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【新型コロナ】世界経済フォーラムの唱える「グレート・リセット」と新世界秩序

まずはじめに紹介すると、世界経済フォーラム(WEF)というのは、以下のような組織になります。

世界経済フォーラム(WEF)は、経済、政治、学究、その他の社会におけるリーダーたちが連携することにより、世界、地域、産業の課題を形成し、世界情勢の改善に取り組むことを目的とした国際機関。1971年に経済学者クラウス・シュワブにより設立された。スイスのコロニーに本部を置き、同国の非営利財団の形態を有している。
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そのWEFがコロナ禍で掲げるスローガンが「グレート・リセット」という言葉です。
そのコンセプトはこのようなもの。

新型コロナウイルス感染拡大の危機による直接的な影響を乗り越えるため、世界中のステークホルダーの連携が求められています。世界の状況を改善するため、世界経済フォーラムは「グレート・リセット」イニシアティブを始動します。
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WEFは毎年「ダボス会議」と呼ばれる年次総会をスイスのダボスで行っていますが、2021年のテーマは「グレート・リセット」でした。

その会議に先立って「仕事のアジェンダの未来をリセットする:コロナ後の世界における遮断と刷新」というプレスリリースが発表されています。

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この中では、2030年までの社会で起こる(起こそうとしている)「リセット」について語られていますが、その中で、私たちが従事する仕事で起こりうる「リセット」については以下のようにあります。

・デジタル化された作業プロセスの加速。すべての作業プロセスの84%がデジタル、または仮想/ビデオ会議となる。

・約83%の人がリモートで作業するようになることを計画されている。「絶対的な社会的距離」と「人と人との接触の分離」を行う。

・すべてのタスクの約50%が自動化される予定。仕事を行う人の数の徹底的削減。

・新しいスキルのトレーニングの42%がデジタル化される。すべてコンピュータ、人工知能(AI)、アルゴリズムで行われる。

・進行中の組織変革(リストラなど)を加速する。現在の組織設定の34%が「再構築」される予定。新しい一連の組織フレームワーク、デジタル用のスペースが確保される。


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一言でまとめれば、これまで人が行ってきた作業やスキルをコンピュータや AI が補うようになるということです。

また、「絶対的な社会的距離」と「人と人との接触の分離」とあるように、人と人とのコミュニケーションを減らす、という方向性も示されています。

「貧困大国アメリカ」「政府は必ず嘘をつく」などの著書でも知られる堤未果さんによるグレート・リセットの解説を見つけました。とても分かりやすくまとまっていると思います。

堤さんの解説はどこも聞き逃せないところばかりなのですが、一番大きなポイントは以下じゃないでしょうか。

「アフターコロナというのは全てAIに置き換わるから人間必要なくなる
最終的に必要なのは1%のステークホルダーだけ」

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これは、WEFのクラウス・シュワブ会長が著書の中で主張していることなのですが、ここ数年のAIの進歩や関連する報道を見ていると、あながち誇張とも言えない気がしています。

こちらがそのWEFシュワブ会長の著書です↓


▼世界経済フォーラムがかかげる2030年までの目標

さらに、WEFは「2030年までの世界」のシナリオも描いています。そのために、以下のプロモーション動画のようなものも作っています。

1. 人々は何も所有しない。物品は無料であるか、あるいは国から貸与されなければならない。
(→ベーシックインカムかな?)

2. アメリカはもはや主要な超大国ではなく、少数の国が支配するだろう。(→すでに中国が世界1位になることはIMFも予測、覇権の多極化は確実)

3. 臓器は移植されずに印刷される。
(→3Dプリンターで出来たらすごいですよね)

4. 肉の消費は最小限にまで抑制される。
(→ヴィーガンや菜食、果ては昆虫食までがサステナブルとして喧伝されています)

5. 人々の大規模な移動により、数十億人の難民が発生する。
(→戦争、あるいは大規模な天災がおこるか)

6. 二酸化炭素排出を制限するために、価格は世界的に法外なレベルに設定される。
(→気候変動対策として、化石燃料は完全に悪者にされています)

7. 人類は火星に行き、エイリアンの生命を見つけるための旅を始める準備をすることができる。
(→2022年、火星に大量の水が見つかりましたね)

8. 西側世界の価値は限界点までテストされるだろう。
(→民主主義より全体主義国家が優れているという刷り込み)

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これらのうち、もっとも社会に大きな変化をもたらすものは1. の「 2030年までに私有財産を廃止する」でしょう 。WEFは私有財産を認めない共産主義にも近い社会を理想像としてかかげていることがうかがわれます。

