関は「正しい効果測定」をどうするか?だと思います。

誰が、どんな協力活動を、いつ、したのか?

ゲーム要素を取り入れて、ポイント制にするとなれば、ますます正しい効果測定が必要です。

特に「募集中の求人票を友人・知人にSNSやメールで送付する」「会社の魅力づけになる採用メディアを友人・知人にSNSやメールで送付する」というフェーズで実際に紹介に漕ぎ着けていない協力は、可視化しづらいです。

●●さんは、求人票が出るたびに毎回、友人にSNS配信してくれている「らしい」では、制度として破綻してしまいます。

性善説に基づいて自己申告制にするか?それでは不安だからとSNSの履歴を添付して提出してください、という風にいちいち全て確認するのもめんどくさい。

結論から言うと、本当に正しく計測・可視化をするならリファラル支援ツールを導入するのがオススメですが、それなりにツール導入や利用料がかかるので、「リファラルの理解度が低い社内でいきなり導入して、うまく使ってもらえなかったらどうしよう?」というのも正直あります。

いきなりツール導入が難しい場合は、プロジェクトチーム内でスモールスタートして、ポイントの貯め方や、効果測定方法などを調整していき、リファラルの定着がスムーズにいく方法を探りましょう。

20数名程度のプロジェクトであれば、送付履歴のチェックなど不可能ではありませんから、リファラルがどのくらい動くかの指標を取っていくことでツール導入の武器になります。
本気でツール導入したい場合は、費用対の計算など採用予算シュミレーションの提示とプロジェクトでのプレ制度の実績で経営層を説得しましょう。


称賛の方法は、上記のようなお金やモノに関わるものだけでなく、表彰という手段も有効です。
Qごとや1ヶ月ごとに誰が、どのくらい、リファラル採用に貢献したかを社長や役員自ら表彰することで、承認欲求を満たすことにも繋がり、会社に対する愛社精神の向上にも繋がるでしょう。
新しい制度・文化の定着のためには、些細なことでも褒め称えるということを心がけてみてください。


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