るいざ・しゃーろっと

井の頭公園に住む越境派エルフ。言葉で物語を綴りながら、駅前の居酒屋さんのおでんとおでん…

るいざ・しゃーろっと

井の頭公園に住む越境派エルフ。言葉で物語を綴りながら、駅前の居酒屋さんのおでんとおでんの出汁割り、牛すじの味噌煮込みとバター飯、MentaiButterUdonSharpをこよなく愛する。実はエルフの森の王女の生まれではあるが、完全にただの文士になっている……は全て詐欺です。

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井の頭公園の無頼派エルフ、るいざ・しゃーろっとの創作活動を支えていくプランです。 小説や評論など、興味ある人のための文章を書いていく予定です。 有料版ではディープな設定やこぼれ話を投稿する予定です。 もしよかったら、支えてください。

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    ぶいちゃの様々なことを書いた日記です。

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    井の頭公園駅とそのまわりを舞台とする、現実と別の現実、そして日本と世界が交差するお話。

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    VRChatで公開している作品やその設定など、VRChat関連の創作をまとめた物です。 不定期更新で思い立ったら作品を公開していきます。

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Virtual Market 2023 Winter Information

What's this?This is information about the Virtual Market 2023 Winter, which will be held from December 2, 2023, to December 17, 2023. What is Inokashira literary club? This is a literary creation circle led by Louisa-charlotte Inokasirasi

    • VKetReal 2024 Summerごあんない

      はじめに ぎりぎりまでかかっているじゃないかというツッコミはおいておいて、本日VketReal 2024 Summerに参加します。  秋葉原会場、A-21「井の頭文芸部」に参加します。 会場はTKPガーデンシティPREMIUM秋葉原の3階です。 お品書きお品書きは以下の通りです。  VRCAcademy キャンパスパンフレット本ですがこちらは所属している「学生」は学割で700円になります。 キャッシュレス決済について キャッシュレス決済は、以下の3種類が利用できる見

      • 冬の祝祭

        はじめに一・前日譚 夏の祝祭から、四ヶ月が経った。早いことに、もう年末である。年末にはブイケットリアルをはじめとして様々なお祭りがあったが、このコミックマーケットこそ一番規模の大きなお祭りである。様々なジャンルの同人誌や同人ソフト、グッズやコスプレの写真集など様々なものが頒布される、規模の大きなお祭りだ。初日はメタバース島があるとのことで応募してみたところ、見事にブースの抽選に通ったのだ。といっても、ブイケットリアルで本を完売させてしまっている。目算を、間違えた。どうしようか

        • 一年間の思い出を

          二〇二三年十二月十二日(火) 涙を呑んだ菊の季節から、もう一年と数ヶ月が経った。あれから、私はいろいろと活動を始め、様々な人たちと親交を結んでいる。それに、やりたいこともいろいろと増えてきた。おかげで、幾人からいくつかの仕事をさせてもらえるようになったのだ。それらの仕事を片付けなければと思っている。新しい学び舎の開校もあった。その縁で、週末のブイケットリアルに参加する予定なのだ。土曜日のみの参加であるが、日曜日には私が本を出すことになっている。今日は、その本が届く日なのだ。だ

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          序 これは、ペンと絵筆を奪われてもなお栄光を語ることをやめなかった不屈の詩人と、その志を受け栄光を語り継ぐ者たちの物語である。  彼らの不屈の闘志は今なお彼らの子孫たちが味わうことになってしまった苦しみに果敢に抵抗し続けるための勇気を与えている。  願わくば、彼らとその子孫たちに栄光がまたもたらされることを、心から祈る。 前編 詩人の嘆き もう、私は長くはあるまい。屈辱の逮捕からもう十四年が経とうとしていた。あの時、逮捕された私は「ペンも絵筆も執ってはならぬ」と命じられ

          かぐやよ、聞いてくれ

          前置き この作品はFM言ノ葉の「第9回 きっとあなたの1400字」という企画に投稿した作品となります。 本文  月からの、声を待っている。  探査機は、着陸に成功した。しかし、太陽電池パネルが、太陽を捉えなかった。バッテリーが切れると、探査機は活動を停止するのだ。そして、実際に、止まった。また日が当たれば、電源は入るかもしれない。その時に、シグナルを送ってみよう。そう思ったときだ。頭の中に、前世の記憶が蘇ったのだ。  私は、とある女性に恋をしていた。あまりにも、美しく

          かぐやよ、聞いてくれ

          「越境主義」宣言

           おはようございます。井の頭公園のエルフ、るいざ・しゃーろっとです。期間が開きましたが、最近あることに気付かされたので私の考えと立ち位置を明確にしたいと思います。  これまで、私は「無頼派」と自己規定をしていましたが、先日、とあることをきっかけに私は「無頼派」のことをあまり理解せずに表象だけに注目しつつ、「無頼派」とは違う方向を思考していたことに気がつかされました。そのことに気付いたことをきっかけに、今の私の考え方や目指す方向等を軽く模索してみました。  これからは、私の

