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マドリガル (+後記)


Madrigale


1. La prima ribellione

Ci fu un bambinetto, un certo Angelo
a suo padre premette il grillettino
per salvar madre sua come un arcangelo.
 
"Son la Salvezza!" credé il ragazzino.
Cessò i “bum!” e volò via un cucùlo.
Quiete dominò nel terrazzino.
 
Angelo disse tra sé e sé: “fanculo!”
Colpi falliti... lo salvò il rinculo.


2. Il primo lavoro

Angelo raccoglieva in spiaggia il cocco.
Ne radunava tanto con un socio,
vendeva per far quadri del tarocco.
 
Sole e riverbero, in torrido incrocio,
il lavoro, ma duro e lungo era,
per divenir ricco mai fu uno sfocio.
 
Gli occhi splendenti sotto la visiera,
li fissava ‘na dea forestiera.


3. Dall’Italia alla Germania

Nel Belpaese la dea trovò l’amore.
Pregò il padre la donna di cuccagna:
“lo vorrei con me, non solo nel cuore.”
 
Angelo non volle e fece la lagna:
“Resto qui!”, ma il padre pensier fu fiso
di cacciar via il figlio ribelle in Magna.
 
Neppur non volle guardare il suo viso,
negando così al figlio il paradiso.


4. Adozione e tradimento

Visse una vita agiata invidiabile
da figlio della dea, ma senza posa
nel cuor la povera madre amabile.
 
“Senza di me chi protegge la rosa?”
Cedendo all’ex socio lo stato aprico
riprese il cavalier la via dumosa.
 
La ricchezza dipoi cambiò l’amico.
Trattò il mercante di cocco da fico.


5. Ruberia al mercato

Angelo pensò: “Forse ha ragione.
Se vuoi protegger cari, ci vuol forza.
Devo essere forte come un leone.
 
Oppur sarei inetto. Che mi rafforza?
Soldi. Non ho, ma ho un’arma da milizia.”
Al mercato andar fu giocoforza.
 
Da saltimbanco con tanta malizia,
la forza la ottenne con la furbizia.


6. Rubando campane

Per campar, se non c’è un altro verso,
Dio perdonerà un furto in casa sua?
Forse, ma per gli umani è diverso.
 
Tre campane, lassù, avendo la bua,
una cantò carola, altre due treno.
Su, Climber! Sali con bravura tua!
 
Se vien scoperto? O cadrà in terreno?
Assurdo. Lui non ci pensò nemmeno.


7. Furto in banca

Nella boscaglia puoi nascondere alberi.
Scegliere il luogo in cui compi gli affari
equivale a un albero di trealberi.
 
Altri due son “quando” e “come”: con chiari
d’astro, facendo un buco in un muraccio
Angelo entrò in banca per aer denari.
 
Poi ne rubò tanti e fuggì avaccio,
“per aumentarli...” pensava “che faccio?”


8. Il casinò

Con rischio alto - rendimento alto,
‘na avventura, giocarsi a carte i beni.
In un mondo abbagliante si fa un salto!
 
Vinci o perdi, comunque tu ti sveni:
Angelo ebbe un palazzo poi lo perse.
Se vuoi soldi, un affar serio, lo tieni:
 
non reati…, ma altre cosine diverse…
Dopo un po’, un bel lavoro emerse.


9. Il padrone è B***

Angelo aiutò in campagna elettorale.
Ma pe’ un error la polizia riprese
B***: “i manifesti li ha affissi male!”
 
Ad Angelo, il padrone altero rese
lode mille volte, anzi quattromila,
lo invitò a cena ‘na sera e gli chiese.
 
“quanto era il compenso?” “Cinquemila.”
Porse un assegno da ben ventimila.


10. La famiglia e il tatuaggio

Passò il tempo, Angelo ebbe sua famiglia,
ma ebbe anche in lista carceraria il nome.
La moglie e il figlio viaggiaron per miglia,
 
dopo di avere levato le some.
Suol di scarpa sul fuoco, come un mago
creò l’inchiostro e con cuor tatuò all’addome
 
l’icona del suo amore con un ago.
Pregò per loro. Si udì il suon del lago.


11. Un coltello fatto da una forchetta

In carcere Angelo affilando il codolo
di una forchetta fece un bel coltello.
Là il pasto è il peggio; il discorso non sbrodolo.
 
‘Na tartaruga del color di niello
la smembrò a pezzi e fece un buon ragù.
L’ordine carcerario fu ben fello.
 
