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【YouTube】企業チャンネルのコンテンツ不足を解消するには?「シリーズ企画」活用法

企業がYouTubeチャンネルを開設・運用する際の課題として、コンテンツや人員などのリソース不足がよくあげられます。

今回は、コンテンツ不足の課題解決に役立つ「シリーズ企画」の活用法をご紹介します。生活者や企業のYouTube利用状況などもまとめました。

▼この記事をざっくり説明すると▼
・YouTubeは生活者の利用率が高く、利用時間も増えている
・YouTube利用者の68%が購入決定の参考にしている
・YouTubeはターゲットにとって有益なコンテンツを投稿することが重要
・企業チャンネルでは、シリーズ企画が運用の軸となっている場合が多い
・シリーズ企画は投稿頻度を維持し、安定運用するための施策として有効


▼生活者のYouTube利用状況

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コンテンツ企画についてご紹介する前に、まずは生活者のYouTube利用状況と、YouTubeが購買行動へ与える影響をまとめてみました。

①生活者のYouTube利用率・動画系メディア利用時間

・YouTubeはソーシャルメディアの中で利用率が最も高い

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2019年12月にニールセン デジタル株式会社が発表したレポート(※1)によると、日本におけるPCとスマートフォンの重複を除く「トータルデジタル」リーチ(利用率)はYouTubeは50%。GoogleとYahooに次いで3番目です。


動画系メディアの利用時間は大きく増加している

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2018年7月2019年9月に総務省が発表した調査報告書(※2)を見ると、YouTubeをはじめとする動画系メディアの平均利用時間は、この1年間だけ見ても大きく増加しています


②購買行動に関するYouTubeの影響

・YouTubeは購買行動に大きな影響を与えている

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2016年のGoogleの調査報告(※3)では、YouTube利用者の68%がYouTubeを視聴して購入を決定しているというデータがあります。購買行動に大きな影響を与えていることが分かります。


▼どんなコンテンツを投稿すればいいのか?

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次に、具体的にどんなコンテンツを投稿すればいいのか、生活者のYouTube利用目的をもとに考えていきます。

①生活者のYouTube利用目的

まず、生活者のYouTubeの主な利用目的として、以下のような目的が考えられます。

▼YouTubeの主な利用目的(生活者)

【1】情報収集
・興味のある情報(カテゴリ、商品・サービス、人など)を得るため
・現在のトレンドを知るため

【2】娯楽
・息抜き、暇つぶしのため

【3】学習
・知識やノウハウ(勉強・ビジネスなど)を得るため

【4】コミュニケーション
・自分の意見、他人に役立つ情報を発信するため
・利用者(友人や知人、著名人など)とコミュニケーションをとるため

なお、2016年のGoogleの調査報告(※4)では、日本国内のYouTubeの利用実態について、「母親」「有職者の20~34歳の女性」「有職者の20~34歳の男性」の3つのセグメントに対して1対1のインタビュー調査を実施したところ、共通する利用目的として「気分を変えるため」「自分の学びを得るため」「仲間や子どもとのコミュニケーションのため」が挙がりました。


②企業のターゲットにとって有益なコンテンツとは何か

このような利用目的を踏まえて、企業はYouTubeチャンネルでどのようなコンテンツを投稿していくのがいいのでしょうか。企業のターゲットにとって有益なコンテンツについて考えてみます。

▼企業のターゲットにとって有益なコンテンツ例

【1】商品・サービスに関する情報
1. 商品・サービスの比較検討に役立つ情報
商品やサービスの機能・使い方の解説など、ターゲットが購入検討時に役立つ情報を発信し、理解を促進する。

2. 商品・サービスが利用・活用しやすくなる情報
商品やサービスに関する第三者の声や活用法など、ターゲットに商品・サービス購入後のイメージを湧かせる情報を発信し、購入・活用を促進する。

3. 日常で役立つ情報
ターゲットの興味関心、疑問や悩みに応えるお役立ち情報、トリビアなどを入口にし、商品やサービスの認知度向上を図る。

【2】商品・サービス以外の情報
1. 企業・ブランドへの興味関心を深堀りできる情報
ブランドヒストリー、コンセプトムービーなど、企業・ブランドのファンがより愛着や親近感を抱くきっかけを作り、ブランディングにつなげる。

このような投稿を行うことで、YouTubeという多くの生活者に日常的に利用されているプラットフォームを生かしながら、企業のターゲットが商品・サービスに気付き、理解を深めるきっかけなどを生み出すことができます。


③企業はYouTubeチャンネルをどれくらい活用しているか

企業はYouTubeチャンネルを使って、どれくらいの頻度で、どのような投稿を行っているのでしょうか。YouTubeチャンネル登録者数上位15(※注1)の月間投稿数(※注2)を見てみましょう。

※注1:YouTubeチャンネルを商品やサービスなどの認知向上や価値訴求を目的としたものの特徴を示すために、User Local YouTubeランキング「企業公式チャンネル」チャネル登録者数上位100チャンネルのうち、音楽やゲーム、スポーツ、TV、新聞、雑誌、映画、ニュースなどのコンテンツを保有するチャンネルを除外して筆者が順位付け(2020年8月6日時点)。
https://youtube-ranking.userlocal.jp/enterprises/1

