見出し画像

平成最後の熊野詣。|熊野古道・中辺路 【前編】


こんにちは。
ロス・カミーノスです。


日本でも新型コロナウイルスの感染拡大が収まらず、自由に旅行できない状況が続いています。

皆さんに少しでも旅行気分を味わっていただけるよう、2019年のGWに熊野古道中辺路を歩いた記録を振り返りたいと思います。

少し情報は古いですが、ぜひ熊野古道の雰囲気を体感してください!


■ 熊野詣とは

画像1


紀伊半島の南部にある熊野エリア。 その中にある熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)を巡る「熊野詣」が、平安時代以降盛んに行われました。

都があった京都から熊野三山を巡る道のりは平安貴族や庶民によって確立され、〝熊野古道〟として現代まで受け継がれています。

一度の参詣に要する時間はなんと約1ヶ月! 参詣者たちは道中にある「王子」で旅の安全を願いながら、はるか熊野を目指しました。

画像2


私たちが歩いた2019年は、「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産に登録されて15周年という節目の年。

さらに元号が新たに「令和」になるというタイミングで、「聖地の入り口」と言われる滝尻王子から、熊野本宮大社までの約40kmを歩いて巡礼しました。

(本記事は、2019年4月29日に自身のブログで公開した記事に加筆修正したものです)



■ いざ聖地へ

画像3


午前7時、滝尻王子で旅の安全を祈願し巡礼スタート。売店のおばちゃんが「いきなりしんどいよ」と言ってましたが、確かに開始直後にかなりの勾配でした。

画像4


山道をひたすら歩きながら、20分で2つ目の王子・不寝王子へ。その後は展望台や高原熊野神社での雄大な眺めを楽しみながら進んでいきました。

画像5


高原から先はかなり急な上り坂が続きます。大門王子を経て十丈王子に到着したのは11時過ぎでした。こちらでお昼休憩を取ります。

画像6


十丈王子からアップダウンを繰り返すこと2km。最高地点の上多和茶屋跡に到着しました。ここから麓の近露王子まで、約4kmを一気に下っていきます。



■ 魂と対話する

画像7


熊野古道は案内看板も多く、また地図の載ったパンフレットもあるのであまり迷うことはありません。

そのため自然の中を長時間歩いていると、不思議な感覚に包まれます。

画像8


本当はずっと歩き続けているんですが、ふとした時に「歩いている」という感覚がなくなります。

その時、自分が何を考えているかを意識できるというか、とても客観的な視点で自分を見つめる状態になるんです。

自分は普段こんな風に考えているのか、こういうことを意識しているのか、それを知ることができました。

画像9


ある人はこれを「魂との対話」と呼びました。〝暑い〟〝寒い〟〝疲れる〟などの余計な感覚が消え去り、自分のもっとも深い部分に耳を傾ける...

この感覚は歩いた人にしか分からないかと思いますので、みなさんもぜひ歩いてみてください!


■ 熊野古道の定番・牛馬童子

画像10


近露王子の手前に、熊野古道きっての有名スポット・牛馬童子像があります。この像は平安時代の花山法皇の旅姿を表現したものと言われていますが、よく分かっていません。

画像11


近くに道の駅もあり、牛馬童子像だけ見学に来る方もたくさんいらっしゃるようです。僕たちも道の駅で軽めのごはんをいただきました。

画像12


午後3時前に近露王子に到着。

ここは「なかへち美術館」をはじめオシャレなお店が立ち並ぶ素敵なエリアなんですが、全体の行程を考え、先に進むことにしました。

画像13


無理をしすぎたのか途中で足を痛めてしまい、歩くたびヒザが痛むような状態に。休憩を取りながら少しずつ進んでいきました。



■ 古道沿いの人との交流

画像14


熊野古道沿いには昔から、参詣者たちをもてなすために旅籠や茶屋が並んでいました。

その多くは廃れてしまいましたが、現在でも随所に休憩所があり、地元の方がおもてなしをしてくれています。

画像15


継桜王子の近くにある「とがの木茶屋」さんで、温かいお茶と手作りのしおりをいただきました。茶屋のおばちゃんがここを通る方に振舞っているそうです。

力を得て、もうひとふんばり。

画像16


午後5時半、ようやく本日の目的地である小王子に到着しました。最終バスの時間もあり、本日はここまで。

所要時間10時間半、歩行距離19.8km、歩いた歩数は39000歩を超えていました。




次回はいよいよ熊野本宮大社へ! 後半の模様はまた後日お届けしようと思います!