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フレグランスのような


「私は優しくて〜、おもろくて〜、賢い人が好き!で、良い香りのする香水をつけてる人!」

19歳の頃に、
見える優しさだけが優しさじゃないんだよ。
と教えてもらってからも、私は未だに鈍感なままかもしれない。

さりげない優しさはそう簡単に目には見えないけど、確かにその人らしさを映し出すように、フレグランスは写真にも残らないのに、馴染みのある香りを街中で感じると特定の人を探させる。馴染みのある香水は、写真なんかよりも沢山の思い出を蘇らせ、目を瞑ればその人が目の前にいるんじゃないかと思う。

名刺よりも役に立つsnsが私たちの生活に欠かせなくなってるからこそ、写真を見ただけでは分からない、実際に近づかないと分からない。

そんな事実が素敵じゃないですか。

可愛いと思って載せたセルフィーにだけリアクションしてくるような薄っぺらい衝動的なライクよりも、学校に行くテキトーな服装でも心配いらない信頼がいいし、

Drakeが歌詞で書きそうな口説き文句を息を吐くかのように言うやつよりも、口下手ながらにも自分の言葉で会話してくれる人のほうが、言葉の暖かさを感じる。

楽しそうな私の写真を見てhow have you been?と聞いてくる会話よりも、
私が辛い時に話を聞いてくれる時間がいいし、

学費を払ってくれない実父がおごってくれる3万円のディナーよりも、
全然お金のない彼が、私が運営していたイベント用に前日から仕込んだアイスを買ってくれた時の方が億万倍嬉しかった。

可愛いと褒めることや、お金で買える経験は誰でも出来る。
香水は、同じものをつけても体温やつける量でその人らしさが出てくる。

そんなフレグランスの香りと見えないやさしさは似ているなぁというこじつけかもしれない私のロマンス。


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