ヘッドホン

今年のVtuberのオリジナル曲100ぐらい振り返っていく⑥『個人音楽Vを聴け編』

 今回は表題の通り個人というよりかはワンオペで音楽Vをやっている方をまとめて振り返っていきたいと思います。マルチな才能が注目されますがここでは作詞作曲歌唱が本人の個人Vに限定して振り返っていきます。今回濃いめです。

23. プレパラート / 天鳥ココロ

 この曲、歌詞を眺めるのがめちゃくちゃ楽しい。「足りない 要らない」と「Lovin' you I need you」とか「CryのIで」とか「世界」と「正解」とか「写像」と「車窓」とか大好物です。わかりやすく対象にしてみたり語感だけ寄せてアシンメトリーにするとかもっとみんなやってくれ……と思っていたので聴いた時ニコニコしちゃいましたね。

 妄想を垂れ流すターンです。「この世界に生きるあなたへ」は誰から誰へのメッセージでしょうか。問題になるのはこの動画内に3人出てくる点です。二人なら単純にバーチャル/現実で分けられたんですが、白髪ケモミミと黒髪と学生服がいるんですよね。この後は便宜上、白髪ケモミミ(天鳥ココロさん)を白、黒髪を黒、学生服は学生服と呼称します。

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 さて、出てくるタイミングで考えたんですが、学生服は実写パートで出てきたので現実の存在、黒髪は現実の存在がただそのままバーチャルにいった存在、『世界を越えよう』のフレーズで出てきたから白髪ケモミミのみが天鳥ココロさんとしてみました。学生服と重なるのは黒だけということを考えると時系列的も学生服→黒髪→ケモミミなのかなと。学生服が目を見せないところもリアルの存在っぽいです。黒と白は人格か表現かの違いかなと。Vroidを使って人格にバーチャルを羽織ったのが黒で、音楽をしているのは白、天鳥ココロといった解釈。

 これも思いつきなんですが、MV上で砂が落ちる演出がありますよね。そこでの歌詞は『正解は指をすり抜けて落ちてく砂のように』です。なので、ここで落ちているのは砂であり、黒にとっての正解だと思うんですね。そして、その後に白が落ちていった砂=黒にとっての正解を指して手を叩いてます。

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 そして最後に冒頭で落ちていった砂が上に向かうシーンが最後にあります。そこでの歌詞は『響く歌が灰になるまで』です。つまり砂と灰は同じだと考えます。つまり、最初にすり抜けたも黒にとっての正解は歌だったのではないかと。上に向かっているので拾い上げたという意味合いもあるかも。では、なぜ「砂」ではなく「灰」を当てたのかが不明ですね。ここは完全に当てずっぽうなんですが、灰って燃えたあとに残るものですよね。ですから、響く歌が灰になるまで、燃え尽きるまで歌う、ということなのかなと。

 この読み方でいくと「この世界にいきるあなたへ」は白から黒へのメッセージなのかなと。まぁ考えてみれば作詞作曲が天鳥ココロさんなんで当たり前と言えば当たり前な気もしますが。天鳥ココロさんという音楽表現そのものが、歌っていることが正しい、正しかったよというメッセージを送っているのかなと。『loving' you I need you』も音楽という表現をするにも自分が必要だからなのかなと。白と黒が最後溶け合うように白い光に包まれるので一つになったということなんでしょうかね。

 間違っている気がするけれど、かといって100%間違っている気がしないぐらいが楽しいラインなのでこのくらいにして、この先も聴きたいなと思う曲です。書いてて思ったんですが何回聴いても良い曲です。何回でも聴ける曲ってシンプルな曲の良さとはまた別のベクトルで素晴らしいものだなと思います。

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これプレパラートか!??????????????