          私の夢

          前置きこの作品は今後投稿される『一年間の思い出を』の後の話になります。 本文 冬の中山競馬場は「夢」を求める者たちで溢れていた。今日は、有馬記念の日だ。このレースは人気投票で出走馬を決めるという一風変わった方法がとられている。そして、世界で最も馬券が売れるレースでもある。今年の競馬は漆黒の天才・イクイノックスを軸に回っていた。だが、そんな彼もターフにはいない。前走のジャパンカップを以て現役を引退したのだ。そんな彼相手に玉砕覚悟の大逃げを挑んだパンサラッサも引退するという。そ

          VKetReal三題噺

          前置きバーチャルマーケットリアル2023Winter シブハラで行った、リアルタイム三題噺執筆イベントです。こちらでは二編書きました。 遅れてきたクリスマスお題 ひとりぼっちのクリスマス(@KGHT_2 さん) 食事(@E_M_mcpe さん) 遅刻(@zumiandzumi さん) 本文  私のスマホが鳴る。  彼からの、電話。彼のお仕事は、今忙しいって。今日も、残業だって……。  今日は、クリスマスなのに。しかも、一緒に食事って、レストランを予約していたの

          津軽

          本文 世界には、まだまだ多くの「壁」がある。そして、そこに「卵」は容赦なく投げられている。ウクライナ、イスラエル、パレスチナ……。多くの人が苦しめられ、そして命を失っている。それだけではない。「仲間」か否かを分ける「壁」も多くある。それが、仮想世界のコミュニティにおいても。  それは昨年の九月二十五日だった。私が初めて参加したイベントで紹介された、長く顔なじみだったイベント。そのイベントの終わりが、翌月に控えていた。そして、その日、私は打ちひしがれた。二週間の仮想学園生活、

          アレ

          前置き2023年の阪神タイガース日本一を祝って開かれた「バーチャル道頓堀でダイブしよう集会」のレポート小説です。 本文起  近頃、周りで流行っている言葉がある。  そう、「アレ」だ。  そんな言葉、ただの指示代名詞と思ったあなたはおそらくは正しい。文法上は特定のものを指し示すに過ぎない言葉なのだから。  だが、世の中には言霊がいるのだ。言ってしまうと遠ざかってしまう言葉。それを代わりに指し示す言葉こそ、「アレ」なのだ。周りで語られている「アレ」が指すものとは、とある

          夏の縁

          本文 今にも泣き出しそうな雲が、空に浮かんでいる。  今日は、待ちに待ったコミケの本番だ。このイベントは日本中だけではなく、海外からも多くの人が同人誌を求めてやってくるのだ。そのために、作る側も、必死で本を作る。この同人作家たちの中から商業でも活躍するクリエイターが多く出ているという、そんなイベントだ。  この日のために、私たちは魂削って本を作っていた。私のシナリオに、カリンの漫画。印刷所に入稿が完了したのは、札幌に行く前の日だった。ラスクたちの結婚式からその日まで、全力

          北海紀行

          本文一日目 七月二十六日  私たちを乗せた飛行機は、夏の新千歳空港にたどり着いた。蒼々とした真夏の空は、茹だるような東京の日差しとはまた違うのだ。彼のふるさとである札幌まで、まだしばらくかかるだろう。  昨日、印刷所から無事に入稿完了の電話が届いた。この一月の間、私とカリンは夏のお祭りに向けた新刊の原稿作業に熱中していた。もちろん飛行機とかも予約していたから、〆切までに書き上げるつもりで書いていたのだ。この仕事が報われて良かったのだ。その労いも兼ねて、カリンと一緒に札幌へ

          桜桃忌

          本文 男の言葉が、まだ耳に残っている。  男が叫んだ、こっちに、来るなという言葉だ。あの男が太宰治だとすると、こっち、というのは死後の世界になるのだろうか。まさか、私は死に魅了されているというのだろうか。 「本当に、疲れているようね……」  私のベッドの横で、ラスクが心配したような口調で語りかける。ここ数日前までは元気だったはずなのに、二回も出先で倒れるというのが信じられなかった。おとといは万助橋の玉川上水で倒れ、昨日はここねの駅伝の応援に行って倒れたのだ。あれから医者に行っ

          私のダンナに「カワイイ」を

          前置き作中では「金曜日」に起こったことになっていますが、ほぼ時を同じくして起こっている『北海紀行』では木曜日の出来事です。日付設定のミスはご容赦ください。 本文 彼は私の幼なじみ。幼いときから、ずっと隣にいた彼。小学生の時に私がいじめられそうになったときにいじめっ子に立ち向かってボロボロにされたり、高校生になってもいろいろと失敗していていろいろとおっちょこちょいだった。だけど、あの日井の頭公園で倒れてから、彼は大人になった気がする。草津温泉で荷物を持ってくれたり、倒れたエル

          私のダンナに「カワイイ」を

          こっちに、来るな

          本文 カーテンを開けると、輝かしい宝石が窓から飛び込んできた。朝の光だ。  昨日の結婚式、私の手の中にブーケは飛び込んできた。その時私は幸せになってよいものかと苦悩していたが、その夜自宅に帰った私はカリンに後ろから抱きとめられたのだ。  私は、人を愛せるのだろうか。私は、人を幸せにできるのだろうか。そう思っていると夜も眠れなかったのだ。そのせいか、未だに目は冴えないのだ。  かぐわしい香りが鼻の奥をくすぐる。カリンが、コーヒーを淹れてくれたのだ。私はお砂糖もミルクも入れぬまま