【随想】M-1グランプリ2021 錦鯉優勝に寄す

勿論今回
錦鯉が優勝で間違いない。

渡辺さんの何度目かのどつきで
途中から完全に長谷川さんに悪魔が乗り移っていた。

何度も何度も与えられる
ドラッグのようなエサ(笑い)に誘われて
芸人を辞められない長谷川さんは
輪廻のように「猿」を転生する。

叩かれて記憶を失っているのか、
それとも今を解脱して何度もタイムリープしているのか、
いや50歳まで諦めずに笑いに狂っていく芸人の性を描いているのか、
転生の度に徐々に進化していく長谷川さんは、とうとう発狂し、
最後の形相はまさに、ドラゴンボールの「アックマン」そのものであった。

悪魔に魂を売った長谷川さんを
現実につなぎとめ救済したのは、相方の渡辺さんであった。

人間に戻った長谷川さんは、横たわりながら
それまでの転生の旅を「ライフイズビューティフル」と称し、
4分間の美しい舞台は幕を閉じる。

それは優勝を約束された完璧な筋書。
誰も敵わない。
まさに芸人人生、
ネタや笑いを越えた「人間」がそこにはいた。

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