また、WEFは「2020年の新興テクノロジートップ10」として、世界を変えるインパクトを持つ技術を発表しています。

その中で発表されているのは、以下のような技術です。

1. 痛みのない注射と検査を可能にするマイクロニードル
2. 太陽エネルギーを利用した化学
3. バーチャルペイシェント (シミュレーション上の患者)
4. 空間コンピューティング
5. デジタル医療
6. 電動航空機
7. 低炭素セメント
8. 量子センシング(人間の脳の動きを含めて多くをモニタリングできる感知技術)
9. グリーン水素
10. 全ゲノム合成

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すでに研究開発が進められているからこそ発表できるわけですが、例えばワクチン接種などには1. のマイクロニードルが応用できそうですし、10. のゲノム合成などは、コロナウィルスの研究を2000年代前半から行ってきたバリック博士などの科学者が進めている研究にも近いのでしょうね。

例えば、5. のデジタル医療と、8.の量子センシングをマッチングさせれば、人間の体内の状態をデジタルデバイスでスキャンするなどの組み合わせも可能になるでしょう。

そして、量子センシングで人が考えていることさえもモニタリング可能となってしまえば、プライバシーも何もなくなってしまう懸念も感じます。

ちなみに、以下の動画はシュワブ会長が、マイクロチップを最初は服に埋め込み、次は脳と皮膚に埋め込む可能性について語った2016年のものです。それから6年が経ち、技術はどれほど進歩したのでしょうね。

▼私有財産とプライバシーをも超える全体利益

私有財産の廃止に加え、「プライバシー廃止」の可能性もうかがわれるWEFの構想については、海外で懸念も上がっています。

オーストリアの政治経済分析組織「ミーゼス研究所」の記事では以下のようなことが語られています。そのままの論調ですと、とてもネガティブに書かれているので、ポジティブな側面も補足します。

新しい全体主義サービス経済では、政府が基本的な宿泊施設、食事、交通手段を提供し、残りは国から貸与されなければならない。
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市民は交通機関、宿泊施設、食べ物など日常で必要なものが無料になるため、財産を多く持つことは意味がないことになる。家の個人所有権も廃止されるため、家賃を払うことも無くなる。

そうなれば、お金を稼ぐ必要がなくなるので労働時間は短くなり、余暇は長くなる。

・すべての個人的な動きは電子的に追跡され、すべての生産はクリーンエネルギーと持続可能な環境の要件の対象となる。

・天然資源の使用は最小限に抑えられる。いくつかの主要国と協力して、グローバル機関は CO 2 排出の価格を非常に高いレベルに設定し、その使用を阻害する。

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2030年までにCO 2排出量が大幅に削減されるため、現在よりも水と空気がはるかにきれいな世界に住むことができるようになる。

「持続可能な農業」を実現するために、食糧供給は主に菜食となる。
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肉や乳製品の代わりに、植物ベースの代替品が提供されるようになる。そのため、動物飼料を生産するため土地は大幅に減って、世界中に自然が戻ってくる。
このような理想の世界を実現するために、どうやって人々を導くべきなのか。研究所が上げている手法は、

・大衆を誘惑するための餌は、包括的なヘルスケアの保証と、保証された基本収入だ。

・グレートリセットのプロモーターは、病気のない世界を約束する。生物工学的に作られた臓器と個別化された遺伝学に基づく医療により、平均余命が大幅に伸び、さらには不死になる可能性があると言われている。

・「ベーシックインカム」の約束は、特に新しいデジタル経済で仕事を見つけることができなくなった人々にとって非常に魅力的だ。これは、貧困層の人々の支援を得るための餌として使われる。

・ベーシックインカムの保証は賃金格差の平準化を必要とするだろう。国からの送金の技術的手続きは、キャッシュレス社会を促進するために使用される。

・すべての金銭取引のデジタル化により、個々の購入が登録される。結果として、政府当局は、個人がどのようにお金を使うかを詳細に監督するための無制限のアクセス権を持つことになるだろう。

・キャッシュレス社会におけるベーシックインカムは、社会信用システムを課し、望ましくない行動を制裁し、不必要で望ましくないものを特定するメカニズムを提供するための条件を与えるのだ。


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最近、日本でも竹中平蔵氏が主張し始めた国民への7万円の「ベーシックインカム」配布や、ワクチン接種や銀行口座をマイナンバーカードに紐付けようという提案は、まさにこの流れに沿ったものと言えるのではないでしょうか。

WEF創設者で「グレート・リセット」構想の発起人であるシュワブ氏は、この計画がコロナ禍に陥った世界を救い、より良い世界を作ると主張していますが、そのロールモデルとなるのは脱コロナを成し遂げた中国かもしれません。