Ma aggredire un suo caro fu tabù:
i due furfanti non si alzaron più.


12. Evasione dalla galera

Così mi son divertito, eh, già…
Mi sono anche stufato; vorrei star
con la famiglia mia in libertà.
 
L’unica cosa da far qui è “scappar”!
Per Angelo fu un gioco da ragazzi:
riuscì agevolmente a svignar.
 
La fuga, però, fu uno dei lazzi.
All’agnello toccarono gli stazzi.


13. Linciaggio e fuga soffocata

Gesù fu messo in croce, un quadro duro,
ed Angelo nel retro di un furgone.
Il van andò indietro e sbatté nel muro.
 
È da stato italiano quell’azione.
Dai potenti ai deboli, ogni pena.
Costituzionalista? No, buffone…
 
La fuga soffoca, cela la scena.
Dopo vent’anni tornò alla sua arena.


14. Risurrezione

Tutto qui, ciò che mi ha raccontato Angelo
in una domenica. Poi lunedì
Ho visto la “Pietà di Michelangelo”.
 
La vita tua non si narra in un dì.
Voglio sentire ancor storie di tale
avventura. Non puoi andar via così!
 
Pregar ha funzionato, meno male…
Ricomincerò un dì il Madrigale.


Fine



マドリガル (日本語訳) 


1. はじめての反抗

ある少年、例えばアンジェロは、
父親に向かって引き金を引いた。
大天使のように母親を守るために。

ぼくは救い主だ。
殴る音が止み、カッコウが飛び去る。
静寂が小さなテラスを支配した。

ちくしょう! アンジェロは呟く。
当たらなかった銃弾。リコイルが彼を救った。


2. はじめての仕事

アンジェロは浜辺でココナッツを拾う。
相棒と一緒に、集めて集めて...
金を稼ぐためにそれを売る。

日差しと照り返しのあいだで、
仕事はつらく長いが
大した金にはならない。

ひさしの下で輝く目を
異国の女神が見つめていた。


3. イタリアからドイツへ

イタリアで女神は愛を見つけた。
その父親に楽園の女性は懇願する。
「心で想うだけではなく、彼が欲しいのです」

それを望まないアンジェロは嘆く。
「行きたくない!」 しかし、反抗的な息子をドイツへ追い出すという
父親の考えは揺るがなかった。

その顔すら見たくなく、
こうして、彼の天国を否定した。


4. 養子縁組と裏切り

女神の息子として
誰もがうらやむ豊かな日々を送る。
しかし、絶えず心の中にいるのは愛すべき哀れな母親。

僕がいなければ誰があのバラを守るのか?
燦然と輝く暮らしをかつての仲間に譲り、
騎士は再びいばらの道を辿る。

その後、豊かさは友を変えた。
彼はココナッツ売りを蔑んだ。


5. 市場での窃盗

アンジェロは思う。まぁ、一理あるよね。
大切なものを守りたいのなら、力がいる。
獅子のように強くなければならない。

さもなければただの役立たずだ。何が僕を強くしてくれる?
富だ。金はないけど、僕には軍隊並みの武器がある。
市場へ行くことは絶対条件。

抜け目のない曲芸師のように、
彼は狡猾さをもって力を手に入れた。


6. 鐘を盗んで

生きる手段が他にないのなら、
神は神の家で盗みを働くことを許すだろうか?
多分ね。でも、人間はそうじゃない。

上のほうで、三つの鐘は痛みを覚え、
一つは祝歌、もう二つは哀歌を歌う。
いけクライマー! そのテクニックを駆使して登れ!

もし見つかったり、下に落ちたりしたら?
ばかばかしい。彼は、そんなことは考えもしなかった。


7. 銀行での窃盗

木を隠すなら森の中。
事成す場所の選択は
三本マスト帆船の帆柱ほばしら一本に等しい。

他の二本は『いつ』、『どのように』。
夜、分厚い壁に穴を開けて、
アンジェロは金を手に入れるため銀行へ。

そして、たくさん盗んで急いで逃げる。
こんなことを考えながら。この金を増やすには...どうしたらいいかな?


8. カジノ

ハイリスク・ハイリターン。
カードゲームで財産を賭けることは、ある種の冒険。
さぁ、めくるめく世界へ!

