見出し画像

「チョクセツハイキ」って??会社で直接廃棄ゼロチャレンジ!のおはなし

「チョクセツハイキ」って??

皆さんは「直接廃棄」という言葉をご存知でしょうか?
私はこのProjectの活動で食品ロスについて勉強するまで聞いたこともありませんでした。

この「直接廃棄」は家庭から出る食品ロスの原因の一つで、未開封のまま捨てられてしまう食品のことを指します。封を開けることなく冷蔵庫や食品保存庫などで賞味期限・消費期限を迎えてしまい、捨てられる食品もあれば、中にはまだ賞味期限・消費期限前にも関わらず捨てられるものもあります。

食品ロスといえば「食べ残し」のイメージが強いですが、環境省による令和2年度の調査結果では、家庭から排出される食品ロスの発生量約247万トンのうち「直接廃棄」が占める量は約105万トン。なんと全体量の約43%をも占めており、家庭系食品ロスの中で一番多いのがこの「直接廃棄」なのです。

「我が国の食品ロスの発生量の推移等」(環境省)を加工して作成(令和2年度調査結果)

直接廃棄から食べものを救う「フードドライブ」

買ったことを忘れてしまった野菜や惣菜、いただきもので味が好みではなくとりあえず棚にしまってあるものなど、発生する理由は様々。
これらを解消する一つの手法として、「フードドライブ」が挙げられます。フードドライブはフードバンク団体や市役所などが日にちを決めて食品を集め、食べものが必要なところへ食品を提供する活動です。発祥国であるアメリカでは盛んに行われていますが、日本ではまだあまり浸透していません。

認知度が低い以外に日本で広まっていない理由はなんだろう?その理由の一つに「知らない人から提供された食べものを持ち帰ることへの抵抗感」があるのではないかと考えました。

ヒントになったのは「おすそわけ」です。ご近所同士で行われており、いただいた経験がある方もいらっしゃると思いますが、誰からいただいたものであると分かっていれば抵抗感はなかったと記憶しています。とはいえ最近めっきりご近所付き合いをすることもなくなり。。何かできることはないかなと考え、実行したのが会社で「自宅にあるもの交換会やってみよう!」チャレンジです。

会社で「自宅にあるもの交換会やってみよう!」チャレンジ

まずはヒアリングから

とはいえ直接廃棄の危機に瀕している食品がどの程度みんなの家にあるのか不透明だったので、まずは社内でヒアリングを行なってみました。

直接廃棄してしまいそうな食材がないか社内チャットで呼びかけます。すると…

様々な食品がこれまた様々な理由で眠っている様子。

チャットで募った食べものを実際に持ち寄ってみる

そんなやりとりを経て、実際に食材を集めてみた結果がこちら。

いただきもの家族からの仕送りお土産として買ったけど配り損ねたものなど。
自分にはどうしようもできない…と思っていた食品も、他人から見ると魅力的に見えたりする不思議。交換会が始まる前から「こんなにいいもの、本当にもらっていいの!?」「あれは絶対手に入れたい」といった声があちこちから聞こえてきます。
白熱した交換会が始まる予感…!

交換会スタート!

そしていざ!交換会のスタートです。
それぞれ持ち寄った食品の素敵ポイントをプレゼンします。

珍しい食品や、人気の高い食品のプレゼンにはみな興味津々。

一通り素敵ポイントを聞き終えた後は、狙っている食品を実際に手に取って確認するタイム。
食品の賞味期限や量と自分の生活スタイルを照らし合わせながら、責任を持って美味しくお腹におさめられる食品を吟味します。

賞味期限や保存方法、食べ方・飲み方などもしっかりチェック。

そして気になる食品の確認を終えると、いよいよ次はお待ちかね「交換タイム」です!
こちらは知人から貰ったけどあまり烏龍茶を飲む習慣がなく悩んでいた社内スタッフのUさんと、お家に眠っていた刻み海苔を持ってきてくれたMさん

持ち寄った食品同士で平和に交換が行われました。

そしてこちらはProjectメンバーの三橋が持ってきた、徳島の実家からの仕送り同梱率No.1(三橋調べ)の徳島名物「大野海苔」!
味付け海苔でしっかり味もついているので、単体でもおやつとしても食べれちゃう優秀な海苔です。
実家から仕送りとして送られてくるペースと消費ペースが合わず、持て余してしまっていたものです。

なんと貰い手数多で、じゃんけん大会となりました。
ご当地ものやお土産ものは、馴染みがない人にとってはとっても魅力的な食品だったようです。

交換会を終えて

こうして交換や争奪戦を繰り広げた結果、チャットの呼びかけで集まった合計22点の食品はすべて欲しい人の手に渡り、直接廃棄の危機から救うことができました。
今回の交換会で気づいたことは、自分にとって必要ないと思っている食品でも、他の人にとっては欲しい食品である可能性があるということ。実際撮影のために食品を並べた時、自分が持ってきたものは「うーん、あれはいらないかな。。」と思いましたが、他はどれをもらっても嬉しい!と感じました。

食品を持ってきてくれた皆さんに話を伺うと「もったいない」「捨てるのには罪悪感がある」といった思いからなんとなく保管していたものが多いようです。
そんな食材が手に入った理由はそれぞれですが、救う方法もそれぞれ。
直接廃棄が生まれる原因は、各家庭やライフスタイルなどで異なるかもしれませんが、今回はそれらを「知り合い同士で交換する」という方法で回避することを試してみました。社内でも直接廃棄という言葉は初めて聞いたという人がほとんどでしたが、今回のチャレンジで家庭で発生する食品ロスの原因を知り、その対策についても楽しく実践することができたと思います。

ちょっとしたコミュニケーションから生まれる「捨てる」以外の選択肢。
みなさんも試してはいかがでしょうか?

執筆:明石麻穂(ロスをロスするProject)
撮影:江戸明弘(株式会社エンビジョン
イラスト:三橋元子(ロスをロスするProject)

※この記事は、2023年6月1日にロスをロスするProjectのWEBサイト「ロスは、きっとロスできる」に公開した記事をnote用に編集したものです。

WEBサイトも続々更新中ですので、ぜひご覧ください!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?