シュワブ氏は2017年1月10日に、中国国営の新華社通信とのインタビューで以下のようにも述べているのです。

国家戦略の実行を通じて新技術の発展とイノベーションを推進する中国政府の「先見性」を称賛し、反グローバリズムや保守主義の風潮を抑える上で、中国政府がグローバルリーダーとして重要な役割を果たすことを期待すると述べた。
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これらのWEFの壮大な構想について大きな問題だと思うのは、この理想の世界(新世界秩序)へ人類を導いていく意思決定者はいったい誰なのか・・・?という点ですね。

WEFや少数の政府・国際組織・グローバル企業が、一般市民の知らないところで財産やプライバシーの廃止を計画しているというのは、民主主義社会の理念から恐ろしく離れた行為ではないでしょうか。

個人の自由や幸福の追求という価値観を無視して、彼らが良しとする「人類にとっての全体利益」を実現するために、最新テクノロジーを一般市民を管理するツールとして使おうとしている、そのようにも感じてしまいます。

▼「2050年までに、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現」するムーンショット計画

もちろん、日本でも水面下でこうしたWEFに動きに同期した計画が進んでいます。
その名前を「ムーンショット計画」と言いまして、昨年コロナ禍で緊急事態宣言出された5月に内閣府のホームページで公開されています。

その計画の目標とされているのが、以下のようなものです。

<2030年まで>

・望む人は誰でも特定のタスクに対して、身体的能力、認知能力及び知覚能力を強化できる技術を開発し、社会通念を踏まえた新しい生活様式を提案する。

・1つのタスクに対して、1人で10体以上のアバターを、アバター1体の場合と同等の速度、精度で操作できる技術を開発し、その運用等に必要な基盤を構築する。

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<2050年まで>

・複数の人が遠隔操作する多数のアバターとロボットを組み合わせることによって、大規模で複雑なタスクを実行するための技術を開発し、その運用等に必要な基盤を構築する。

・望む人は誰でも身体的能力、認知能力及び知覚能力をトップレベルまで拡張できる技術を開発し、社会通念を踏まえた新しい生活様式を普及させる。

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この中で登場するアバターは「サイバネティック・アバター」と呼ばれ、人間の代わりになるロボットや3D映像等を示すアバターに加えて、人の身体的能力、認知能力及び知覚能力を拡張するICT技術やロボット技術を含むのだそうです。

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そして、ムーンショット計画が目指す社会としては以下のようなことが語られています。

・人の能力拡張により、若者から高齢者までを含む様々な年齢や背景、価値観を持つ人々が多様なライフスタイルを追求できる社会を実現する。

・サイバネティック・アバターの活用によってネットワークを介した国際的なコラボレーションを可能にするためのプラットフォームを開発し、様々な企業、組織及び個人が参加した新しいビジネスを実現する。

・空間と時間の制約を超えて、企業と労働者をつなぐ新しい産業を創出する。

・プラットフォームで収集された生活データに基づく新しい知識集約型産業やそれをベースとした新興企業を創出する。

・人の能力拡張技術とAIロボット技術の調和の取れた活用により、通信遅延等にも対応できる様々なサービス(宇宙空間での作業等)が創出される。

どうやら、人の能力拡張技術とAIロボット技術の調和の取れた活用といったことを目標としているようですが、WEFの2030年目標とこれを合わせて読んでみて、皆さんはどう思われるでしょうか?

NTTドコモも6G技術を使った人間拡張工学の研究の取り組んでいるそうです。このCM動画では「スキルをダウンロードする」ことにも触れていますよ。

昨年以来、コロナ感染を防ぐためと称して、私たちはこれまでにないレベルで社会的な制限・変化を強制され続けています。政府から合理的な説明もないままに。

しかし、1年がたち2年がたってその生活にも馴染んできたのでしょうか。根拠があやふやなまま始められた「新しい生活様式」と名付けられた自粛政策も、いまや日本社会にすっかり浸透したように思われます。

営業自粛の要請に従わない者、
マスクを着用しない者、
大勢で会食をする者。

少しでもお上が決めた(要請にとどまっていますが)ルールに反する人がいれば、マスコミや一般市民までがリアルでもネット上でも総力を上げてバッシングを行うまでなっていますね。

少しずつではありますが、私たちはWEFが説いているような「個人よりも全体利益を優先する社会」へと順応させられている途中経過にあるのかもしれません。
目に見えないウィルスへの恐怖心につけ込まれて。

▼関連するツイート


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