勝ったり負けたり、いずれにせよ有り金をはたく。
アンジェロは大邸宅を手に入れ、そして、それを失った。
金が欲しいなら、ちゃんした仕事がないとね。

違法行為じゃなく、他のこと...
ほどなくして、いい仕事が見つかった。


9. 雇い主はB***

アンジェロは選挙運動のアシスタントをすることに。
しかし、とあるミスのため警察はB***を叱責した。
「掲示物の貼り方が間違っていますよ!」

誇らしく思った雇い主は、
アンジェロを千回、いや、四千回褒め、
ある晩、食事に招き、こう聞いた。

「報酬はいくらだった?」「5.000です」
彼は20.000ユーロもの小切手を差し出した。


10. 家族と入れ墨

時は流れ、アンジェロは家族を持った。
しかし、彼はひとり刑務所の中。
彼の妻と息子は荷物をまとめ、
 
長い道のりを旅した。
火であぶられた靴の本底、彼は魔術師のように
インクを作り、自らの腹に一針一針
 
愛する人の偶像を彫り込んで、
彼らのために祈った。湖の音が聞こえる。


11. フォークでできたナイフ

刑務所で、アンジェロはフォークの柄を研いで
ナイフを作った。
端的に言って、そこの食事は最悪。
 
黒金色の亀を
彼はさばき、美味しいミートソースを作った。
刑務所の治安は、かなり酷い。
 
でも、彼の親しい友人を襲うのは厳禁。
二人のならず者は、もう起き上がることはなかった。


12. 脱獄

まぁ、そうだね... こうやって楽しんだけれど、
飽き飽きしてもいるし、愛する家族と一緒に
自由の身でいたい。
 
これはもう、脱獄しかないよね!
アンジェロにとって、それは造作もないこと。
彼は難なく逃げ出した。
 
しかし、逃走は滑稽な即興劇に。
子羊は柵へ戻ることになった。


13. 私刑と、もみ消された脱獄

つらい一幕。イエスは十字架に、
アンジェロはバンの後部に磔にされた。
車は後方へ加速し、壁にぶつかる。
 
イタリアらしい行為だ。
罰はいつでも、力のある者から無い者へ。
立憲政治主義国? 笑わせんなよ。
 
脱獄はもみ消され、私刑は隠蔽される。
二十年後、彼は自らの場所へと戻った。


14. 復活

とある日曜日に僕がアンジェロから聞いた話は、これでおしまい。
そして、月曜日、
僕はミケランジェロの『ピエタ』を見た。
 
あんたの人生は一日で語れるものじゃないだろ。
僕はもっと、ああいう冒険談が聞きたいんだよ。
そんなふうにいなくなるなんてダメだからな!
 
祈りが届いて、本当によかった...
僕はいつか、この『マドリガル』を再開するだろう。



後記

8月28日(月)

"隠れて書く日記" が書きたくてたまらない。だから、に書き始めることにした。

今朝。母さんが「買い物を手伝ってくれたら、ポケモンのウエハースチョコ5個買ってあげる」と言うので近所のスーパーマーケットへ同行したら、該当商品が売り切れていて最悪だった。
でも、その代わりに『お風呂でつり堀』とかいうやつを買ってもらったので、今夜は風呂で魚釣りを楽しむつもりだ。

それはさておき。今日から『マドリガル』の続きを書き始める。
帰国後すぐに着手するつもりだったのに、もう3週間も経っちゃったけど... 体調を崩していたのだから仕方がない。
みんなは「暴飲暴食するからだ」とか「エアコンの設定温度が低すぎるからだ」とか「普段の行いが悪いからだ」とか言うけどさぁ、そんなの全然関係ねぇんだよ。僕はそういう病気なの。病人にそんなことを言うなんて、ほんと冷たいよな... 潰瘍性大腸炎が再燃してるときの大変さを、あいつらは全く分かってない。
ムカつくから、昨日お中元(?)で届いたシャインマスカットを、さっき一人で全部食った。そしたら何かまた腹が痛くなってきたけど、とりあえず、イタリア滞在中に書いた2編のアクセントと韻を確認してから、先へ進もう...

***

...完成(↓)

疲れた...
りんどんさんが、小説を書くとき『一日あたりの作業量をメモするようにした』ってつぶやいてたから僕も作業時間を計ってみたけど、たった8行の詩を完成させるのに3時間45分もかかった...
ダンテとかペトラルカはマドリガルくらい秒で作るんだろうな...
自分の無能っぷりが露呈されたような気もするけれど、やっぱり詩を書くのは楽しい。

...さて。夕飯食って、風呂で魚釣りしながらアンドレアとチェスしようっと!