24. Noah. 君のカタチを紡ぐ / 青山ジンベエ

 この動画だけみても素晴らしいんですがぜひとも最初の動画から見ていただきたいですね。ちょっと怖いんですけど。ということで敢えてマリー・アンドロイドさんについての説明はここでは割愛します。

 まず、タイトルのNoahです。ここは素直にノアの方舟と読みました。タイトルだけでは「君」が誰かは分かりません。ここでカタカナの”カタチ”となっているのは単に”形”ではないという意味でしょう。

 初っ端の歌詞素晴らしいですよね。後の歌詞から考えると「僕には羽がないから君のところへ飛んではいけない」ということを言いたいんでしょうけど、『背中のそれは~』と会話にしてくるのとんでもないです。震えます。

 そして、『海の向こうには君が見えるから~』ですが、この数秒前に海の向こうを見る人影が映っているので、海の此方側にいる人間の歌なんだな。君に宛てての歌なんだなと分かります。その後も海の向こうを目指していますが、『カモメをただ見ていた』から、どうやら君がいるところへはたどり着けなかったと分かります。

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 そして、暗転を挟んで先程見送るように海の向こうを見ていた女の子が座っている部屋に場面に移ります。そしてその部屋を横切る男。

 暗転後の歌詞に『カタチ』が出てきます。部屋の中にいる女の子をよく見ると人形であることが分かります。このことから『君のカタチ』というのは人形の形から来てるのかなと。でも、『あれ?じゃあ僕って誰だ』となりますよね。流れで行くと部屋を横切った男になるわけですが。ではこの男は何者なのか。

『僕には切符がなくて』『いかなくちゃ僕も大人だ』から行こうとしていた場所は子供の時しかいけない場所の可能性がありますね。僕は少し昔にその場所へ行こうとしたけれどたどり着けなかった。だから、『君のカタチ』をNoahに乗せることで場所への到達を試みているのかなと。

 私は最初、「マリーちゃん」と「青山ジンベエ」さんを知っている状態で、この歌が「ンヌグム」さんとのコラボ動画の最後に流れて、最後に集合写真が映っているところからンヌグムさんに宛てた歌かなとなんとなく思っていたんですけど。気になるのはマリーちゃんじゃなくて青山ジンベエさんが歌っているんですよ。

 もちろんマリーちゃんからンヌグムに宛てたという構造としても成り立つと思いますし、なんとなくコラボ動画の流れで見ればそうとしか見えないんですよね。でも、これを単発で上げてるってことはつまり青山ジンベエからマリーちゃんに向けた歌として読んでもいいということなのでは?と勘ぐっています。今回しっかり読んでみたらソッチのほうがむしろありそうで改めてこの世界観の虜になりました。現在は7話まで公開されています。続きが楽しみです。

25. 愛の在処 / アマクサナナシ

 よ、良~~~~~~~~~~~~~~~!!!!

 この歌はVとか関係なく私が良く書く「普遍的なテーマ」についての歌なのでとやかく解釈しません。アマクサナナシさんのファイティングポーズをリスペクトして、『アマクサナナシ曲と各々戦え。他人の解釈で戦ったつもりになるな』です。ちなみにこの曲はアマクサナナシ曲の中でも、比較的優しいパンチの曲だと思いますので頑張ってください。それでもアゴ持っていかれそうなんですが。現時点でもう一曲は絶対振り返ろうと思っています。

短いですが最後に私信。アマクサナナシ~~~~~~~~~~~~~~~新曲待ってるぞ~~~~~~~~~~~~~

26. 魔法なんかじゃない / ちゃらんぽらん隊

 この曲はVtuberとして好きな人が作った歌なんですけど、この曲の公開以来音楽やる人としても好きになりました。この曲については一回noteを書いたんですけどこの一連のシリーズの中にも入れときたいなと思ったのでここに入ってます。

 ココスキポイントを列挙していきますね。
 ・まず3人動いてる時点でくる
 ・イントロギター
 ・背中
 ・後ろでワチャワチャ
 ・コーラス
 ・キーボードあとりさん
 ・『確かに愛があるから』で3人並ぶとこ
 ・間奏で過去動画出してくるのズルい
 ・背筋時おめめガン開きあとりさん
 ・制服あとりさん
 ・Cメロの歌詞ヤバない??????
 ・『さよならはいつかくるものだけど』
 ・『さぁ行こうぜ 次の未来へ』
 ・1番の『瞬いていよう 輝いていよう』に対しての『また泣いてても 笑わせるよ』
 ・『苦楽あれど暗くない』
 ・最後に『魔法なんかじゃない』を出しながらの『君を変えるのは』ってくるの完璧すぎて拍手

