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敷布

寒い冬・・・
拝啓

 風雪寒朝冷水の砌、皆々様いかんともしがたく温熱暖の助けをかり蒲団の中に芋虫の如く伸びたり縮んだり折れまがったりで朝を迎える事と存じ上げます。

 しかるに、努力の介なく私は腹に手をばあてて華美ブトンにうずくまっている次第であります。

 特に寒い朝は、足温器を抱き抱えふとんをカマクラにして或いは防空頭巾にして世をはかなんでをります。
コ-ヒを飲みに台所へ行くのにも、毛布を全身に巻、まるで蓑虫です。
毛布と言っても、実はこれ コタツの敷毛布なのです。だから正方形でなかなか使いごこちが悪いのです。 

ナンドも変えようとしましたが敷子がイトシイのです。
敷子は、貴方も御存じの通りおおらかな子であります。

でも布美と比べて何か冷たいのです。 敷子は何時も朝私の足下・横・脇にいます。

「オハヨウ!」 何時も私と一緒です。

以前、私はタバコを吸っていた時 敷子に火傷をさせてしまいました。
でも敷子はジット我慢して、私が気がつくまで何も言いませんでした。

おかげで敷子の首筋には今でも痛痛しい火傷の跡が残っています。

敷子はお風呂に入りたいと言います。でも私は敷子がお風呂に入るとその晩、とっても寒いのです。
私は「そのうち、入れてあげる」ト ごまかしています。

さて、そこでお願ひがあるのですが 敷子が風呂に入る間 布美さんとお付き合いしたいと思います。 
またのオ便り マッテマス。
 寒さ厳しき節、 皆々様御自愛の程を・・・・・
              敬具

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