るいざ・しゃーろっと

井の頭公園に住む越境派エルフ。言葉で物語を綴りながら、駅前の居酒屋さんのおでんとおでん…

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井の頭公園に住む越境派エルフ。言葉で物語を綴りながら、駅前の居酒屋さんのおでんとおでんの出汁割り、牛すじの味噌煮込みとバター飯、MentaiButterUdonSharpをこよなく愛する。実はエルフの森の王女の生まれではあるが、完全にただの文士になっている……は全て詐欺です。

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井の頭公園の無頼派エルフ、るいざ・しゃーろっとの創作活動を支えていくプランです。 小説や評論など、興味ある人のための文章を書いていく予定です。 有料版ではディープな設定やこぼれ話を投稿する予定です。 もしよかったら、支えてください。

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Virtual Market 2023 Winter Information

What's this?This is information about the Virtual Market 2023 Winter, which will be held from December 2, 2023, to December 17, 2023. What is Inokashira literary club? This is a literary creation circle led by Louisa-charlotte Inokasirasi

    • 「越境主義」宣言

       おはようございます。井の頭公園のエルフ、るいざ・しゃーろっとです。期間が開きましたが、最近あることに気付かされたので私の考えと立ち位置を明確にしたいと思います。  これまで、私は「無頼派」と自己規定をしていましたが、先日、とあることをきっかけに私は「無頼派」のことをあまり理解せずに表象だけに注目しつつ、「無頼派」とは違う方向を思考していたことに気がつかされました。そのことに気付いたことをきっかけに、今の私の考え方や目指す方向等を軽く模索してみました。  これからは、私の

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      • 私の夢

        前置きこの作品は今後投稿される『一年間の思い出を』の後の話になります。 本文 冬の中山競馬場は「夢」を求める者たちで溢れていた。今日は、有馬記念の日だ。このレースは人気投票で出走馬を決めるという一風変わった方法がとられている。そして、世界で最も馬券が売れるレースでもある。今年の競馬は漆黒の天才・イクイノックスを軸に回っていた。だが、そんな彼もターフにはいない。前走のジャパンカップを以て現役を引退したのだ。そんな彼相手に玉砕覚悟の大逃げを挑んだパンサラッサも引退するという。そ

        • VKetReal三題噺

          前置きバーチャルマーケットリアル2023Winter シブハラで行った、リアルタイム三題噺執筆イベントです。こちらでは二編書きました。 遅れてきたクリスマスお題 ひとりぼっちのクリスマス(@KGHT_2 さん) 食事(@E_M_mcpe さん) 遅刻(@zumiandzumi さん) 本文  私のスマホが鳴る。  彼からの、電話。彼のお仕事は、今忙しいって。今日も、残業だって……。  今日は、クリスマスなのに。しかも、一緒に食事って、レストランを予約していたの

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        記事

          津軽

          本文 世界には、まだまだ多くの「壁」がある。そして、そこに「卵」は容赦なく投げられている。ウクライナ、イスラエル、パレスチナ……。多くの人が苦しめられ、そして命を失っている。それだけではない。「仲間」か否かを分ける「壁」も多くある。それが、仮想世界のコミュニティにおいても。  それは昨年の九月二十五日だった。私が初めて参加したイベントで紹介された、長く顔なじみだったイベント。そのイベントの終わりが、翌月に控えていた。そして、その日、私は打ちひしがれた。二週間の仮想学園生活、

          アレ

          前置き2023年の阪神タイガース日本一を祝って開かれた「バーチャル道頓堀でダイブしよう集会」のレポート小説です。 本文起  近頃、周りで流行っている言葉がある。  そう、「アレ」だ。  そんな言葉、ただの指示代名詞と思ったあなたはおそらくは正しい。文法上は特定のものを指し示すに過ぎない言葉なのだから。  だが、世の中には言霊がいるのだ。言ってしまうと遠ざかってしまう言葉。それを代わりに指し示す言葉こそ、「アレ」なのだ。周りで語られている「アレ」が指すものとは、とある

          夏の縁

          本文 今にも泣き出しそうな雲が、空に浮かんでいる。  今日は、待ちに待ったコミケの本番だ。このイベントは日本中だけではなく、海外からも多くの人が同人誌を求めてやってくるのだ。そのために、作る側も、必死で本を作る。この同人作家たちの中から商業でも活躍するクリエイターが多く出ているという、そんなイベントだ。  この日のために、私たちは魂削って本を作っていた。私のシナリオに、カリンの漫画。印刷所に入稿が完了したのは、札幌に行く前の日だった。ラスクたちの結婚式からその日まで、全力

          北海紀行

          本文一日目 七月二十六日  私たちを乗せた飛行機は、夏の新千歳空港にたどり着いた。蒼々とした真夏の空は、茹だるような東京の日差しとはまた違うのだ。彼のふるさとである札幌まで、まだしばらくかかるだろう。  昨日、印刷所から無事に入稿完了の電話が届いた。この一月の間、私とカリンは夏のお祭りに向けた新刊の原稿作業に熱中していた。もちろん飛行機とかも予約していたから、〆切までに書き上げるつもりで書いていたのだ。この仕事が報われて良かったのだ。その労いも兼ねて、カリンと一緒に札幌へ