※注2:2020年7月1日〜7月31日の期間で目視確認。コカ・コーラのみ、同年6月1日〜6月30日の期間(7月は新規投稿0本のため)。

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上位15の月間投稿数の中央値は19.0本でした。企画に目を向けると、ほぼすべてのチャンネルでは商品・サービスなどに関するシリーズ企画を実施しており、月間動画投稿数のうちシリーズ企画の割合は平均約7割以上と、チャンネル運用の軸になっていることが分かります(※注3)。

※注3:※2の期間に公開されたシリーズ企画の動画投稿数を目視確認。商品などを直接的に紹介する動画(TVCMの流用など)は除外。

このシリーズ企画については、YouTube運用においてさまざまなメリットがあります。次の項で詳しく紹介していきます。


▼YouTube運用における「シリーズ企画」のメリット

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ひとつのテーマを設定し、紹介する内容を切り替えながら複数の動画を投稿するシリーズ企画を提供するメリットとしては、まず、テーマに関心を持ってもらった視聴者のリピート訪問が期待できることが考えられます。

また、シリーズ企画を取り入れることで、コンテンツ企画を検討する際にゼロから検討する作業を省略できるためコンテンツ不足解消にも役立ちます。

さらにシリーズ企画によって投稿頻度を維持し、企業がターゲットへ向けて定期的に発信が行えるようになることで、YouTubeチャンネルの運用計画が立てやすくなり、効果測定もしやすくなります

ただし、シリーズ企画は視聴者のリピート訪問につなげられる一方、視聴者がコンテンツに対して興味関心を持てなかった場合、シリーズ企画の視聴から離脱してしまう可能性があるなど、デメリットもあります。シリーズ企画を運用する際はこれらを考慮しコンテンツ企画を検討する必要があります。


▼YouTube シリーズ企画の事例・活用ポイント

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YouTube運用におけるシリーズ企画はさまざまなメリットがあり、多くの企業が活用していることが分かりました。最後に、企業のYouTubeチャンネルの投稿事例と合わせて、シリーズ企画の活用ポイントをまとめました。

①ターゲットにとって有益な情報を定期的に投稿できる

トヨタチャンネル(トヨタ自動車)より。福祉車両「ウェルキャブ」の機能・使い方を、車種と仕様・タイプごとに紹介するシリーズ企画。

シリーズ企画として動画内容をある程度テンプレート化することで、コンテンツ企画の起案・制作に関するリソースの軽減につながります。これにより投稿頻度が維持しやすくなり、企業のターゲットにとって有益な情報を定期的に投稿しやすくなります


商品・サービスに関する情報を連続的に訴求できる

wacomwcl(ワコム公式)より。自社の液晶ペンタブレットをさまざまなイラストレーターに使用してもらい、機能性・利便性を伝えるシリーズ企画。

単発の動画コンテンツではできない連続的なアプローチは、企業のターゲットやファンの興味関心の増幅に生かすことができます。商品やサービスに関する理解やブランドへの愛着を深めもらうためのきっかけ作りができます。


ネスレ日本公式チャンネルより。同社の製品パッケージをはじめ、普段捨ててしまうものをおもちゃに生まれ変わらせる工作を紹介するシリーズ企画。

また、シリーズ企画を取り入れることで、同系統の動画をまとめた「再生リスト」が作成しやすくなります。

再生リストはYouTube内の検索結果や関連動画に表示される可能性があり、また、そこから関連のある他の登録動画へ視聴誘導できるというメリットがあります。ただし、実際に動画再生回数・再生時間の最大化につながるかどうかは企画内容によるため、再生リスト活用はあくまで一つの手段です。


まとめ

YouTubeチャンネルの開設・運用におけるシリーズ企画の活用は、コンテンツ不足の解消に役立つだけでなく、投稿頻度を維持しながら、企業がターゲットにとって有益な情報を定期的に投稿していく上で役立ちます

自社のターゲットにとって有益なコンテンツは何か、YouTubeチャンネルの活用目的やリソースをもとに整理して考えてみてはいかがでしょうか。

ループス・コミュニケーションズでは、YouTubeチャンネルのKPI設定やコンテンツ企画、運用マニュアルの作成、効果測定など、YouTubeチャンネル運用支援を行っています。まずはお気軽にお問い合わせください。


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【出典:本記事のデータ関連】
※1:ニールセンデジタル株式会社「Tops of 2019: Digital in Japan」内、「2019年 日本におけるトータルデジタルリーチ TOP10」よりhttps://www.nielsen.com/jp/ja/insights/article/2019/20191219-tops-of-2019-digital-in-japan/
※2:総務省「平成29年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」(P.9)https://www.soumu.go.jp/main_content/000564529.pdf
「平成30年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」より(P.36、37)https://www.soumu.go.jp/main_content/000644168.pdf
※3:Google「The latest YouTube stats on when, where, and what people watch」https://www.thinkwithgoogle.com/data/youtube-shopping-decision-statistics/
※4:Google「YouTube Where Users in Japan Come to Watch」https://webtan.impress.co.jp/n/2017/06/09/25999