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8月29日(火)

今日は『マドリガル』は書かないつもりだったけれど、結局書いた(↓)

所用時間: 3時間

完成した詩はアンドレアに見せる。彼に見せたときの最終行は...

Trat/tò il/ ven/di/tor/ di/ coc/co/ da/ fi/co.

...だった。

やつに詩のコピペを送り付けた瞬間、口を開く。
「最終行、6音節目にアクセントが落ちてるんだけどさぁ、前置詞の "di" なんだ。こんな意味の薄い単語にアクセント落としたくないから何とかしようと思って1時間も頑張ったんだけど、どうしてもうまくいかないんだよ! あと、直前の行と主語が違うのがやだ!」

苛立つ僕とは対照的に、アンドレアは落ち着き払って、
「一行ずつピリオドで区切ってるから、主語が違うのは別にいいんじゃないか。普通に考えたら "trattò" の主語は "l'amico" だって分かるし、仮に『豊かさがココナッツ売りを取るに足らない存在として扱った』としても、おもしろいんじゃない? これは散文じゃなくて韻文だから、色々な解釈ができるように書くのは逆にいいと思う。アクセントは..."venditor" を "mercante" に変えてごらん。そうすれば4音節目と7音節目に落とせるから。"mercante" と "cocco" に落ちるなら悪くないだろ。でも、これくらいのことには一人で気付けないとね。君は単語をネットで拾うからいけないんだよ。自分の頭の中を探せば "mercante" くらい出てくるはずだ」
...と言った。

すげぇムカつく。

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8月30日(水)

今日こそ『マドリガル』を書かないつもりだったけれど、やっぱり書いちゃった(↓)

所用時間: 2時間30分

今日は、昨日・一昨日よりも苦労が少なかったような気がする。想像してはいたけれど、場数を踏めば踏むほど楽に書けるようになるのだろう。
まぁ、今回もアンドレアにちょっと手伝ってもらっちゃったんだけどね...

それにしても、ドン・アンジェロは本当にすごいよな。最初の狩場としてメルカートを選ぶのは、まぁ普通だけど、客からじゃなくて店から盗むっていうのは、よっぽど肝が据わってないと...
やっぱり、ただのスリとは違うよね。昔、仲間に「筋がいい」って褒められて、調子に乗ってたのがバカみたい...
...でもさ。そんな人の経験をかすめ取って叙事詩なんか書いてるんだから、僕だって少しは成長したと思う。

明日・明後日は他にやりたいことがあるから時間が取れないけれど、週末、この続きを書くのがとても楽しみだ。

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9月3日(日)

ビデオチャットにて。

L「昨日さ、noteのコメント欄で爵位をもらったんだよ」

A「どういう意味?」

L「リンク送るから見て。これ、マダムの記事なんだけど、そのコメント欄に書き込んだら、返信で僕のこと『男爵さまbarone』って...」

A「『男爵』と呼ばれて喜ぶなんて君らしくないね」

L「なんで?」

A「だって男爵barone子爵visconteよりも下の位だよ? いつもは一番になりたがるのに...」

L「子爵より下...? そうなの...?」

A「...ねぇ、このコメントの『ホラ吹き男爵さま』っていうところをGoogle翻訳にかけたら ”Barone-sama che soffia Hora” って訳出されたんだけど、”soffia Hora” ってどういう意味?」

L「...bugiardoっていう意味」

A「www それならducaの爵位をくれてもよかったのにねw」

...まぁ、そんなことはどうでもいいとして、今日は『マドリガル』の第六歌を書いた。

所用時間: 2時間50分
前回より悪化した… しかも、今回もアンドレアに手伝ってもらった

早ければいいというものではないことくらい分かっているけれど...

昔、ローマの教会を訪れたとき、聖人か何かの像を眺めていると、隣で僕と同じくらいの歳のガキが、その像をスケッチし始めた。粗くはあったものの、あっという間に目の前の聖人が白い紙に写し取られた。単純に、「すごいな」と思った。

また、昔も今も、アンドレアはテレビなどから流れてきた曲が気に入ると、おもむろにピアノに向かい、その曲を再現して「大体こんな感じだっただろ」と微笑む。絶対に口には出さないけれど、いつも「かっこいいな」と思う。

僕は絵も描けないしピアノも弾けないけれど、でも、あいつらと同じことがしたい。
物理的には手に入れられないものを一瞬で自分のものにしてしまうなんて、そんな怪盗、漫画や小説の中ですら見かけたことがない。

