見出し画像

『ノンセクが26年間を振り返ってみた話』⑭高校生恋愛から脱却したい

※少し性的な描写があります。


    交際を始めたAくんは5歳年上。色々あってしばらく恋愛から距離を置いてたらしく、4年ぶりの彼女だったそうだ。
    仕事も全然違うし、趣味も各々違ったが、居心地がよかった。ただ、彼は毎週会いたいと言ってたが、相変わらず私は1人の時間が欲しく、月3くらいに抑えていた。

    前回の恋愛の反省から、私は達成すべきステップをつくっていた。
    ひっくるめて言うと「高校生みたいな恋愛からの脱却」だ。


    前のTくんとの恋愛話を友人にしたときに、「なんか…高校生みたいだね(笑)」と言われたことがあった。
    確かにお互い24歳だったのに、家デートはゼロ(Tくんは実家暮らしだったのもあるが)、私が夜は家に帰りたいと言ってたので午後10時くらいに解散、キスはなし、ハグも数える程度、もちろんキスより先のこともなし。確かに高校生、いや高校生以下だったのかもと後から思った。

    それと、もう1個。同時期にクーポンがあったので、生理不順の治療で通っていた婦人科で子宮頸がんの検診を受けた。
    そのときに「性交の経験は?」と聞かれたので、素直に「ありません」と答えた。
    すると、医師が数秒黙ってから「経験ないのか~じゃあかなり痛いと思うよ?」と意外そうな口調で言ってきた。そして検診最中に想像以上の痛さに悶えていたら、カーテンの向こうから看護師が「経験ないらしいの」「あらそう」という会話が聞こえてきた。
 今まで経験がないことを特に気にしていなかったが、この検診がきっかけで「この歳で処女は少ないのかな」「恥ずかしいことなのかな」と思うようになった。


    Aくんは一人暮らし、私も一人暮らしだったので、家デートはすんなりクリアした。鍋パをしたり、一緒にゲームしたり、映画を観たりして日付を跨いだこともあった。ちなみに、男性の家に行く=身体を許すみたいな価値観もあるみたいだが、Aくんは優しく慎重だったので、そのようなことはなく、私が帰ると言ったら家まで送り届けてくれるような人だった。


    しかし、違和感はすぐに訪れた。
    家デートでソファに座ってると、彼の方から寄ってきた。横にぴとっとひっつく。これはOK、彼の方を向いて顔が近い状態で笑い合う余裕もあった。
    次のステップ、ハグ。これも想定内だから大丈夫だと思ってた。彼もハグは当然といった具合に求めてきた。


    最初は大丈夫だった。
    人肌ってやっぱ暖かいな、なんて思ってた。


    だけど、彼がより強く抱きしめるほど、抱きしめる時間が長くなるほど、無意識に身体が拒否し始めた。
    具体的には腰が引ける感じ。1mmの隙間もつくらないという彼の思いとは裏腹に、謎の隙間をつくろうとする私の身体。

    私は「これはカップルとして普通なこと、慣れてくるはず」と彼に身を預けていたつもりだったけど、身体は正直だったようだ。
    一度だけでなく、ハグする度に私の身体は逃げていた。