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『はるかカーテンコールまで』デジタル栞文

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笠木拓歌集『はるかカーテンコールまで』(港の人、2019)に「遠泳」同人が寄せた栞文です。
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『はるかカーテンコールまで』デジタル栞文

 「遠泳」同人の笠木拓の第一歌集が刊行されます。今日から毎週一回、「遠泳」メンバーがリレー方式で歌集についてnoteを更新していきます。第一回目は榊原紘が担当です。それではどうぞ。

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第一回:『はるかカーテンコールまで』を待つこと

 面白い連載は自殺を思い留まらせることができる、と言ったのは誰だったか忘れたけれど、本当にそうだと思う。どうなるのかこの目で確かめたいという気持ちは(どん

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「はるかカーテンコールまで」デジタル栞文

「遠泳」同人の笠木拓の第一歌集刊行記念note!第二回目の更新担当は北村早紀です。

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先日サークルの後輩が、「きょうたんの先輩たちの歌はずっと覚えてる」
「はじめに見た短歌を親だと思ってついて行くので、たまになにかで思い出したり無意識に真似しそうになったりする」
とツイートしていて、うおー私も同じように思うよ、と思いました。
うおーわかるわかる、と思ったときに私が思い浮かべた何人かの先輩の

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「はるかカーテンコールまで」デジタル栞文 ‐第3回‐

「遠泳」同人の笠木拓の第一歌集刊行記念note!第三回目の更新担当は中澤詩風です。祝日なので、昨日の北村早紀に続いてお得な連続公開です。

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笠木さんの歌集が刊行されたということで、とてもめでたいです。
漫画は単行本化を待つタイプの人間である私としては、笠木さんの歌をまとめて読める機会ができて、とても嬉しいです。

さて、今回笠木さんの歌をまとめ読みして、いいなと思った歌を引きます。

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「はるかカーテンコールまで」デジタル栞文-第4回-

「遠泳」同人の笠木拓の第一歌集刊行記念note、今回の担当は松尾唯花です。

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第4回:わたしとひらがなと笠木さん

 ひらがなが好きだと思う。
 ひらがなを丁寧に書くのも好きだし、眺めるのも好きだ。

 笠木さんと一緒に京大短歌にいたのはかなり短い期間だったけれど、歌会で会わなくなっても(そもそも歌会でもそんなに遭遇していなかったかもしれない)、ふとしたときにアニメのひとこと感想が届いた

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「はるかカーテンコールまで」デジタル栞文-第6回-

「遠泳」同人の笠木拓の第一歌集刊行記念note、今回の担当は坂井ユリです。

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そんなに遠くない昔、私はしばしば予期しない死について考えていた。最近はよく寿命について思う。寿命について考えることと、死について考えることは少し違う。寿命を前にすると、死はその営為の慎ましさを感じさせるからだろうか。

心臓が早鐘のように鳴るというその早鐘の齢をおもう/「フェイクファー」

「齢(よわい)」

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はるかカーテンコールまでデジタル栞文-番外編-

はるかカーテンコールまでデジタル栞文-番外編-

 『はるかカーテンコールまで』デジタル栞文2回目のはずでしたが、担当割り振りのときに間違えて10月6日を抜かしてしまったので著者が出張って番外編をします。あ、笠木です。
 とはいえ何を書いても野暮になるな、と思って、この間大森靖子(同い年!)がライブでやってた「私の天国へようこそ。『流星ヘブン』」っていう曲紹介がかっこよかったので、真似します。

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番外編:本をひらく前のMC

 ここまで生

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