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9月4日(月)

ビデオチャットにて。

L「“Nel bosco, se vuoi nascondere gli alberi.” と “Angelo entrò in banca per aver denari.” がさぁ! どう頑張ってもうまくいかねぇんだけど! なんとかしろよ!」

A「今はやることがあるから無理だよ。えーっと...カナガワケーン、ヨコハマシッ」

L「WWW WWW WWW」

A「...何がおかしいんだ」

L「お前だって僕の発音聞いて笑うじゃん。それと同じだよ」

A「真剣に書いてるんだから邪魔するな。住所を間違えたら君の誕生日プレゼントは届かないからな」

L「...黙っててやるから間違えるなよ」

***

L「...ねぇ、まだ書き終わらないの?」

A「今度は別のを書いてるんだよ」

L「なに?『別の』って」

A「頼むから黙っててくれ。間違えたら示しがつかないし、かっこ悪いから...」

L「だから、いったい何を... なんかお前、音節数えてる? 」

A「...え? うん、まぁ...」

L「もしかして、詩を書いてるの?」

A「...そうだよ」

L「郵便局の窓口で働いてる女の子を詩でナンパするのか?」

A「違うよ! 君に送るこの箱の中に入れるんだ」

L「...じゃあ... 僕宛て?」

A「...うまく書けてるといいんだけど」

L「...なぁ、それ...noteで晒していい?」

...とりあえず、今日のところは自分の詩(↓)を晒しておく。

所用時間: 2時間45分
例の2行はちゃんと直してもらえた。

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9月9日(土)

今日は機嫌が微妙だったので、1連目の1,2行目、修正前は、
È il "rischio alto - rendimento alto",
‘na avventura, giocare a carte ai beni.
...だったのだが、アンドレアに「全く意味が分からないんだけど」と言われて、キレた。

L「"Giocare a carte scommettendo i soldi è il "rischio alto - rendimento alto" ed è un'avventura." って言いたいの! なんで分かんねぇんだよ! 分かるだろ!」

A「『È il "rischio[…]』じゃおかしいよ。せめて "È" を取れ」

L「なに言ってんの?! "È" を取ったら動詞がなくなっちゃうじゃん!」

A「ローリス、落ち着け。動詞なら "giocare" があるだろ」

L「もうお前、完全に頭おかしいよ! この "giocare" は名詞として機能してんだろ! そういうの『動詞』って言わねぇから! 僕は、"È" を取ったら活用された繋辞の自動詞がなくなっちゃうって言ってんの! それじゃロシア語みたいになっちゃうじゃん!」

A「でも、『È il "rischio[…]』じゃおかしい...」

...その後、これに留まらず、何年も前の出来事まで持ち出して大揉めに揉め、僕はビデオチャットをぶった切った。

確かに語順はバラバラだけど、一つのまとまりごとに切り離して再構築したら、意味通じるだろ...? 通じないのか...?
...一旦頭を冷やしてから、もう一回考えよう...

所要時間: 3時間
キレたけど1連目の1,2行目は直してもらえた。

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9月13日(水)

『マドリガル』を少しずつ書くのが面倒になってきたから、今日から食事・入浴・睡眠、バイト、ビデオチャット以外の時間を、全て作詩に充てようと思う。

先日、アンドレアが言った。
「そろそろ詩集の表紙をどうするか考えないと。あと、挿絵もあった方がいいよね。そうだ、俺が描こう! 全部で14歌だから、扉絵として14枚...」

いつもだったら、「お前、絵めちゃくちゃ下手なくせに何言ってんだ!」となるが、今回は、正直、どうでもいい。
僕が本を作ろうと思ったのは、中表紙に “ad Andrea” って書きたかったからなんだ。でも、メインの詩をあんなに手伝ってもらったんじゃ、もう『僕の本』とは言えない。
それならば、いっそのこと共著にでもなったほうが罪悪感を覚えずに済む。だから、こいつが満足するなら、どうでもいい。
ただ、今年の冬にこの詩をドン・アンジェロに見せて、出版を許可してもらえなければ本にはできないということだけ、忘れないでほしいんだよね...と、あいつの楽しげな様子を見ていて思ったりする。

それはさておき...

