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野鳥探偵(ポンコツ) 【エッセイ】

幼鳥というよりヒナに近いくらいの子が、なす術もなく小枝の上で固まっておりました。

私の目線より少し上の枝にいたこの子を、仕事中に相方が発見し、教えてくれたのです。
案内してもらうと、隣の庭木へ親鳥とおぼしき鳥が様子を見にやって来るのがみえました。こちらに気づいてすぐに山の方へ飛んで行きましたが。

親鳥は、ヒヨドリくらいの大きさで、最初の印象は赤茶色の姿でした。しかし、向きを変えるとウグイスの色にも似た羽の色に。目の上には眉のような白いラインが。

ふぅむ…🤔
野鳥を見るのが好きなのに、名前をさほど知らない私😹

ヒナの方も目の上が白い?それとも産毛だから薄く見えるだけなのか?
枯れた松葉を組んで作られた巣みたいなものもヒナの後ろにありました。
いや、こんな低い場所に巣なんて作らないかな?松葉はチクチクしていて巣材向きではなさそうだし。

ヒナの時点ですでにスズメくらいの大きさ

体に対して足が大きいと感じたので、これからムクムクと成長してゆくのだろうか。

親鳥の姿から推理して、最初、アカハラに行き当たりました。でも、一番の特徴である白い眉のようなラインが気になります。
さらに検索した写真を見比べてゆくうちに、マミチャジナイという鳥に辿り着きました。

マミチャジナイ?じゃない?😳

初めて知ったこの名前。
マミは眉のこと、ジナイはシナイという言葉がツグミを表すところからきているそうです。
見た目の特徴は、ほぼ一致しています。
しかし…このマミチャジナイ、どうやら旅鳥らしく、今この時期日本に、しかも関東にいるのは考えにくいようで…。10~11月なら全国でも見られるそうなのですが、日本はもう 夏…ナトゥ…トゥ…トゥ…))

お腹がほんのり赤いし、やっぱり目の上白く見える気が…

ヒナくん。きみは誰なんじゃい?
アカハラなのかい?マミチャジナイじゃないのかい?
でももう私、マミチャジナイって名前が気に入りすぎて、マミチャジナイと仮定しこんな見出しを!


スクープ!!📷️💥
マミチャジナイ渡るのやめて日本で子育て!


「およしなさい」
「ハッ、相方殿」
「あまり人が近づくと、人間の臭いで親鳥がこの子を育てなくなるやもしれぬ」
「それは困ります!」
「そっとしておくのです。そっと…」
「私が軽薄でした」
「そこは軽率、ね」
「私は軽率で軽薄で、軽量な人間だ~!」
「それ以上自分を罵るのはよしなさい。そしてキミは、どちらかというと重量級だ」
「軽量化に向けて頑張る私に水を差したな…」

もうマミチャジナイどころじゃない。

というわけで、私はソロリソロリとその場から離れ、

「大きくなれよ…マミチャジナイ。

     エクスペクトパトローナム!」


と、某丸大ハンバーグのような応援の呪文を残し、立ち去ったのでした。

あの鳥は本当にマミチャジナイだったのだろうか?
ポンコツ野鳥探偵の首は横に傾げられたままであります。


~おわり~


最後まで読んでいただき、ありがとうございました🍀


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