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『ノンセクが26年間を振り返ってみた話』⑰恋愛関係とは

    Aくんが躊躇いながら問いかけてきた日…その日は、サークル終わりにいつもと同じように夕飯を食べて話をして、私の家まで送ってもらった時だった。

   「今の関係って正直どうなのかな?って思って…」
    そんな切り出し方だった気がする。
    そして彼は戸惑いや不満や考えを少しずつ話し始めた。

    一緒にいるのは楽しいけど、会う日は少ないし、連絡も遅くて恋人らしくない。
    自分でも気にしてる体型をなじられて嫌だった。付き合った時点で体型とか気にしない人だと思ってた。
    経験ないのは聞いてたからゆっくり慎重にやってたけど、途中に笑い出したのはショックだった。集中してないんだな、男として見られてないんだなと思った。
    性的な欲求がわかないなら、それは恋愛とは呼ばない、友情止まりだと思う。


    Aくんの話を聞いた時、半分は理解できて、半分は理解できなかった。

    会う頻度とか連絡とかは自分の責任だ。彼から交際を申し込まれたのをいいことに、相手の気持ち(それなりに会いたい、つながっていたい)を汲み取らずに、自分の都合(1人の時間を大切にしたい)を押しつけてしまったからだ。Aくんは文句を言わなかっただけで、不満を募らせていたのだろう。
    私はことあるごとに「何か不満とかあったら言ってね」と彼に伝えていた。その時に言わなかったのはなぜだろうと思ったが、当時はまだ我慢できたのだと思う。ただ、例の体型をなじられた一件で、彼の不満もどんどん大きくなったのかなと思った。
    
    恋愛関係じゃないというのは聞いてもすぐに理解できなかった。
    好き同士でつながったのなら、それを恋愛と呼ぶのでは?
    そりゃ確かにその先に身体の関係というステップがあるのは分かってるけど、それがあってはじめて恋愛関係と呼べるってこと?
   

    その場で納得できないものもあったが、話し合うなかで確信したのは「あ、もうこの関係は終わりだな」ってことだった。
    Aくんも単刀直入に「別れよう」とは言ってこず、好きだし、一緒にいたら楽しいし、お別れはしたくないけど、これは恋愛じゃない…を繰り返すばかり。
    私も私で、スパッとお別れすることができず、一縷の望みを探りまくった。「私も頑張って応じられるようにするから」なんて、できる見込みもないようなことも言った。ただ彼は感じていたのだろう、首を縦にふることはなかった。


    結局話合いは4時間くらい続き、帰宅したのは深夜2時前だった。
    2人で出した結論は「恋人関係を解消する」「友人として付き合っていく」「もし別の恋愛をして、前の方がいいと思ったら、よりを戻そう」というものだった。
    このとき26歳3ヶ月。またもや付き合って半年くらいで終わりを迎えてしまった。