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 暑く寝ぐるしい夜、ふと目がさめました。蒲団からはみだした足のあたりが急にかゆくなりました。
蚊夜子は、私の耳元でブンブンとうるさく騒ぎ始めました。何でも急におなかが空いたと私に言いました。

蚊夜子は小食で、何時も私と一緒に食事をした事がありません
何時も私の体から食事を取るので、私はいい加減にしてこのトマトジュ-スでも飲んでくれト何度も頼みましたが「あなたのほうが、オイシイワ、」と言うばかりで言うことを聞いてくれません。

私は、もう夜も遅いから寝かせてくれト頼みましたが聞いてくれる性格の蚊夜子ではありません。
蚊夜子は、遠慮なく私の耳元ではしゃぎ回りました。

「ハハハ、私も遊ぼうか」ト言いながら、両手で手拍子をしました。
蚊夜子は、すばしっこいのでなかなか何処にいるのか分りません。
焦りを感じてきたのでしょうか、私の手拍子はだんだんと甲高くなってきました。

「もういいよ、疲れたから寝るヨ」と言いながら、目を閉じるとまた蚊夜子が来て「寝かせないわよ」と私に言いました。
蚊夜子は、私の右の頬にソットやさしく口付けをしました。


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