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#28 呪術的な日々

仕事は無ければないでつまらないし、有りすぎれば億劫だ。
どうにか仕事の量を一定にできれば幸せなのですが、そういうわけにもいかない。

忙しさがピークに達すると「来世では虫になりたい」などと、すぐ次の人生に逃げてしまうのは悪い癖。
都合の良い輪廻転生にすがってはいけない。

「クローンを作って、自分は毎日お酒を飲んで本を読み、ブログばかり書いていたい」
とつぶやくと、後輩に
「クローンの方も好きなことばっかりして働かないんじゃないか」
と言ってきた。確かに。

「じゃあこうしよう。まずクローンを5体作ります。誰がいつ出勤するかのシフトを作り、週一の労働だけで済むようにする。完ぺきだ。」
「でも、収入は1人分ですよね。扶養は認められないですよ。よしのさんのお給料で、5等分したら遊び足りないんじゃないですか?」
なんてうるさい後輩。わたしのコーチングが足りなかったのか。

しかし、最もな意見でもあります。
家のスペースもこのままだ。自分のクローンとはいえ、一緒のベットに寝るのは嫌だ。4人のわたしが床で雑魚寝しているのも邪魔だ。
こんな話をしていると、やるべき仕事が終わっておらず、結局忙しい中でさらに残業する羽目になってしまった。

もうクローンなんかいらない。
いや、むしろ存在しないクローンのせいで害まで出てしまった。
そういうわけで、わたしはヒトクローン技術には反対の立場を取ることになったのです。



あなたがわたしに課金をし、わたしはソシャゲへ課金をします。