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新型コロナウイルスに際しての報道に対する溜め息

新型コロナウイルスが各所で猛威を振るっている昨今ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。手洗いうがい、人込みではなるべくマスクを着用して、体調には気を付けて下さいね。

さて、そんな中で3月4日、関西で傷害の事件が起こり話題になっていましたが、NHK NEWS WEBにおいて容疑者についての記述が一時期「東南アジア風」であったことが問題になりました。(3/5 23:00現在は「外国人風」となっています)

ちょっと待てNHK。さっき出先のテレビのニュースでも聞いたが、逃走中の容疑者が「東南アジア風」の男とはなんだ?おまえたちに、人間が東南アジア出身かどうか、なぜわかる?東南アジアとは、どこだ?
ネタ元は警察発表だろうが、それをそのまま流すなら、公共放送を名乗る資格はない。明確に差別的。
即座に記事を撤回せよ。いま、世界で日本人も中国人も韓国人もコロナのせいで侮辱されたり暴力を受ける事件が相次ぐなか、何も学んでいないのか?
こっそり消したみたいだね。「外国人風」だけ残して。
民放でも容疑者を「東南アジア風」と評したところがあったが、なぜこれがいけないか。東南アジアの人は見た目で識別できない。言葉に精通していれば、どこの人か分かるが、それ以外ではできない。その他アジアの人との区別もできない。マスコミは不確かな属性を犯罪容疑者の形容に使ってはならない。

問題になったニュース記事リンクはこちらです。

4日午前、大阪府南部の大阪狭山市の路上で男性が男に刃物で首を刺され、病院に搬送されました。
男性は意識があり命に別状はないということで、警察は殺人未遂の疑いで、現場から逃走した外国人風の若い男の行方を捜査しています。
(NHK NEWS WEB 路上で男性刺される男逃走 03月04日 11時47分 より一部引用)

この度の新型コロナウイルスの蔓延にも言えることですが、生活や命に深く関わる危機的な社会状況下において、排外主義的言論や差別扇動などが噴出するという現象はTwitterでよく見かけます。
まさかそういった無秩序な群衆的表現を、いち個人のツイートではなく公共放送のネットニュースで見ることになるとは・・・と、うそ寒い思いです。

以前書いた記事においても、特定の属性と犯罪者だというような言論の危険性についてお話していたので、参考にして頂けたらなと思っています。

(略)これを読んでいる貴方がもしそのような(特定の属性が犯罪者だというような)主張を見聞きしたら、まず疑って下さい。それが正しい情報かどうか。冤罪ではないかどうか。犯罪者の身元が明らかでない段階であたかも「特定の属性」が犯罪を犯したと言わんばかりの内容ではないかどうか。

(中略)もし、上記のいずれかが当てはまりそうな場合、そういう風潮に加担しないで欲しいなと私は思います。それは巡り巡って貴方の身を危うくするものだからです。

(中略)まず、踏まえておくべきことは「犯罪を一切犯さない完璧な属性」というものはまず存在しないということと、「事実とそれに付随する偏見は明確に切り分けなければならない」ということです。
例えば日本で日本人が凶悪な犯罪を犯したとして、日本人全体が危険な存在と思うでしょうか?
危険だから排除するべきだと考えるでしょうか?
そうではないですよね。犯罪を犯した人が悪いのであって、属性で判断すべきではないですし、それ自体偏見を伴う不当な考えであると私たちは知っているはずです。(中略)そして、それは他の属性においても同じことです。

こういう有事の際だからこそNH NEWS WEBにはネットメディアとしてきちんとした報道をして欲しいと思います。
今、この有事の、いざという時に、こういう「いい加減な報道」をされては、頼るべき公共放送の筈なのに信頼できません。危険を徒に煽り立てる表現はシェアするのも躊躇させられますし、一個人としても歓迎出来ません。どうにか改善されてはくれまいかと溜め息の出る非常時のひとコマでした。


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