最果タヒ1808

最果タヒ詩集「空が分裂する」ようやく読了。

最果タヒ「空が分裂する」ようやく読了。
150ページかそこらの詩集を読むのに何ヶ月※かかってんだーっ!って言われそうですが、ハイそうなんですとお答えするしかございません笑
(※:確認したら約一か月でした。)

最果タヒの詩に触れたのは、何年か前にジュテ※さんが、吉祥寺のクワランカカフェさんか大塚のヴィノケイさんのオープンマイクで読んでたのを聞いたのが最初だった。
(※:ジュテーム北村氏/朗読パフォーマー)

言葉の選び方や、イメージ同士のぶつけ方・飛ばし方が良いなと思って。

で、これで彼女の2冊の詩集を読んだわけなんだけど。
いずれも読み始めには、最初の印象通りある程度気持ち良く読めるんだけど、読み進めてるうちに言葉が入って来にくくなり、特に長めの詩が出てくると難儀してしまう。
で、彼女と僕の間にある、時代や性別や年齢の違いが露わになってきちゃって、イメージの中に中々入り込めなくなり。
時間を置いて読みかけのものを遡ってキリのいいとこから又読み直す、の繰り返しになり、読み進むのに時間が…笑。

そもそも僕にとって詩って、読むものでなく聴くものなので、詩集って苦手だったりする。すんなり読める詩集って町田康くらいなんだよね。

そんなんで何ヶ月もかけて読み終えたこの詩集、「あとがき」を読んで、読みにくさについての理由が腹落ちした。
それは、彼女が持つ「同じである」ことへの違和感と拒否。それっておこがましいけどン十年前の十代だった僕がずっと感じてたことだよ笑。その感覚はいまだにある。でも大人だから、「なんだかねー」と心の中で呟くだけで済ましちゃいますけど(とはいうものの価値観の同調圧力をしつこくかけられると、かなり露骨にムッとします笑。困ったことにそういう人がタマにいるんだよねー苦笑)。

その感覚って10代の自分が、ある種の音楽※を夢中になって聴いてた理由だよね。その感覚においてのみ最果タヒとの距離感が凄く近い気がした。だから彼女の言葉の選び方に共鳴したのかもしれない。
(※:ロックやパンクやその後に出てきたニューウェーブミュージック)

で、彼女に勇気をもらったので最後に蛇足的に言うけど、21世紀にはこれまでのような価値観の押し付けはもう終わりだから、お互い気をつけましょう。違う価値観を認め合い、お互いが適当な距離で付き合ってく時代。
これまで長い間「ふつう」とされてきたことでも、それは数ある価値観のワンノブでしかないことを自覚する必要があるのでは、特に昭和世代の方々(って自分もだけど笑)

あなたの目の前の人間が違う価値観を持っているからって、ムカつかんといてね。イチイチこうやって言葉にしなくちゃいけないとこが、まだまだ20世紀をひきずってる2018年って気もするが。

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