見出し画像

タコス警察 #4 Taco Bell

我々タコス警察は、仕事の合間をぬってNetflixを鑑賞するのが日課だ。少しくらい仕事をサボってドラマを鑑賞しなければ、善良なメキシコシティ市民の感覚を養うことはできないのだ。

最近のお気に入りはグルメドキュメンタリーだ。Netflixの映像の美しさと勤勉さが光る。

アグリー・デリシャスというシリーズで、なんとタコス回があった。移民とタコスとの関係を描く、タコスの変容に寛容な内容だった。もちろんUSAで受け入れられるよう変質したタコスなどタコスと呼ぶに相応しくはないのだが、この1時間弱の番組の中で、唯一こき下ろされた店がある。タコベルだ。

男子校テンションで騒ぐ進行役の男たちは、世界中に放映されるにも関わらず口を滑らす。

            “It’s garbage food that they serve at Taco Bell.”

タコベルに着くや、ドライブスルーのお姉さんに

            “What do you eat here? KFC or Taco Bell?”
          (※KFCとの併設店であったため)

するとお姉さんは

            “Neither. I don’t like them.”

すばらしい。どうやら彼女は我々の側の人間だ。さしずめ、USAタコス界のブラック・ウィドウといったところか。





前置きが長くなった。このタコベルというゴミ見たいなメシを出す(らしい)店は数年前から日本への進出してきているらしい。これは看過することのできない問題だ。

※80年代にも進出を試みたが、当時のタコス警察によってとっちめられたようだ。懲りないやつらめ。


画像1

というわけで、渋谷にやってきた。


画像2

大通りを外れたこの狭い道に立地しているらしい。それで隠れているつもりか。我々もナメられたものだ。


画像3

店頭には新商品らしきものの告知が。「タコスのようでタコスじゃない」???。

タコスに見えん。ハードルを下げ、他のメニューをきちんとしたタコスに見せかけているようだな。小賢しい。


画像4

これが今回の容疑者か。早速、取り調べを開始しよう。

ポテトに「これでもか!」と書けられたチリパウダー。そうだ。これが「チリパウダーかけとけばメキシカン」病だ。日本国民の大多数が罹患する、隠れた現代の国民病である。


気を取り直そう。大きすぎる悪にはまだ立ち向かえない。今はタコス警察としての任務を全うしよう。

今回の容疑者は、グリルドチキン(ハードシェル)、タコミートのチャルーパ、カルニータス(ソフトシェル)だ。無論、ソースは三段階中もっとも辛いものを選んだ。


画像5

まずは鶏肉(左)から一口


画像6

な、なんだこのシェルは!?



生粋の善良なメキシコシティ市民である警察は、ハードシェルなど口にしたことがなかった。



これはタコスではない。
ミートソースとチェダーチーズをかけた立体的なナチョスだ。

鶏肉だって、ただのグリルドチキンだ。別々で食え。




このタコスの処遇が決まった。

画像7


「「「グリルドチキン!貴様は現行犯逮捕だ!!」」」



こうして危機は、

画像8

去っていない!!!
3品も注文したではないか。

画像9

これがチャルーパか。しかし、タコスじゃないと自称している以上、逮捕することはできない。今回は見逃してやろう。


画像10

最後にカルニータスをかじる。



「お。」

「肉うまいんじゃね?ジューシーじゃん。」




いけない。チャルーパによって下がりきったハードルを越えてしまった。これではタコベルの思う壺である。


しかし、確かに肉はよくできているが、所詮小麦粉のトルティーヤとの相性が悪い。噛めば噛むほど違和感を覚える。
サルサにはフレッシュさがなく、もっとも辛いものを選んだにも関わらず、辛くない。


なんだこの後味は・・・


このタコスの処遇が決まった。



「「「カルニータス!貴様は現行犯逮捕だ!!」」」

画像11


こうして危機は去った。タコスは救われた。
タコス警察は、日本のタコスの平和を守るため、今日も街を駆け回る。


今日のタコス屋
タコベル渋谷道玄坂店(ウェブサイト https://tacobell.co.jp/)
渋谷区 道玄坂 2-25-14 カネダイビル 1F
営業時間 10:00〜23:00
おすすめのメニュー
カーニタス(CARNITAS カルニータス)
カスタマイズは、ソフトシェル、辛さ5(1〜3なので存在するかは不明)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?