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【ドラマ感想】リエゾン-こどものこころ診療所- 第2話

今回スポットライトを浴びるのは不登校の悠里ちゃんとうつ病のお父さん。
悠里ちゃんにはADHD(注意欠陥多動性障害)という凸凹があり、お父さんは躁と鬱の差が激しく精神状態はかなり悪化しています。

身をつまされたのは志保先生が大人たちをいさめるシーン。
悠里ちゃんが万引きをしたことで警察に保護され、佐山先生のクリニックでお父さん、訪問医、児童相談所が悠里ちゃんの今後について話し合うのですが、皆さんヒートアップして、しまいにはお父さんが暴れてしまいます。
そんな状況にたまりかねた志保先生の感情が爆発し、

「大人が勝手なことばかり言って!みんな誰のために動いているんですか!」

そう、皆さん悠里ちゃんのために動いているはずなのに自分のメンツをつぶされたくなくて、それぞれの立場から言いたいことを言ってしまっていたんです。
初心忘るべからず、とよく言われますが、経験を重ねることで見えなくなるものもありますし、日々のストレスで心が曇ってしまうこともあります。だからこそ自分の原点はどこにあるのか、常に見つめていなくてはいけません。
自分の原点を見失っておらず、そして子供と同じ目線に自然と立てる志保先生だからこそ本心から言えたのですね。

志保先生が悠里ちゃんから聞き出したメッセージは切実でした。
学校へ行きたい。でも自分が学校へ行っている間にお父さんが死んでしまうかもしれない。お父さんはいつも死にたいと口にしているから。そんなお父さんとは一緒にいたくない。
たぶん本当にお父さんのことを嫌いになったわけじゃないんです。お母さんが亡くなって(死因が自殺ということは知りません)これ以上誰かが死ぬのは嫌なんだ、と。小さな背中ではこれ以上背負えなくなったのです。

身体的暴力だけが虐待ではない。劣悪な環境に子どもを置くことも虐待だ。今のお父さんは親の責務を果たせていない。佐山先生に諭されて、お父さんは悠里ちゃんと離れることを決断します。

児童相談所で一時保護されることとなった悠里ちゃんですが、表情に明るさを取り戻したようです。お父さんと笑って過ごせる日々を再び迎えられますように。そのためにもお父さんの心の病が1日でも早く治まりますように。二人の幸せを祈らずにはいられない回でした。

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