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『ノンセクが26年間を振り返ってみた話』⑧二度目の片思い

    22歳、社会人になった。それなりに環境への順応性は高いと思っていたが(ホームシックにならない)、慣れない都会で、周囲に気を遣いながら過ごしていて、最初は仕事に行って帰ってくるだけで必死だった。

    だが、数ヶ月が過ぎた頃、私の中で新たな恋心が芽生え始める。
    「また目で追っかけるだけの日々か?」いや、今回はちょっと違う。その人は隣の部署のBさん。私より少し年上だったが直近の先輩にあたり、ちょくちょく若手だけで飲み会をする機会があったから、自然と話すこともできた。
    さらに恋心を後押しする条件も揃っていた。職場恋愛、職場結婚した人が多いこと、同年代のライバルが少なくとも職場にはいないこと、そしてBさん自身が婚活中?(真偽は不明)っぽかったこと。


    4年ぶり2回目の片思いが始まった。


    ……………かといってやってることは高校時代とさほど変わらなかった。
    いくら職場恋愛が多いといえど、上手くいかなったら地獄だし、「もっと話したい!こっちに関心向けてほしい!」と思いつつも、仕事中ちょくちょく見かけるBさんを癒しにしているような感じで、積極的なアプローチはしてこなかった。気持ちがバレるのが怖かった。
    そんなこんなで、置かれている環境にあぐらをかいて、「もしかしたら彼女候補として考えてくれるかも…」って呑気に考えて、「これはアプローチなのか」と疑われるくらい微弱なアプローチを続けること半年、ひとつ自分から動いた出来事があった。