所用時間: 3時間10分
今日は記念すべき日だ。初めてネットを使わずに詩を書くことができたのだから。

今回、修正箇所はなかったけれど、結構揉めた。

A「"lo/de/ mil/le/ vol/te,/ an/zi/ quat/tro/mi/la," だ。"vol/te, an/zi" じゃ不自然だろ...」

L「なんでだよ! e と a が隣り合ってんだから sinalefe が使えるじゃん!"vol/te, an/zi" でいいだろ!」

A「理論上はそうかもしれないけど、発音すると不自然だよ...」

L「詩においては理論が絶対なんだよ! 発音なんかどうでもいい!(?) 言っておくけど、これは絶対に譲らないからな。"vol/te, an/zi" のままにするから」

A「君がそうしたいならそれでいいけど... 今度ジョヴァンニのところへ確認しに行かないとな。忘れないように、ちゃんとメモを残しておくんだよ」

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9月16日(土)

一昨日、昨日、今日で、第10歌、11歌、12歌を書いた。

所用時間: 3時間15分
すげぇ時間かかった… ”creò l’inchiostro e con cuor tatuò all’addome” が。それでも一人で何とかできたから、まぁよかったけど、結局やったことは “con cura” を “con cuor” に変えただけ。 “con cura” のsinonimoをネットで探していて、ふとスマホの画面から目を離したときに “正解” を思いついた。そういえば、前にアンドレアから「単語をネットで探すからうまくいかないんだ。頭の中を探せ」と言われたが、一理あるかもしれない… あと、一つのことを考え始めると視野が狭くなるのは自覚していたけれど、これほど重症だったとは… 発想の転換をもう少しうまくできるようになりたい。
所用時間: 2時間15分
ネットを使わずに韻Aを作った自分を、自分で褒めてやりたい。
所用時間: 1時間55分
最短記録!!

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9月17日(日)

今日は、詩をチェックする前に、先日届いた包みのうちのひとつを開けた。
中には3種類のものが入っていた。

まず、4連ポストイットが二つ。
僕の本やノートは付箋だらけなので、アンドレアはことあるごとに送ってくれる。

次に、ハムスターのぬいぐるみキーホルダー。
あいつは見かけによらずぬいぐるみが好きで、特に気に入ったものは車の中に飾るのだが、自分の部屋には絶対に置かず、僕に渡してくる。

やつが、ハムスターを指して「君みたいに小さい」と口走ったため一触即発の状態になったが、なんとか持ち直して、最後に包みの中に残ったものを取り出すと...

「ペンダント...?」

「君がそういうものをあまりつけないことは知っているけど、たまにはいいかな、と思って」

...アクセサリーをもらったのは生まれて初めてだ。
アンドレアも昇太も父さんも、誕生日やクリスマスやバレンタインデーに、ブレスレットとかピアスとかネクタイを止めるクリップみたいなやつをもらっていたけれど、僕もついに...
ついに、こいつも僕を大人と認めたんだ...!

「... 夕方の空みたいな色してるな。すげぇきれい」

「つけてみてごらん」

「うん。でも、似合うかな...」

「似合う、似合う。ダンテみだいだよ」

ダンテがペンダントをしていたかどうかはさておき、本題に入る。

所用時間: 2時間50分
"buffone" は、修正前 "coglione" だったのだが、アンドレアに睨まれたため急遽変更した。ちなみに、"-one" で韻を踏むのは作中で2回目。本当は避けたかったけれど、"furgone" に代わる言葉を見つけることができなかった。

第13歌のチェックを終えると、アンドレアが、
「ローリス、ペンダントを見てごらん」と言う。

「なんで?」と返しつつ、胸元に視線を落とすと...
「えっ? 色が...」

さっきは確かに紫色だったはずなのに、まるで夜明けの空のような青になっていたのだ。

「そのペンダント、温度で色が変わるんだよ。それにしても、最近のおもちゃはよくできてるね。アクセサリーショップに置いてあってもおかしくないよ」

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9月18日(月)

ついに最終歌!

所用時間: 2時間
自分にしては短い時間で、手直しもほとんどなく完成した。ただ、"-angelo", "-ale" で韻を踏むのは作中で二回目。第1歌と最終歌で "-angelo" を使うのは最初から予定していたけれど、「そうだ、最後は "Madrigale" で締めよう」と思いついたのが最終歌を書き始めたときだったから… "Madrigale" で締めるか、重複を避けるか、天秤にかけた結果、前者に傾いた。

『マドリガル』は書き終えたけれど、本番はここから。
今までの経験を最大限に生かして、明日から一編のソネットを書き始める。
これまでみたいにアンドレアを頼ることはできないから、全部ひとりで何とかしないと...
あいつの誕生日まで、あと一か月強...

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