シェア
生きてると感じる 手のひらの上 硬い殻の中に納められた 柔らかい肉体 ヤドカリの持つ命の…
帰りたくないなあと いつも海に行くと思う 全身ぐっしょり濡れても 気にしない シャツが肌…
海を見たらかなにが変わると思っていた 中学生時代 そんなロマンチックな 感覚なんて訪れは…
岩場に取り残された 小さな水溜り 隔絶された世界の中にも 生き物たちは 懸命に生きている…
彼女の手は 温かくて柔らかくて 強く握ってしまうと 壊れてしまいそうなほどだった 雨上が…
いつか僕にも 子どもが出来たら その時は一緒に 蒲郡の海を見に来たい 僕が父にしてもらっ…
海鳥たちが 騒がしく舞う空には 輪郭のくっきりとした 入道雲が浮かんでいた 青さ際立つ夏空 眩しい陽光 夏の日差し 首筋に浮かぶ汗の玉 背中には羽根の形をした 汗の染み むせかえるような夏の香り 白波の砕けて跳ねる滴の粒々 寄せては返す波打ち際に 積み重なった貝殻の山々 当たり前の日常に 巡る季節の音色質感実感 竹島を覆う樹木に 恩恵を得ている 蝉たちの大合唱 夏を感じるあちらこちらの ざわめきを蒲郡の海は その雄大なふところで う
竹島水族館の横には 昔お土産屋さんや 売店が軒を連ねていた お土産屋さんの店先には 様々…
バケツの中には さっき捕まえたばかりの 蟹がかさこそと 動き回っていた 5センチくらいの…
前を歩く人もまた竹島を 目指して歩いている 僕もまた竹島に向かって 歩いている 橋の向こ…
寄せては返す波の音 繰り返し繰り返し かえっていっては 戻ってくる波のうねり 一体どこか…
埋め立てられる前の景色を 思い出そうと思っても もう何十年も前の記憶だから 薄靄の向こう…
水槽を覗けば 見知らぬ生き物 魚の群れ 名前も知らなければ 見た事もなかった生き物の姿 …
見慣れた風景だろうとも 6歳で見た海の風景と 24歳に味わった海の風景も 35歳で振り返った海の風景は 全然別物で きっと68歳で感じる海の風景は 40歳で眺めていた海の風景とも違って見えて 85歳の死に際に思い出す海の風景は キラキラしていたりするのだろうか 今日と明日では 違う香り 違う表情 違う青 一つとして同じ色合い 同じ風景はどこにもなくて その日その日がかけがえのない特別な風景 刻まれる光と影 折り重なる波音も 穏やかな音色の時