 まじで歌詞全部好きすぎてつらい。この曲はほんとに限界状態になる。umaさんバースデー版もいいから聴いてな……。

27. うたうぼっちのテーマ / ぼっちぼろまる

やっぱすげぇじゃんかよぼっちぼろまる!!!!!!!!!!!1

 え? 2018年の曲じゃねえかって? だから2019年の丁度一年後にMVが出て最高なんだろうが!!!!!!!大逆転信じてぼっちで音楽するぼろまるの歌。最高じゃないですか。年末紅白でバズったとか関係ないし、なんならVtuberとか関係なくバズりまくってほしいし、バズじゃなくて本気で評価されてほしいな……

 やっぱりすごかったぼっちぼろまる。すげぇぜ。とはいえ2018年の楽曲なのは本当だからこのくらいの文量にしておくね。これからもよろしく。以上。

P. S. ヲタきちさん作MVやばすぎるから追うんだみんな。

個人音楽Vを振り返って

 ものすごい楽しかったです。もちろん解釈の難易度は段違いだし、生っぽい感じがしてより間違えちゃいけない感がありました。堂々と間違える気満々の奴が何をいうのかという感じですが。企業と個人で音楽に対する熱意だとか考え方に差があるわけではないですよね。これは絶対にそうだと思いますし、わざわざVを名乗って自分の音楽をやってる人は打算が入った途端に自分が嫌いになったり、音楽ができなくなったりすると思います。少なくとも今回振り返った曲の中にはありません。

 今回なんで個人の、しかも作詞作曲歌唱までやってるVに絞ったかってやっぱそのぐらい絞っていかないと見つけられないくらい音楽Vでさえ人口が多いんですよね。なので、なるべくわかりやすい括りかつ、ある程度絞れるテーマでやりたかったんですね。さらに言えば今のVで数字をとっていくのってマルチな才能をもった個人だったり、マルチな才能を集めた集団だったりするなぁと思ってて。あれ?でもこの音楽を歌唱作詞作曲する人ってその時点でマルチじゃないか?と思って、でもこの人達腹に溜めてる想いを音楽に昇華するタイプの人達なのでなかなか配信頻度も高くは出来ないと思うんですよね。それは単に作業時間がないってもあると思うんですけど、簡単に自分の考えを発散できる場所があったら作品として固まりきらないんじゃないかと。

『Vは双方向の会話がメリット~』みたいな話もあるんで配信メインに追ってる人は物足りないのかもしれません。じゃあ。音楽Vが作った作品と十分に向き合って会話してますか?作った時間と同じだけ聴いてるとかではなく、作品のメッセージを受け取って、私はこう受け取ったみたいのを相手に返してこその会話じゃないか?と思います。『配信してほしい~』とか『Twitterでもっとつぶやいてほしい~』とかじゃなくてまず作られた作品と会話してるか?という。私も聴くだけ聴いてというのが多かったのでこんな一人で喋ってるようなnote書いてるんですけど。一応振り返ったVのエゴサに引っかかるようにしています。MZMとかものすごい厚かましい事書いてますけどいいねされてます。読んでるかどうかまでは知りませんが。とにかく、折角Vという存在でいてくれながらも音楽をやっておられる方がいるのでどんな受け取り方でも良いから会話してほしいなと振り返りながら改めて思いましたとさ。みなさんもぜひ振り返って見てほしいです。
 また、しばらく期間を開けて個人音楽Vはまとめて振り返りたいと思います。

 次回は、とある音楽Vの楽曲をまとめて振り返りたいと思います。強敵です。それではここまでお付き合いありがとうございました。また次回もよろしくおねがいします。


見出し画像に使っているイラストを描いてくれた大好きなイラストレーター
© 2019 彩田花道 @SaitaHanamichi


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