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ひとひら さくら 追憶

それが桜の木だとは知らなかった。
消せない過去が、今もそこで息をしている。

はじめての記事の画像、憎たらしいはずなのに、美しく撮ってしまった悔しさ。

思い出したくもないのに何故?
あの桜の葉さえ散ってしまっていた季節、私はその真下でレイプされた。
尊敬していたはずの先輩に。

そこからすべてが始まったんだろう。

微熱で火照った身体。明滅する視界。
あの日欠席していれば、そんなことにはならなかったのかな。きっと、きっとね。

毎日おかしくて。思い出しては苦しんで。
死にたいなんて言って、体を傷つけて、それで楽になるなんて思ってる自分が馬鹿みたいで。
人間が怖くなって、何も信じられなくて、相談できる人なんている訳もなく。
どうしよう、どうすればって1人で抱えて、壊れて、壊して、もう遅いんだって気づいて。

愛も自分の価値も命の尊さもわからないバケモノになってしまった。

13歳の秋

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