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虚構怪談話-そこに居るのは-

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私が小学一年生のころ、下校中の話なんですけど、

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いつも家の方向が同じともだち5、6人と“怖い話”をしながら帰っていました。

怖い話といえど、私も含め話す内容はみんな、あからさまに嘘だとわかるようなものでしたけどね。

なんせ少し前まで幼稚園児や保育園児でしたから。

そんなある日。

「ギャァ゛ーー!」

ある女の子が劈くような悲鳴を上げたんです。
つられて他の子も『ギャー!!』と叫びだして、ほんと何事かと思いました。あまりにも唐突でしたし。

歩道の端で沈黙を貫く私たち。
状況は理解できないし、生ぬるい風が肌に絡まるように吹くしで心地は最悪。

それを破ったのは最初に叫んだ女の子でした。
開口一番、物騒なことを言うんです。
「ドブから白い手が出てきた」って。

しかも、それを聞いた他の子は『そうよな』『私も見た』と言い出す始末。

(いやいや、直前まで駄弁ってドブに背中向けとったやん…) そう思いつつ私も 「めっちゃ白かったな」と言っておきました。

もちろん見てないですよ。 一人だけ見てなくて話に置いていかれるのはなんとなく嫌じゃないですか。誰も否定しないので。


他の子も私と同じだったのか。
はたまた、 ネットで知った都市伝説などから『お化けを見たい』『見える側になって一目置かれたい』といった願望、欲求が既存し、それが合致。よって、その場限りの不文律が出来上がったのかは知り得ません。

言い始めた女の子は霊感があると自称してたので、その自称を裏付けるために、認められるように嘘をついたんだと私は思ってます。


なんせドブの中にはいないはずなんですよ。
“傍”にいるんで。男の人が。