【随想】シン・エヴァンゲリオン劇場版:||
シンエヴァ。約ネバと響きが似ている。それはさておき…
すぐに忘れ去られるような代物ではない。
頭の中にこびりつき、拭い取れない。
言葉にすること、見た人のシニフィエとシニフィアンの一致を急激に求めてくる。
新世紀エヴァンゲリオンン、ヱヴァンゲリヲン新劇場版、そして、シン・エヴァンゲリオン。
26年の物語は、変奏を重ね、とうとう完結した。
繰り返す記号はついているが、まどマギでも、時かけでも、ビューティフル・ドリーマーでも、ハルヒでも、ひぐらしでもない…
見る者と作る者との間の補完計画が、ついに達成されたのだ。
完全なる終劇。
説明不足の突き放した設定に対し、赤裸々過ぎるまでの内面描写。
圧倒的作画による狂気の戦闘シーンと、露骨なまでのチープなCG表現。
作者の精神状態がダイレクトに見るものの感情を揺さぶる類い稀なる作劇。
人のピュアさに心打たれるために、我々は映画館に向かうのか。
そんなにも、ピュアさは現実では味わえないものとなったのか。
近現代文学において、かつて文豪たちもピュアと向き合い、絶望の淵に救いを描いた。
庵野アニメこそ、現代の私小説であり、純文学である。
さらば、全てのエヴァンゲリオン。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?