          桜桃忌

          本文 男の言葉が、まだ耳に残っている。  男が叫んだ、こっちに、来るなという言葉だ。あの男が太宰治だとすると、こっち、というのは死後の世界になるのだろうか。まさか、私は死に魅了されているというのだろうか。 「本当に、疲れているようね……」  私のベッドの横で、ラスクが心配したような口調で語りかける。ここ数日前までは元気だったはずなのに、二回も出先で倒れるというのが信じられなかった。おとといは万助橋の玉川上水で倒れ、昨日はここねの駅伝の応援に行って倒れたのだ。あれから医者に行っ

          私のダンナに「カワイイ」を

          前置き作中では「金曜日」に起こったことになっていますが、ほぼ時を同じくして起こっている『北海紀行』では木曜日の出来事です。日付設定のミスはご容赦ください。 本文 彼は私の幼なじみ。幼いときから、ずっと隣にいた彼。小学生の時に私がいじめられそうになったときにいじめっ子に立ち向かってボロボロにされたり、高校生になってもいろいろと失敗していていろいろとおっちょこちょいだった。だけど、あの日井の頭公園で倒れてから、彼は大人になった気がする。草津温泉で荷物を持ってくれたり、倒れたエル

          私のダンナに「カワイイ」を

          こっちに、来るな

          本文 カーテンを開けると、輝かしい宝石が窓から飛び込んできた。朝の光だ。  昨日の結婚式、私の手の中にブーケは飛び込んできた。その時私は幸せになってよいものかと苦悩していたが、その夜自宅に帰った私はカリンに後ろから抱きとめられたのだ。  私は、人を愛せるのだろうか。私は、人を幸せにできるのだろうか。そう思っていると夜も眠れなかったのだ。そのせいか、未だに目は冴えないのだ。  かぐわしい香りが鼻の奥をくすぐる。カリンが、コーヒーを淹れてくれたのだ。私はお砂糖もミルクも入れぬまま

          ブーケ、舞う

          本文  心地よい音楽と薫り高いコーヒー。極上の空間で、極上の時間を。  私はエルフといえども公園の中に住んでいるわけではなく、井の頭公園駅の近くのアパートの一室を借りて住んでいるわけだが、来客が訪れてくるまでの間に隠れ家のような喫茶店で心静かに思いをめぐらしていたところなのだ。チーズケーキの最後の一口を味わうように食べる。これがまたコクがあっておいしいのだ。そしてコーヒーを口に運ぶと深めに炒られたコーヒーの香りが口の中に広がる。レコードから流れるジャズ音楽も心地よい。だが、時

          君の笑顔でも治らない病

           ゴールデンウィークも過ぎてしばらく経った五月の日曜日、井の頭公園のラスクちゃんの話を書き上げた私はいつもの友人である竜神様といつもの居酒屋に向かっていた。竜神の娘は見た目は若そうに見えるが、今度はしっかり大人びた服装で現れている。 「お待たせっ。お、原稿、できたのかな?」  この地の守護神であり大家である彼女の頼みとあっては、私も書かない訳にはいかないのだ。普段は筆の遅い私だが、その時は寝食を忘れて一週間ぐらいでこの話を書き上げてしまったのだ。その時の原稿を見てもらおうと、

          君の笑顔でも治らない病

          井の頭公園のラスクちゃんはお砂糖とお塩でできている

          前置きある意味私を代表する作品かもしれません。 この作品が描かれた背景についてはこの記事をお読みいただけると助かります。 なお、2024年1月21日(日)のモノガタリ交流会にてこの作品を発表させていただきました。その際のスライドはこちらです。 本文 私の友人が、興味深い話を持ってきた。普通の少女のように見えるが、この井の頭公園の池の竜神の娘であり、エルフである私にとっては大家と言える存在である。そんな彼女と私はよく酒を酌み交わす仲で、つい先日一杯引っかけようと井の頭公園

          井の頭公園のラスクちゃんはお砂糖とお塩でできている

          壁を越えるのが、私の夢!

          前置きこの作品はFM言ノ葉の「第6回 きっとあなたの1400字」という企画に投稿した作品となります。 それと共に、第4回 VRメモフラワークショップにて、私自身をモチーフに書き上げた自伝的作品になります。 そして、『井の頭公園のエルフの物語』の記念すべき第1作になります。 本文 この私に、生きる価値はあるのだろうか。  何度も失敗しては何度もリセットして、たどり着いたのはVRの世界。外見もリアルの肩書きも気にせずに交流できるこの世界は、私にとっては私が私らしくいられる

          壁を越えるのが、私の夢!

          佯狂者

          前置きこの作品はFM言ノ葉の「第8回 きっとあなたの1400字」という企画に投稿した作品となります。 なお、以下の記事も実はふまえていたりします。 本文 あと、我が家までもう少しだ。  今日も一日の勤めを終え、自宅の最寄り駅で電車を降りる。上司に叱られてばかりの毎日が早く終わってくれると良いのだが、なかなか終わりそうも無い。何かできることがあればよいと思いつつも、一日一日が過ぎてゆく。帰ったらパンを食べて、シャワーを浴びて、寝ようか。そう思っていた。  そんな駅のホームに